最近、わが家のヒロちゃんに元気がありません。もう18歳ですから、人間でいえば相当なお年寄りです。若い頃のように家の中を駆け回ることなど、とっくになくなりましたが、それでも、いつもの場所で丸くなっていたり、あほまろの気配を感じると顔を上げたりする姿を見るだけで、「今日も元気だな」と安心していたのです。
ところが、この数日はちょっと様子が違うのですよ。
歩く姿もよろよろとして、何より心配なのは、ほとんど食事を口にしなくなってしまったことです。
お水だけは自分で飲んでおりますが、いつもの食事を出しても知らん顔。鼻先へ持っていっても、「いらない」とでもいうように顔を背けてしまいます。
猫というものは、言葉をしゃべりません。
「今日は胃の具合が悪い」とも、「歯が痛い」とも、「ちょっと身体がだるいんだよ」とも言ってくれません。
もっとも、もし猫が人間の言葉をしゃべれるようになったら、それはそれで大変でしょうね。
「飯がまずい」「部屋が寒い」「写真ばかり撮るな」「朝っぱらからハトと遊んでないで、早く帰ってこい」
なんて、18年間溜め込んだ苦情を一気に聞かされることになるかもしれませんよ。
それでも今だけは、一言でいいから、
「ここが痛いんだよ」
と教えてくれたら、どんなにありがたいことでしょう。
そんな状態のヒロちゃんなのですが、不思議なことに、夜になるとちゃんとあほまろのベッドへやって来るのです。
歩くのもよろよろしているくせに、どういうわけかベッドには自分で飛び上がってくる。そして、あほまろの身体にぴったりくっついて眠るのですよ。
その温もりを感じながら横になっていると、なんとも切ない気持ちになります。
長い年月を一緒に暮らしてきたヒロちゃんにとって、あほまろのベッドは単なる寝床ではなく、いちばん安心できる場所なのでしょう。
猫は気まぐれだと申します。
呼んでも来ないくせに、忙しい時に限って邪魔をする。こちらが遊んでやろうと思えば知らん顔をして、放っておけば向こうから寄ってくる。
まことに勝手な生き物ですが、その勝手さに人間の方が飼い慣らされてしまうのですから、猫という連中はたいしたものですよ。
ヒロちゃんも18年間かけて、あほまろを立派に飼い慣らしてしまったようですね。
しかし、食べない状態が続いている以上、単に「歳だから仕方がない」と決めつけるわけにはいきません。
高齢になれば身体のあちこちに不調が出るでしょうし、何か少しでも楽にしてあげられる方法があるかもしれません。病院へ連れて行くこと自体がヒロちゃんには大きな負担になる年齢なので、まずは獣医さんに事情を話して、なるべく身体に負担をかけない診察方法について相談してみようと思っているのです。
そんなヒロちゃんのことが気になって仕方がなかった今朝――。浅草寺でビクトリー君と遊びながら、ふと思いました。
「そうだ。観音さまに聞いてみよう」
もちろんビクトリー君が本当にそう言ったわけではありませんよ。
でも、今朝のビクトリー君の顔を見ていたら、
「そんなに心配なら、おみくじでも引いてみたら」
と勧められたような気がしたのです。
そこで、ヒロちゃんのことを思いながら、おみくじを一枚引いてみました。
すると出てきたのが、
「第九十六・大吉」でしたよ。
よりによって「大吉とは、
こういう時、人間というものは都合の良いもので、たとえ偶然のおみくじでも、「これはきっと何か良い知らせに違いない」と思いたくなるものなのです。
そこに記されていた漢詩が、
鶏逐鳳同飛
高林整羽儀
棹舟須濟岸
寶貨滿船歸
というものでした。
大意としては、鶏が鳳凰について一緒に飛ぶように、優れたものに導かれて自分も高みへ進んでいく。そして高い林で羽を整え、舟を操って無事に岸へ渡れば、最後には宝物を船いっぱいに積んで帰ってくる――。
そんな、いかにも「大吉」らしい、景気の良い内容でしたよ。
ただし――。あほまろが知りたかったのは、宝船の話ではありません。
「ヒロちゃんは大丈夫でしょうか」
それだけだったのですよ。
残念ながら、おみくじには、
「ヒロちゃん、明日からモリモリ食べます」
なんて親切なことは、どこにも書いてありませんでしたけどね。
そりゃそうですよね。観音さまのおみくじも、動物病院の診断書ではありませんから。
けれども、あほまろはこの「大吉」を、未来を保証してくれる予言としてではなく、今できることをきちんとしてあげなさいという励ましとして受け取ることにしました。
「棹舟須濟岸」――舟を漕いで、きちんと岸まで渡りなさい。
途中で勝手に結論を出さず、心配なら獣医さんに相談し、ヒロちゃんにしてあげられることを探す。
そして「寶貨滿船歸」の宝とは、金銀財宝ではなく、ヒロちゃんと過ごしてきた18年間そのものなのかもしれません。
振り返れば、もう船いっぱいどころではありませんよ。
毎日の何気ない仕草、呼んでも知らん顔をされたこと、膝に乗ってきたこと、留守番をさせたこと、帰宅すると拗ねて隠れていたこと。そして今、夜になるとあほまろのベッドへやって来て、身体をくっつけて眠ってくれること――。
そんな一つひとつが、あほまろにとっては宝物なのです。
命には、人間にも猫にも、いつか終わりがあります。
それが明日なのか、まだずっと先なのかは誰にも分かりません。ましてや、おみくじに尋ねても答えてくれません。
だからこそ、先のことばかり心配するより、今夜もベッドへ上がってきてくれたなら、
「おいで、ヒロちゃん」
と、いつものように迎えてあげましょう。
そして身体をくっつけてきたら、その温もりを感じながら眠りましょう。
18年も一緒に暮らしているのです。
言葉なんか無くても、お互いに分かっていることが、きっといっぱいあるはずですからね。
今朝のおみくじは「大吉」でした。
ヒロちゃんのこれからを占うことはできませんでしたが、それでも「あほまろ、余計なことを考えていないで、今してあげられることをしなさい」と、観音さまから言われたような気がしております。
だから今夜も、いつもの場所を空けて待っていますよ。
ヒロちゃん、暖かくして、今夜も一緒に寝ようね。
「大吉を 猫に見せても知らぬ顔 添い寝のぬくみそれが宝か」
ヒロちゃんには、まだまだその宝を増やしてもらいたいですからね。
今朝は久しぶりに、境内からオリオン座を望めましたよ。
今朝の日の出は午前5時38分。
ハナカイドウの実。
北さん、おはようございます。
単身赴任で九年間を過ごされた浅草とも、いよいよお別れですね。今月から関西へ戻られるとのこと、長い間お疲れさまでした。浅草で過ごした九年間、とりわけ早朝の浅草の風景も、きっと懐かしい思い出になることでしょう。
関西へ戻られてからも、時々あほまろの日記を覗いて、浅草の朝を思い出してくださいね。
そして、また浅草へいらっしゃる機会がありましたら、いつもの早朝の境内でお逢いしましょう。
おはよう陽子さん。
おはようございます。今朝は開門2分半前にやって来た、山本さん、野崎さん、高橋さん、金山さん。
梶原さんも加わって、おはようございます。
子育地蔵さま、わが家の子どもたちと猫の安全をお守りください。
日本のナイチンゲールと称される瓜生岩子像。
そろそろ色づき始めるイロハモミジです。
定点観察を続けているソメイヨシノの木。あほまろは、風格ある幹や力強く伸びる枝ぶりはもちろんのこと、とりわけ葉の移ろいに心を惹かれております。
昨年から落ちることなく枝に残り続けている二枚の葉。これからもあほまろは毎朝逢いに来ますので、いつまでも頑張ってくださいね、
令和の大改修を終え、広々とした境内西広場。
お店の取り壊し作業が終わった伝法院通り。
あほまろは今日も秘密基地にて、「浅草は、朝が深い」の原稿書きに勤しみますよ。
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おはようひろちゃん。
あほまろが早朝散歩に出かけると、自分のベットで二度寝をするのですよ。
今朝の朝の朝食は、ハムと地0図と野菜を蒸したのと、クルミパン。デザートは青森りんご。
妻のコレクションは、早苗さんとジョルジャさん。
昨日の東京スカイツリー。
あほまろお帰りなさい。
夕べの夜の夕食の晩ご飯は、ホッキ貝と焼き鳥。デザートは青森りんご。
妻のコレクションは、クルマスキーちゃんとさくらさん。
MemoiPhone 17 ProMAX