『今朝の浅草』
外は冷たい雨が降っています。今朝のあほまろの頭の中にも冷たい雨が降っているようで、想い出すたびに辛く寂しくなってしまう朝を迎えました。浅草国際劇場でSKDの演出を始め数々の舞台の監修・演出を行ってきた中原薫さんがお亡くなりになりました。それも独り寂しく去っていったのです。
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2007/01/18-17:45 中原薫氏死去(舞台演出家)
中原 薫氏(なかはら・かおる、本名小松原治雄=こまつばら・はるお=舞台演出家)14日、急性心不全のため千葉県柏市の自宅で死去、71歳。群馬県館林市出身。葬儀は近親者のみで行う。喪主は長男で新派俳優の鈴木章生(すずき・あきお)さん。
松竹歌劇団(SKD)や歌手公演のショーの演出を手掛けた。
(時事通信より転載)
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中原氏と最後にお逢いしたのは今月6日、日記でも紹介しシアターXで公演された人間座の「浅草のへーさん」の会場でした。その時の中原さんは普段と変わった様子も無く、喜んで迎えてくれたのです。そして、“今回のパンフレットをみんなに持っていってくださいよ”と言いながら、受付からパンフレットの束を持って来てくれ、“アロマ(いつもの喫茶店)のマスターにも持っていってくれるね”と、いつもの笑顔で別れたのが最後でした。
実は、あほまろが中原さんの訃報を聞いたのは昨日の朝だったのです。それが解った後にも彼を知る連中にはしょっちゅう逢っていたのに、みなさんがあほまろが知っていて当然と思っていたとか。みなさん悪気も無く「灯台下暗し」だったようです。それで、昨夜は運命の悪戯を悔やんで、寝られなかったんです。
劇団の方によると、彼は今月14日の未明に亡くなっていたのですが、翌日の打ち合わせも、その翌日の打ち合わせにも出席せず、連絡もつかないと、3日後に関係者によって発見された、いわゆる孤独死だったのです。
昨年の人間座正月公演「浅草。あの頃。」が終わったあと、中原さんと舞台の反省と浅草を語るお芝居の構想など、アロマで話し合っていた時に中原さんから出てきた案、“浅草をこよなく愛した永井荷風さんの生き方のような物語はどうかな”、“それよりも、次回はぜひ、世の中じゃ有名じゃ無いけど浅草を語る上で無くてはならない作家、戦後初の風俗ライター、永井荷風にあこがれた結果、同じような孤独死をしてしまった吉村平吉さんをとりあげて欲しいですよ”、ひょんな会話が切っ掛けとなって、今年のお芝居が決まってしまったのでした。シアターXでお逢いした時も開口一番“あなたが今回の言い出しっぺなんだから、しっかり観ていってね”、どことなく竹久夢二が描く美人画を彷彿させるような細面の中原さんの笑顔、あの時の姿は忘れることは無いでしょう。
永井荷風さんも自宅でお亡くなりになって三日後に発見された。永井荷風を尊敬していた吉村平吉さんも自宅で死後三日後に発見、そして今回の中原薫さん、どうして、どうして、みんな永井荷風さんを理想に生きてきたあほまろが愛した作家で演出家のみなさん、自分の死までも演出してしまったのでしょうね・・・。
今頃、天国で永井荷風さんや吉村平吉さんとの再開を喜んでいるでしょうね。吉村さんは、自分の生き様がお芝居になったことを照れてるでしょうね。みなさんのご冥福をお祈り申し上げます。
写真は、一昨年の秋に喫茶「アロマ」で撮った中原薫さんです。

この時は、雑誌の対談で集まってもらったのです。中原さんの左は元SKDのトッポスター千羽ちどりさん、右側は今回のお芝居で吉村平吉さんの恋人役を演じた俳優の京町歌耶さんです。

浅草寺境内の梅の木に小さな蕾ができはじめました。一本の木に紅白二色の花を付ける「思いのまま」という種類の梅ですが、昨年より半月以上も早い蕾です。これも地域温暖化の影響なのでしょうかね・・・。これから咲くまで定点観測を続けてみましょうね。
そういえば、中原さんは昨年の湯島天神の梅祭で“桜じゃないんだから、密集して咲く梅、僕は大嫌いだよ”と、言ってました。きっと、梅の木は一本だけ寂しく咲いている方が風情があるのでしょうね。
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『今朝の雷門』
道路に写る雨の雷門です。こんな情景を見ていると、なんとなく歌謡曲の題になりそうですね。昨年、知り合いの作詞家が創ったフランク永井をパクッたような「雷門で逢いましょう」って曲より、欧陽菲菲をパクって「雨の雷門」って方が流行るかもよ。


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『今朝の一写』
境内をお揃いの傘を差して歩く台湾人の一行が、どこかのホテルの傘のようですね。この団体、不思議とみなさん日本語が堪能なのに驚いたというと、写真の女性、“私は東京大学を卒業しました”と言ってました。それもそのはず、日本の大学を卒業した方々の同窓会旅行なのだそうです。

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『今朝の境内』
小雨が降る浅草寺、今朝は中原薫さんのご冥福をお祈りしてきました。

寂しい気持ちの時には勇気づけられる、そんな気持ちにさせてくれる浅草寺なんです。さほど信心は無いあほまろですが、自分以外のことはなんとなくお詣りに頼ってしまうってのも、信心なのでしょうかね・・・。

気高い五重塔もあほまろとモモちゃんの励みなのです。
境内を重機が走っていきます。
観音裏広場には荷物を積んだトラックが並んでいます。宝蔵門の修復作業も大詰めになったのでしょうね。
いつも変わらないのが浅草神社です。

雨、イヤですね。

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浅草に直接関係の無いお話も多いですが。ここは、あほまろの呟きですかね。
『今朝の余談』
雨で話題が無いので、やっぱし自転車コレクションってか。背景は浅草神社。

シャッターを切る瞬間にモモちゃんがリードを引っ張って失敗することも多いのです。この次のカットがとっても良かったんですけど、ブレてました。

スポーツ自転車はサスガにスピード出ますね。背景は本堂東側です。

宝蔵門の真っ白い壁を背景にしても雰囲気良いですね。もっと試してみれば良かったかな。

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