札幌で朝を迎えました。
さすがに北国、北海道ですね。朝の冷え込みは東京とはまるで違い、今朝の外気温は12℃でしたよ。外へ出ると、空気がひんやりとして、ようやく本物の秋に出会えたような気分になりました。
今日は内陸部を中心に冷え込みが強まり、稚内では今季初めて最低気温が0℃未満となる「冬日」になるようです。
もっとも、今日はまだ稚内までは行きません。これから向かうのは大雪山の麓です。大雪山からは、もう冬の足音が聞こえてきそうですね。
昼間は晴れるものの、気温はあまり上がらず、札幌市の最高気温は20℃ほどの予想。昨日より4℃ほど低くなるようなので、朝晩だけでなく、昼間でも少しひんやりと感じられそうです。
昨夜は疲れていたのか、枕が変わっても熟睡できましたよ。
昨日、あほまろは上野駅から新幹線と特急を乗り継ぎ、札幌までやって来ました。 考えてみれば、こんな長距離を列車だけで移動するのは超久しぶりのことでした。
新幹線では、ゆったりとしたグランクラスでの4時間ちょっと、「やっぱり鉄道の旅はいいねぇ」などとご機嫌だったのでしたよ。、
でも、車内サービスの車内食は開業当時よりどんどん簡素化され、寂しくなってしまいましたけどね。
盛岡駅で秋田行きのこまちとの連結解除。ここも立ち入り禁止エリアが設けられてしまったので、連結部分を見ることができませんでした。
そして青函トンネル通過して北海道上陸。
新幹線に乗っている間は、「やっぱり鉄道の旅はいいねぇ」などとご機嫌だったのですが、新函館北斗から特急「北斗」に乗り換えると、旅の様子が少々変わってしまいましたよ。
本来なら、ここからが北海道らしい雄大な車窓を楽しむ時間のはずなのです。駒ヶ岳や噴火湾など、北海道ならではの風景を眺めながら札幌へ向かう――乗り鉄にとっては、これも旅の大きな楽しみなのです。
ところが、あほまろが乗るJR北海道の車両は、なぜかいつも窓が汚れているのですよ。
せっかく素晴らしい景色が広がっていても、窓越しに眺めると、まるで薄い霧でもかかったよう。写真を撮ろうとしても、風景より窓の汚れのほうにピントが合いそうで、とてもカメラを向ける気にはなれませんでした。
おまけに列車は、これでもかというほどよく揺れるのです。
右へゆらゆら、左へゆらゆら。ときにはガタンと身体を揺すられながら、函館名物「鰊みがき弁当」をいただきました。
「これも北海道の鉄道旅の味わいなのだ」と自分に言い聞かせてはみたものの、札幌までのおよそ4時間、車窓を楽しむどころか、ただひたすら到着を待つ時間になってしまいましたよ。
北海道新幹線延長工事が続いております。現在の新函館北斗から札幌まで約212キロ延伸され、長万部、倶知安、新小樽などを経て札幌へと結ばれる予定です。
当初は2030年度末の開業を目指していましたが、トンネル工事で想定以上の地質不良などが続き、現在の見通しでは2038年度末ごろの完成・開業になるとのこと。さらに遅れる可能性も残されているようです。
つまり、あと12年以上。
う〜ん、その頃、あほまろは90歳をとうに過ぎておりますよ。
新函館北斗で特急「北斗」に乗り換えず、そのまま新幹線に座っていれば札幌まで連れて行ってくれる。乗り鉄としては、ぜひ一度そんな旅をしてみたいものですが、どうやら新幹線の完成と、あほまろの寿命との競争になってしまいそうですね。
もっと早く造ってくれればいいのに、と勝手なことを言いたくなりますが、相手は北海道の大地です。人間の都合だけでは、なかなか先へ進ませてくれないのでしょう。
それでも工事現場を眺めていると、いつの日かここを新幹線が走り抜ける光景が目に浮かびます。
果たして、その列車にあほまろは乗ることができるのでしょうか。
「開業まで長生きしてやろうじゃないか」
そう考えれば、北海道新幹線の札幌延伸も、長生きするための新しい目標になるのかもしれませんね。
「新幹線 来るまで生きると 意地を張り 線路が先か あほまろ先か」(阿呆人也)
乗り鉄のあほまろにとって、列車に乗っている時間そのものが旅の目的だったはずなのですが、昨日ばかりは、
「まだ着かないのかねぇ……」
そんな言葉が何度も頭をよぎったのでした。
そんなこんなで札幌に到着した頃には、さすがの乗り鉄あほまろも、すっかり疲れ果ててしまっていたのでした。
大好きな「乗り鉄」のあほまろであっても、どうやら年齢という機関車には勝てなくなってきたようですね。鉄道には乗れても、歳には乗り越えられない。まったく困ったものであります。
札幌に着いてからも、どこかへ出かけようという気力は残っておりませんでした。
いつもなら札幌に来れば、「せっかくだから、すすきのでも覗いてみるか」となるところですが、昨夜はその元気さえありません。
すすきののネオンよりホテルのベッド。若い頃なら考えられなかった選択ですが、これも立派な人生の進歩……いや、単なる老化なのでしょうね。
それでも、札幌の友人とは久しぶりにお会いしたかったので、札幌駅構内の食堂で会食をいたしました。遠くまで出歩かなくても、友人と顔を合わせ、温かいものを食べながら昔話をする。それだけでも旅の夜は十分に楽しいものなのです。
そして、いよいよ今日からは今回の旅の主役、「THE ROYAL EXPRESS」のツアーが始まります。
昨日も一日中列車に乗っていたのに、今日もまた列車です。普通の人なら、「そんなに列車ばかり乗って何が楽しいの」と思うでしょうが、乗り鉄という人種は、列車に乗るために列車に乗ってやって来るのであります。
しかも、THE ROYAL EXPRESSは、昨日のように目的地へ急ぐための列車ではありません。北海道の大地を眺めながら、ゆったりと走る列車の中で食事を楽しみ、仲間と語らい、ときには車内を歩き回りながら、移りゆく風景そのものを楽しむ旅なのです。
ですから、昨日とは同じ「列車に乗る」でも、疲れ方はずいぶん違うはず。
……と、あほまろは勝手に期待しておりますよ。
もし今日もへとへとになってしまったら、その時は鉄道のせいではありません。完全に歳のせいということにしておきましょう。
そして明日は、いよいよ「冬日」となるかもしれない稚内へ向かいます。9月だというのに0℃近くまで冷え込む北の街。東京ではまだ半袖姿も珍しくないというのに、北海道では早くも冬の入口です。
観光どころではない寒さになっているかもしれませんが、それでも行ってみなければ分かりません。
何しろ稚内ですからね。
行ってみなくちゃ、わっからない。
そんなくだらない駄洒落が出るくらいなら、まだ旅を続ける元気は残っているようですよ。
さて、今日から始まる最終のロイヤルエクスプレスの旅。綺麗に磨かれた窓の向こうには、どんな北海道が待っているのでしょう。
急ぐ旅ではありません。列車がゆっくり走るのなら、あほまろもゆっくり歳を取ればいい。
今日からそんな気持ちで、三泊四日の北の大地を走る列車に身を任せてまいりますよ。
MemoHasselblad X2DII+XCD 4/28V
Leica M11P SAFARI