昨日の日記でヒロちゃんの具合が悪くなったことを書いたところ、心配してくださった数名の方よりメールをいただき、ありがとうございました。
ヒロちゃん、もう18歳です。8月頃から少しずつ食欲がなくなり、体重もどんどん減って、日を追うごとに身体が弱ってきました。そんな様子を心配して、「一日も早く病院へ連れて行ってあげてください」と声をかけてくださる方もいらっしゃいました。ヒロちゃんのことを気遣ってくださるみなさんのお気持ちは、本当にありがたく思っております。
ただ、これまで一緒に暮らしてきた犬や猫たちの最期を振り返ると、病院へ連れて行き、注射や点滴などの治療を受けたものの、その後さらに具合を悪くしてしまった経験もありました。
もちろん、それが治療のせいだったのかどうかは、あほまろには分かりません。それでも今回は、18年間一緒に暮らしてきたヒロちゃんの年齢や今の様子を見ながら、今は、ベッドに飛び乗ることも出来ており、できるだけ住み慣れたわが家で、安心して静かに過ごさせてあげたいと思っています。
そして、もしその時が近づいているのであれば、知らない場所ではなく、いつもの部屋、いつもの匂い、そして大好きな家族のそばで、最後までヒロちゃんに寄り添い、わが家で看取ってあげたい。
今は、そんな思いでヒロちゃんを見守ってあげようと思っておりますよ。
境内の十月桜が、その名の通り十月になって花を咲かせ始めました。
春の桜のように、いっせいに咲いて、いっせいに散ってしまう桜ではありません。十月桜は秋から少しずつ花を開き、十一月頃にひとつの見頃を迎えます。そして寒さの中でもぽつりぽつりと花を残しながら冬を越し、翌春になると再び花を咲かせる、いわゆる二季咲きの桜なのです。
満開のソメイヨシノのような華やかさはありませんが、冷たい風の中で小さな花を見つけると、なぜか立ち止まってしまいますね。
これから冬が来るというのに咲く桜。散るために咲くというより、春まで命をつないでいるようにも見えてしまうのです。
今朝、そんな十月桜を眺めていたら、ふとヒロちゃんの昔のことを思い出しました。
ヒロちゃんがまだ浅草神社で暮らす野良猫だった頃のことです。
あの頃のヒロちゃんは、毎朝やって来るあほまろの愛犬ナナちゃんを待っていました。
十月桜ではありませんでしたが、春になって浅草寺境内のソメイヨシノが散り始める頃、ナナちゃんは地面に落ちた桜の花びらで遊ぶのが大好きでした。
風が吹くたびに、花びらが境内をころころと転がっていきます。
ナナちゃんがそれを追いかける。
するとヒロちゃんまで一緒になって追いかける。
犬と野良猫が並んで、散った桜の花びらを集めて遊んでいたのですよ。
考えてみれば、不思議な光景だったので、以前に出版した「北海道犬ナナちゃんと、野良猫ヒロちゃん。待ってたよ。」にも掲載したことがありましたよ。
普通なら犬を警戒するはずの野良猫が、ナナちゃんだけには心を許していたのです。それどころか、毎朝ナナちゃんが来るのを待っていたのですから、ヒロちゃんにとってナナちゃんは、友だちというよりも母親のような存在だったのですよ。
二匹が仲良くなったのは、平成21(2009)年の春でした。
それから翌年の秋まで、毎朝のように一緒に遊んでいました。
雨の日も、寒い雪の朝も、ナナちゃんがやって来るとヒロちゃんが姿を現す。そんな二匹を毎朝見ているうちに、あほまろも放っておけなくなってしまいました。
「それほどナナちゃんが好きなら、もう一緒に暮らせばいいじゃないか」
そんな気持ちで、とうとう野良猫だったヒロちゃんをわが家へ連れて帰ったのでした。
ところが、家族になったからといって、ヒロちゃんが人間に懐いたわけではありませんでしたよ。
家の中でもナナちゃんとはいつも一緒。
ナナちゃんのそばなら安心して眠るのに、人間が近づくと逃げてしまう。あほまろがせっかく家へ連れて来たというのに、どうやらヒロちゃんにとっては「あほまろの家」ではなく、「ナナちゃんの家」だったのでしょうね。
少しくらい飼い主にも愛想を振りまいてくれてもよさそうなものですが、猫という生き物は、そのあたりの義理人情にはずいぶん淡泊なのでございます。
それでも、それで良かったのです。
ナナちゃんとヒロちゃんが寄り添って眠っている姿を見ているだけで、あほまろも幸せでしたからね。
やがて、ナナちゃんが亡くなりました。ヒロちゃんにとって、それはどれほど大きな出来事だったのでしょう。
いつもそばにいたナナちゃんが、ある日突然いなくなってしまった。
家の中を探したのかもしれません。
いつもの場所で待っていたのかもしれません。
けれど、いくら待ってもナナちゃんは帰って来ませんでした。
それからです。
あれほど人間を避けていたヒロちゃんが、少しずつあほまろのそばへ来るようになったのは。
そして、いつの頃からか、夜になるとあほまろの布団へ入り、身体をぴったりくっつけて眠るようになりました。
もしかしたらヒロちゃんは、ナナちゃんがいなくなって空いてしまった心の場所に、仕方なくあほまろを入れてくれたのかもしれませんね。
そう考えると、ちょっと複雑ではありますが、それでもありがたいことですよ。
ヒロちゃんは18歳になりました。
長い年月を一緒に暮らしてきましたが、本当にあほまろを頼ってくれるようになってからは、まだ三年足らずなのです。
十八年も一緒にいて、ようやく三年。
ずいぶん長い交際期間を経て、ようやく認めてもらえたものですよ。
今ではどうやら、あほまろがナナちゃんの代わりになってしまったようです。
ところが昨夜、ヒロちゃんは珍しく、あほまろの布団へ入って来ませんでした。
いつもなら、よろよろしながらでもベッドへ上がってきて、身体をくっつけて眠るのに。
昨夜は来ませんでした。
たったそれだけのことなのですが、布団の中にいつもの温もりがないと、妙に広く感じてしまうものですね。
「ヒロちゃん、どうしたの」
そう声をかけながら、あほまろは少し寂しくなりましたよ。
もしかすると、ヒロちゃんの気持ちは、もう少しずつナナちゃんのいるところへ向かい始めているのでしょうか。
そんなことを考えてはいけないと思いながらも、今朝咲いた十月桜を見ていると、どうしてもそんなことを思ってしまったのです。
秋に咲き、冬を越し、そして春にもう一度咲く十月桜。
花が終わったように見えても、それで終わりではありません。
寒い冬の向こうには、また春が待っています。
ヒロちゃんとナナちゃんが桜の花びらを追いかけて遊んでいた、あの春の朝も、あほまろの記憶の中では少しも色褪せてはいません。
ですから、ヒロちゃん。
まだ急いでナナちゃんのところへ行かなくてもいいんだよ。
ナナちゃんは、きっと向こうで待っていてくれるでしょうから。
もう少しだけ、あほまろの布団の中で眠っていてくださいな。
今夜はまた、いつものように来てくれるかな。
そんなことを思いながら、今朝は小さな十月桜を、いつもより少し長く眺めていたのでした。
「秋桜 咲けばあの日の花びらに 犬猫遊ぶ春ぞ恋しき」(阿呆人也)
平成中村座。
今朝の日の出は午前5時38分。
ハナカイドウの実。
ようやく咲き出した、十月桜。
母子地蔵さま。
おはようございます。今朝は開門5分前にやって来た、野崎さんと高橋さん。
子育地蔵さま、わが家の子どもたちと猫の安全をお守りください。
日本のナイチンゲールと称される瓜生岩子像。
そろそろ色づき始めるイロハモミジです。
定点観察を続けているソメイヨシノの木。あほまろは、風格ある幹や力強く伸びる枝ぶりはもちろんのこと、とりわけ葉の移ろいに心を惹かれております。
昨年から落ちることなく枝に残り続けている二枚の葉。これからもあほまろは毎朝逢いに来ますので、いつまでも頑張ってくださいね、
令和の大改修を終え、広々とした境内西広場。
お店の取り壊し作業が終わった伝法院通り。
あほまろは今日も秘密基地にて、「浅草は、朝が深い」の原稿書きに勤しみますよ。
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おはようヒロちゃん。
今朝の朝の朝食は、肉と野菜を蒸したのに、クロワッサン。デザートはリンゴ。
妻のコレクションは、ユキちゃんとペコちゃん。
昨日の東京スカイツリー。
あほまろお帰りなさい。
可愛そうに、苦しそうでした。
それでも、食事中は、起きてきましたよ。
夕べの夜の夕食の晩ご飯は、息子が買ってきた、高級牛肉弁当。デザートはオレンジ。
妻のコレクションは、チリちゃんとさつきさん。
MemoiPhone 17 ProMAX