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あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成19年3月27日(火) 旧暦2月9日仏滅

- 花ぐもり -

日記写真


『今朝の浅草』 
 「花ぐもり」桜の咲くころの空は薄く曇っていることが多いのでこのような表現が使われるようになったのでしょう。それだけじゃなく、桜それもソメイヨシノの可憐な花は薄曇りで鑑賞する方が青空の下で見るよりも回りの雰囲気になじんでいるのです。実際に写真に撮ってみると直射日光との違いがより鮮明にわかるかも。
 「花ぐもり」といえば、あほまろは安川茂雄の小説「浅草私塾記」を思い出します。明治三十三年、主人公が四谷尋常小学校から浅草尋常小学校に赴任したのは桜の時期の描写なのです。

 「浅草尋常小学校の教員室の窓からは、観音境内の五重の塔の緑青ののふいた屋根が目ぢかく見えて、十二階の煉瓦づくりの尖塔が花ぐもりの空にぼんやりと遠目に突き立っていた。北を向いた教室の窓からは、隅田川の流れに近い岸辺がつづき、
龍太郎(主人公)の赴任した四月は、あたかも堤の桜は満開で、花見客の往来している姿がけし粒のよに遠望された」

 浅草尋常小学校は、現在の浅草小学校と同じ位置で洋風二階建ての校舎でした。今朝も浅草小学校の校舎前に立って往時の姿を想い出して周りを眺めてみたのでしたが、ここからは隅田川どころか浅草寺すら見えなくなってしまったのですね・・・。ただ、今朝のように「花ぐもり」
の空とポツポツ咲き始めたソメイヨシノだけは明治三十三年と変わることは無いのでしょう。
 先輩が四谷の学校から赴任した主人公に教えるのは浅草の人心。「言葉はぞんざいだし、あまりお世辞も言わない代わりに侠気があって、強きを挫き弱きを助ける講談や芝居で有名な幡随院長兵衛や新門辰五郎といった任侠の血が伝わっているんだろう。竹を割ったように、さっぱりしていて僕なんか好きだし、きっと龍太郎(主人公)みたいな反骨の持ち主にはぴったりした土地柄だと思うんだ」

 ソメイヨシノが1〜2分咲きになった隅田公園を歩きながら、本で読んだだけの明治時代の浅草。あほまろも8年前に小説の主人公と同じく、四谷の隣の麹町から浅草に越して来たのです。反骨精神旺盛なあほまろ、この小説のような明治の浅草人の気質を日々探し求めているのですけど、未だに講談や芝居のような人情にはお目にかかったことはないのです。今は昔、浅草小学校から浅草寺も隅田川も見えなくなってしまったように。
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『今朝の雷門』
 あほまろが毎朝撮っている雷門。ここを訪れる方のほとんども同じアングルで撮っていることでしょう。今朝、この位置に一眼レフを持った方があほまろと同じアングルで雷門を狙っているのです。いったい何を狙っているのか気になったのですが、ちょっと前を失礼して、いつもの位置で写真を撮って離れたのでした。
   写真00

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『今朝の一写』
 お揃いの笠を被ったカナダからの旅行者が歩いてきました。何処で見付けたのかみなさんお気に入りのようです。みなさんが被っている笠はバッチョロ笠といってお遍路さんなどが被っていたものなのです。どうせ買うなら昔の旅人が愛用した三度笠の方がみなさん似合っているかも。

 江戸時代には、茅(かや)・菅(すげ)などの茎や葉の笠と、藁(わら)や棕櫚(しゅろ)などを編んだ蓑(みの)が雨具とされていましたが、実際に役にはたたなかったでしょうね。
  写真1
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『今朝の境内』

 「花ぐもり」でも気温は高めでしたよ。今朝の散歩がちょっと遅くなったからなのか、普段より人出は少ないようです。
   写真2
 浅草寺本堂前広場に誰も居ないのって珍しいかも。
   写真3

 「花ぐもり」で映えるソメイヨシノ。もうすぐこの位置から五重塔は見えなくなってしまうんですよ。
   写真3
 元気の良い男の子たち。春休みなので塾にでも行くのでしょうかね。
   写真3
 「花ぐもり」の浅草神社です。
   写真3
 まるでブドウの房のように固まって咲いてますね。これでも、開花はまだ1〜2分なんですよ。
   写真7
 河竹黙阿弥碑を覆うソメイヨシノ。黙阿弥さんも桜が好きだったので喜んでいることでしょう。
   写真7
 蕾が出来る前から観察していた枝なので、自分だけに咲いてくれているかのように思っている、あほまろの観察D地点。
   写真9
 もうちょっと近づいてみました。やっぱり
「花ぐもり」はきれいに撮れますね。
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 こちらは六角堂前のシダレザクラです。
   写真11
 
 3〜4分咲きって感じでしょうか。ソメイヨシノよりは開いている花が多いようです。
   写真12
 背景が緑なので桃色の花が更に映えますね。
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 「花ぐもり」の隅田公園まで足を延ばしてみました。
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 毎年、対岸の墨田区側の開花が早いのですが、今年は同じくらいですね。
   写真12
 アサシビール本社の壁は金色です。
   写真12
 下にはウンチが転がっていrのです。毎年狙っているこのアングルも「花ぐもり」じゃないとコントラストが強すぎて撮れないんですよ。やはり桜の撮影は「花ぐもり」が最高ですね。
   写真12
 「花ぐもり」の朝の自転車コレクション。
   写真12
 もうすこし桜が咲くときれいなのに・・・、
   写真12
 ね。
   写真12


今朝の写真
CANON EOS-30D,Tamron Zoom AF18-250 3.5-6.3
撮影枚数95枚
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