令和8年(2026)8月21日(金)  旧暦7月9日 先負
今朝の撮影 Data
SONY α1 II
Sigma 20-200mm F3.5-6.3 DG
iPhone 17 Pro Max
現像 Adobe Photoshop Lightroom CC
撮影枚数 627枚
- 待ってたよ あの日の声を探す猫 ナナは見えぬが風に面影 -

 今朝は、いつもの日記を書く前に、ちょっと大切な用事がありましたので、今日の日記の更新が遅くなってしまいました。その大切な用事とは、わが家のヒロちゃんを病院へ連れて行くことでした。
 ヒロちゃんは、別に病気になったわけではありません。しかし、ここ数日どうも便が出ていないようで、トイレには何度も入るのですが、そのたびに一生懸命きばっているだけで、肝心のものが出てこないのです。
 人間だって便秘はつらいものです。ましてや猫は、「ちょっとお腹の具合が悪いから病院へ連れて行ってくれ」などとは言ってくれません。ただ黙って何度もトイレに入り、出ないものを一生懸命出そうとしているだけなのでした。
 それを見ていると、さすがに心配になってきました。 「ヒロちゃん、これは病院へ行ったほうが良さそうだね」  そんなわけで今朝は、ヒロちゃんをペット用のバッグに入れて、近所の動物病院まで連れて行ったのでした。

 考えてみれば、ヒロちゃんを動物病院へ連れて行くのは、これがたったの二度目なのですよ。最初に病院へ連れて行ったのは、今から十七年ほど前のことでした。
 その頃のヒロちゃんは、まだわが家の猫ではありません。浅草神社の境内を住み家にしていた野良猫だったのです。
 毎朝、愛犬ナナちゃんと散歩に出かけていた頃、いつの間にかヒロちゃんがナナちゃんを待つようになりました。犬と猫ですから、本来ならば警戒し合っても不思議ではありません。しかし、ナナちゃんとヒロちゃんの間には、人間には説明のできない不思議な友情が芽生えていったのでした。

 朝になると待っている。ナナちゃんがやって来ると近寄って来る。そして、しばらく一緒に遊ぶ。
 毎朝繰り返されるうちに、いつしかそれが当たり前の光景になっていったのです。
「待ってたよ」
 ヒロちゃんが、そんなことを言っているように見えたものですよ。
 やがて、ヒロちゃんをわが家に迎えることになり、その前に去勢手術を受けさせるために病院へ連れて行きました。それが一度目でした。

 それ以来、なんと十七年間、ヒロちゃんは病院のお世話になるような病気を一度もしなかったのですよ。
 猫の十七年といえば、立派なおじいちゃんです。人間ならば、そろそろ「健康診断はいかがですか」と、あちらこちらから案内が届いてもおかしくない年頃でしょう。しかしヒロちゃんには、そんなものは届きません。
 その代わり、毎日ヒロちゃんの様子を見ているあほまろが、かかりつけの監視員みたいなものでしょうかね。

 今朝、バッグに入れられたヒロちゃんは、意外にもおとなしくしておりました。十七年ぶりの病院ですから、もっと大騒ぎをするかと思っていたのですが、バッグの中でじっとしていましたよ。
 もしかすると、「なんだか嫌な予感がするぞ……」と、十七年前の記憶が少しだけ蘇っていたのかもしれませんね。

 病院に着いて先生に診ていただくと、どうやら年老いた猫に見られる便秘だったようです。
 診察の結果、直腸に硬くなった便が詰まっていることが分かり、先生が指で少しずつ取り出してくれました。
 ところが、出るわ出るわ。あほまろが驚くほどの量でしたよ。
 いったい、こんな小さな身体のどこに、これだけ溜め込んでいたのでしょう。

 ヒロちゃん本人は、さぞかし大変だったことでしょうが、見ているあほまろのほうは、
「ヒロちゃん、ずいぶん溜め込んでいたんだね」などと、不謹慎ながら思ってしまいましたよ。
 お金なら貯めておいても結構ですが、こちらの「貯めもの」は、なるべく早く出していただきたいものです。

 幸い、先生によると、ほかには特に悪そうなところも見当たらないとのことでした。そのため今回は血液検査まではせず、便通を助ける薬をいただいて診察終了となりました。
 十七年間ほとんど病気知らずで暮らしてきたヒロちゃんですから、年齢を考えれば、それだけでもありがたいことなのでしょう。

 そして病院を出たあと、せっかくなので少し寄り道をすることにしました。
 病院は浅草神社のすぐ近くです。だったら、ヒロちゃんの「故郷」に寄らないわけにはいきませんよね。十七年前までヒロちゃんが暮らしていた、浅草神社なのですから。
 バッグに入れたまま境内へ連れて行くと、それまでおとなしくしていたヒロちゃんが、ひょいと首を出しました。
 そして、右を見て、左を見て、また右を見て……。
 懐かしそうに辺りをキョロキョロ見渡しながら、「ニャー、ニャー」と、始めて鳴きだしたのでした。

 もちろん、猫が十七年前の景色をどこまで覚えているのか、あほまろには分かりません。
 浅草神社の境内だって、十七年前とは少しずつ変わっています。
 それでも、
 匂いでしょうか。
 風でしょうか。
 音でしょうか。
 あるいは、猫にしか分からない何かが残っているのでしょうか。
 ヒロちゃんの表情を見ていると、「ここ、知ってるよ」とでも言っているように思えてならなかったのでした。

 ここでナナちゃんと出会い、ここでナナちゃんを待ち、ここからヒロちゃんの人生ならぬ「猫生」が大きく変わったのでした。
 しかし、ナナちゃんは、もういません。
 けれど、ヒロちゃんは今も元気に生きています。
 十七年前、浅草神社の片隅で一匹の野良猫として暮らしていたヒロちゃんが、今ではあほまろの家族となり、こうして再び故郷の境内を眺めている。
 そう考えると、なんとも不思議な気持ちになってしまいましたよ。

 ヒロちゃんは、もしかすると境内のどこかに、若かった頃の自分とナナちゃんの姿を探していたのかもしれません。
「ナナちゃん、どこにいるの」そんな声だったのでしょうかね。
 そう思うと、さっきまで「うんちが大量に出た」などと笑っていたあほまろも、少しだけ胸が熱くなってしまいましたよ。 その後、浅草寺の境内にも連れて行きました。
 観光客で賑わう境内をバッグの中から眺めていたヒロちゃんは、今度は外へ出たそうに身を乗り出します。
「ここも歩きたいよ、」そんな顔をし、バッグから出たがっておりましたが、さすがにそれは許可できません。
 十七年ぶりに故郷へ帰ってきたからといって、ここで再び野良猫生活を始められては困りますからね。
「ヒロちゃん、今日は見るだけ。帰りますよ」
 と、じっと我慢してもらい、そのまま家へ戻ってきたのでした。

 ところで、ナナちゃんと野良猫だったヒロちゃんとの交流を、あほまろは一年間にわたって写真に撮り続けました。
 その記録をまとめたのが、フォトエッセイ集『待ってたよ。北海道犬ナナちゃんと野良猫ヒロちゃんの早朝ものがたり』です。 2010年(平成22年)9月に徳間書店から出版され、各地で写真展も開催いたしました。

 あれから、もう十六年も経ってしましました。
 本はすでに完売となり、今では中古書籍として流通しているようですが、本の中に写っているナナちゃんとヒロちゃんの時間は、今でもあの日のまま止まっていますよ。

 写真というものは不思議ですね。
 生き物は年を取り、街は姿を変え、人間の記憶も少しずつ薄れていきます。しかし、一枚の写真を開けば、その瞬間だけは昨日のことのように蘇ってくるのです。
 そして今朝、十七年ぶりに病院へ行ったヒロちゃんを故郷の浅草神社へ連れて行き、バッグから顔を出して境内を見渡す姿を、あほまろはまた写真に残しました。
 昔は、野良猫だったヒロちゃんを撮っていました。
 今朝は、十七年間一緒に暮らしてきた家族としてのヒロちゃんを撮りました。
 同じ猫なのに、写真に写る時間の重さはまったく違います。
 若かったヒロちゃん。
 元気だったナナちゃん。
 そして、年老いたヒロちゃん。

 そのすべてが、あほまろにとって大切な「浅草の朝」の記録なのです。

 今朝の出来事は、始まりこそ「うんちが出ない」という、なんとも締まらない話でございました。
 ところが病院からの帰り道、十七年ぶりに故郷を眺めるヒロちゃんの横顔を見ていたら、いつの間にか長い年月を振り返る朝になってしまいましたよ。
 人生も猫生も、何がきっかけで昔を思い出すか分からないものですね。もっともヒロちゃんにしてみれば、そんな感傷などどうでもよく、
「昔話より、腹がすっきりしたのが一番だニャー」とでも思っているのでしょうけどね。

「十七年ためた思いは故郷へ 便は残さず思い出残す」(阿呆人也)

 そしてナナちゃんを偲んでもう一句。

「待ってたよ あの日の声を探す猫 ナナは見えぬが風に面影」(阿呆人也)

 ヒロちゃん、これからも無理をせず、のんびり長生きしてくださいね。そして今度からは、思い出はいくら溜めてもかまいませんが、うんちだけは溜め込まないようにお願いしますよ。

 今日も前線の影響を受けて、雲の多い一日となりそうですね。今朝の外気温は25℃でしたが、気温のわりには湿度が高く、体感的には数字以上の蒸し暑さを感じましたよ。
 午前中は時おり日の差すこともあるようですが、午後になると次第に雲が厚みを増し、ところによっては急な雨の可能性もあるとのことです。お出かけの際には、折りたたみ傘などの雨具を用意しておいたほうが安心でしょうね。

 今朝の日の出は午前5時04分。

。

 ハナカイドウの実。

 おはようございます。今朝は開門3分前にやって来た、野崎さんと高橋さん。

 益美三と梶原さんも加わって、おはようございます。

 子育地蔵さま、わが家の子どもたちと猫の安全をお守りください。

 日本のナイチンゲールと称される瓜生岩子像。

 セミが鳴く晩夏の境内をご覧下さい。

 深い緑に包まれたイロハモミジ。

 定点観察を続けているソメイヨシノの木。あほまろは、風格ある幹や力強く伸びる枝ぶりはもちろんのこと、とりわけ葉の移ろいに心を惹かれております。

 昨年から落ちることなく枝に残り続けている三枚の葉があります。新しく茂った深緑の葉にそっと覆われ、その存在に気づく人はほとんどおりませんが、あほまろは毎朝、その葉の姿を探してしまうのでございます。

 令和の大改修を終え、広々とした境内西広場。以前とはまったく違う景色になりましたが、開放感あふれる新しい浅草寺の表情が広がっております。

 お店の取り壊し作業が終わった伝法院通りでは、これから石垣や塀の補修工事が始まるのです。

 あほまろは今日も秘密基地でダラダラ過ごしますよ。

-------------------------------------------------------
 夕べの睡眠は68%でした。

 おはようヒロちゃん。

 今朝の朝の朝食は、肉と野菜にバターパン。デザートはシャイマスカットと西瓜少々。

 妻のコレクションは、つばきちゃんとクルマスキーちゃん。

 昨日の東京スカイツリー。

 しゅと犬くん。

 あほまろお帰りなさい。

 夕べの夜の夕食の晩ご飯は、シャケと玉子焼きに海苔ごはん。デザートはシャイマスカット。

 妻のコレクションは、オードーリさんとアルマーニさん。

Memo
iPhone 17 ProMAX