令和8年(2026)9月21日(月)  旧暦8月11日 赤口
今朝の撮影 Data
SONY α1 II
Sigma 20-200mm F3.5-6.3 DG
iPhone 17 Pro Max
現像 Adobe Photoshop Lightroom CC
撮影枚数 49枚
- 無理をして 雷門まで来たけれど 傘が諭した帰れ爺さん -

 今日は「敬老の日」です。
 本来ならば、お年寄りを敬い、長年にわたって社会を支えてきた人生の先輩方に感謝し、その長寿を祝う日であります。ところが今年の敬老の日は、どうやら空の上には「敬老」という言葉を理解しない御仁がいらっしゃるようで、大型で強い台風25号が伊豆諸島の南西から北上し、関東地方へ近づいております。
 今朝5時の時点で台風25号は八丈島の南西約220キロにあり、中心気圧965ヘクトパスカル、最大瞬間風速50メートル。きょう昼過ぎから夜遅くにかけて関東甲信地方へかなり接近する見込みで、関東南部では24時間に最大300ミリ、伊豆諸島では1時間に80ミリの猛烈な雨が予想されているとのことです。

 老人をいたわる日だというのに、台風には敬老精神など微塵もありませんよね。
 それどころか、
「年寄りは家でおとなしくしておれ」
 とでも言わんばかりに、朝から雨を横殴りに叩きつけてくるのであります。
 そんな日であっても、あほまろはいつもの早朝散歩に出かけてしまったのですよ。
 我ながら、敬老される側になっても、ちっとも老人らしくありませんね。
 毎朝続けている日記ですから、「台風なので本日は休載」というわけにはまいりません。晴れの日も、曇りの日も、雨の日も、そして台風の日も、浅草の朝は一日として同じではないのです。その一日を記録しておかなければ、明日になった途端、今日の浅草は永久に失われてしまいます。
 そう思えば多少の雨くらい――などと思って家を出たのですが、今朝の雨は「多少」なんて可愛らしいものではありませんでしたよ。雷門へ向かう頃には、雨粒というより、空から水の束が落ちてくるような土砂降りでした。
 街灯の光は雨の幕に滲み、道路には信号や店の灯りが赤や緑に長く映り込んでいました。いつもなら何気なく通り過ぎる浅草の街も、今朝ばかりは水の中へ沈み込んでしまったようで、まるで別の街を歩いているようでした。

 それでもカメラだけは濡らすまいと、傘を傾けながら夜遊びの若者たちを撮っておりました。
 ところが、自然というものは、傘を差して必至に写真を撮っているなど知ったことではありません。
 突然、ドバーッ!と雨脚が強くなり、それと同時に風が吹きつけた瞬間、
バキッ!
 あほまろの傘が、見事に壊れてしまったのであります。敬老の日の朝に、老人より先に傘が力尽きましたよ。
 傘にも寿命というものがあるのでしょうが、よりによって今日でなくてもよさそうなものです。壊れた傘を手にして雷門の前に立っていると、「これ以上行くな」という観音さまのお告げのようにも思えてきました。

 いつもなら雷門をくぐり、仲見世を進み、本堂へお参りし、境内をひと回りして、朝の仲間やハトたちに挨拶をするのですが、今朝ばかりは観音さまにも、
「今日は来なくてよろしい」と言われたような気がいたしましたよ。

 そこで本堂まで行くことは諦め、雷門周辺だけを撮影して、早々に引き返すことにしたのでした。
 考えてみれば、引き返す勇気も年寄りの知恵なのであります。若い頃なら「ここまで来たのだから」と意地になって先へ進んだでしょう。しかし、この歳になれば、自然相手に意地を張ったところで、台風が遠慮してくれるわけではないことくらい分かっております。

 こんな暴風雨の朝にも仲見世通りには人影がありました。
どうやら夜通し浅草で遊んでいた方々なのでしょう。ずぶ濡れになりながらタクシーを待つ若者たちが何人か立っておりました。 若さというものは大したものですね。

 台風が来ようが、大雨が降ろうが、遊ぶ時には遊ぶ。あるいは、台風が近づいていることなど知らなかったのかもしれません。
 傘を押さえながら途方に暮れている姿を見ると、ちょっと可哀想にも思いましたが、夜通し遊んだ末に台風につかまったのであれば、まあ、これも若さゆえの授業料でしょう。

「自業自得ですよ」と書いてしまえば少々意地悪ですので、これもまた、若いうちにしか出来ない思い出ということにしておきましょうかね。
 何十年か経って敬老の日を祝われる歳になった時、
「昔、台風の日に浅草で朝まで遊んで、雷門前でタクシーが来なくて大変だったんだよ」
 なんて、孫に話す日が来るかもしれませんからね。
 それにしても、今朝の雨は笑い話だけでは済みそうにありません。

 台風25号の接近に伴って、関東では台風本体が近づく前から雨量が増えており、これから午後から夜にかけて、さらに雨風が強まる見込みです。関東南部では21日午前6時から22日午前6時までの24時間に、多いところで300ミリの雨が予想され、線状降水帯が発生すれば、局地的にはさらに雨量が増えるおそれがあります。
 また、伊豆諸島では最大瞬間風速50メートル、関東地方の陸上でも最大瞬間風速35メートルが予想されており、雨だけではなく暴風にも厳重な警戒が必要です。
 低い土地の浸水や河川の増水・氾濫、土砂災害などにも警戒が必要で、実際に千葉県ではすでに大雨による危険度が高まっています。千葉国道事務所では未明にアンダーパスの事前通行規制も始まっているとのことでした。
 昔から「水は低きに流れる」と申します。  当たり前のことなのですが、大雨になると、その当たり前が恐ろしいのです。

 普段は何でもない道路のくぼみや地下道、アンダーパスが、短時間の豪雨によって突然水の通り道へ変わってしまいます。いつもの道だから大丈夫、昨日も通れたから大丈夫――そんな人間の経験則など、自然は一切考慮してくれません。
 特に暗くなってからは、水の深さも道路の状態も分かりにくくなります。
 ですから今日は、どうしても必要な用事がなければ外へ出ず、最新の気象情報や自治体からの避難情報を確認して、危険が迫る前に安全な場所へ移動することが大切ですね。関東甲信では22日明け方にかけて土砂災害への厳重な警戒が呼びかけられています。
 そして、あほまろは、壊れた傘を片手に雷門まで行っただけで、本日の冒険は終了いたしました。

 思えば、晴れた浅草ばかりが浅草ではありません。
 桜の朝もあれば、雪の朝もある。誰もいない朝もあれば、祭りでごった返す朝もある。そして今日のように、台風の雨に叩かれ、雷門さえ雨の向こうに霞んで見える朝もあります。
 二十数年、毎朝同じ場所を歩いているからこそ、こういう「普通ではない朝」もまた、大切な浅草の記録になるのでしょう。もっとも、その記録のために本人が流されてしまっては、日記の続きが書けません。
 長く続ける秘訣とは、頑張ることばかりではなく、危ない時にはさっさと帰ることなのかもしれませんね。  今日は敬老の日。老人を敬う日でありますが、まず老人自身が、自分の身体を敬ってやらなければいけません。
 観音さまもきっと、
「写真はもう撮ったのだから、今日はおとなしく帰りなさい」
 と、あほまろの傘を壊して教えてくださったのでしょう。

「敬老日 老いをいたわる日のはずが 傘まで折って台風見舞い」(阿呆人也)

 こういう日は、外の雨音を聞きながら、撮ってきた写真を整理して、『浅草は、朝が深い』の原稿でも進めるのが一番ですね。

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 おはようヒロちゃん。

 今朝の朝の朝食は、タマネギスープと肉炒めにクルミパン。デザートは津軽のリンゴ。

 妻のコレクションは、台風が無事に通過しますようにと祈る巫女さんとリカちゃん。

。

 昨日の東京スカイツリー。

 あほまろお帰りなさい。

 夕べの夜の夕食の晩ご飯は、冷やし中華。デザートはシャイマスカット。

 妻のコレクションは、レンちゃんとラウルちゃん。

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