あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成17年12月24日 (土) 旧暦11月23日先負

- 観音様が盗まれた! -

日記


 今朝の浅草』
 とんでもないニュースが飛び込んできました。浅草寺本堂から宮殿の裏側にある通称「裏観音」が盗まれていたそうです。浅草寺本堂が東京大空襲で全焼し、その後昭和28年に再建された際に安置された高さが約70センチ、台座は15センチの観音像です。
 盗まれたのは、11月18日午後4時35分ころで、その約25分前には住職が観音像を確認していたそうです。なぜ、盗まれた正確な時間が判ったのかというと、本堂の出入り口付近に設置されている防犯カメラのビデオには、シートにくるんだ大きな物を持って回廊を歩いている人間が写っていたのが決めてなのだとか。でも、なぜ一月以上も経った今になって盗難を告知したのでしょう。浅草寺としては事を穏便に済ませたかったのか、それともあまり知られていない「裏観音」は、さほど重要な仏像では無かったのか、地元の人にもその事実を知らせないってのも困ったものです。
 いったいどんな人が持っていったのでしょう。この仏像の製作者は判りませんが、木製で金箔が塗られている立派な美術品でした。数年前に毎朝「裏観音」をお参りしている古老に聞いた話では、“本堂に安置されている一寸八分の観音様は既に無く、今ではそれを入れていた厨子だけが大切に仕舞われている。その変わりに、この裏観音がご本尊の変わりをしているんだよ”、ん〜、そんな大切な観音様を持ち去るなんて罰当たりだね。
 昨日のニュースを観て「裏観音」の場所に行ってみたのですが、いつもは開いている裏の扉が閉ざされていました。普段はほとんど訪れる人が居ない場所でもあり、地元の人でも「裏観音」の存在を知る人は少ないようです。
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 浅草の守り神のひとつが無くなってしまっても、お正月を迎える準備は着々と行われております。雷門の両側には大きな門松が設置され、仲見世から本堂にかけての参拝コースには迷子、落とし物、スリの被害に注意する垂れ幕が掲げられました。また、各所には早々と電車の乗り場を示す案内板も設置されました。
 でも、考えてみたらこれらの看板や垂れ幕、何ぜお正月や三社祭にだけ掲げるのでしょう。これって、年中掲げても良さそうなものですよね。何のイベントも無い普段の日にだって、しょっちゅう駅の場所を訪ねられるのです。
 何はともあれ、お正月までに「裏観音」が見付かりますように。観音様にそんなお願いは場違いだったかな。だって、御利益が半減して欲しくないですからね。
   
   
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 今朝の一写』
 除夜の鐘は、弁天山のこの鐘楼で鳴らされます。東京大空襲で建物は焼かれてしまったのですが、鐘と土台だけが残されて再建されました。大晦日には、浅草寺のお坊さんの捨て鐘に続いて108人の人達によって新年を祝うのですが、毎年鐘が撞ける108名は事前に決まっているのです。それも、誰が何番を撞くかの順番までが決められているのです。もし、新たに撞きたい希望者が現れても空きが出るまではダメなのだそうです。
 でも、なぜかいつも芸能人や文化人が参加するそうですが、彼等は毎年決まって来る訳じゃ無し、そのための番号は空席にしているのでしょうかね。
 何はともあれ、あほまろはテレビで除夜の鐘を聞いている方が楽チンなもので、寒い中、行列してまで撞きたいとは思っていないのです。初詣もしかり、夜中に行くなんて行為は絶対に無いですね。元旦は、いつもの時間にモモちゃんといつものようにお参りしているのです。
   
 まだ薄暗い伝法院通り、土橋さんの絵はまだ進展しておりませんでした。
   
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 浅草に直接関係の無いお話。ここは、あほまろの呟きですかね。
 今朝の余談』 
 先日、以前の日記でも紹介した映画、「美式天然(うつくしきてんねん)」の坪川拓史監督をあほまろの秘密基地にご招待しました。この映画は、イタリアの第二十三回トリノ国際映画祭にて、日本人監督では初めてとなるグランプリと観客賞を受賞したのです。
 あほまろが関係している出版と東京新聞で一緒に彼を取り上げてみようということでお話をお聞きしたのでした。
 北海道長万部町の古い映画館「長万部劇場」、監督が幼いころから閉ざされたまま街の一角に佇んでいた映画館です。それが取り壊されると聞き、なんとか映像の中にだけでもその姿を留めておきたかったそうです。
 映画館が華やかだった昭和初期と、趣味の多様化で映画離れをしてしまった現在。家族一帯での生活から、核家族化し家族がそれぞれ好き勝手に生きるようになってしまった現代を、一本の無声映画を軸に展開される不思議な物語なのです。
 トリノでは、題名に「Nuages D’ Hier(昨日の雲)」というフランス語の副題を付けた。「昨日見た雲は、今日はない。人や建物でも同じことがいえる。だが、実際に目には映らないけど存在するものがある。それは、人はかつて見た風景や時間を、記憶の中で感じることができるからだ」、坪川監督のコンセプトなのです。
 明日、午後五時から、横浜市中区本町六のBankART1929Yokohamaで受賞記念上映会が開催されます。映画の入場は無料ですが、終了後の午後七時半から坪川監督をゲストにコンサートとパーティーにご出席の方は一人2000円となっております。問い合わせはBankART、電話045(663)2812

 浅草は日本の映画上映の原点だから、次はぜひ浅草で上映したい。浅草のみなさん、浅草公開が出来るよう、ご協力よろしくお願いいたします。


今朝の写真
CANON EOS-KissDN,CANON ZOOM 10-22 F3.5-4.5
撮影枚数73枚