あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成17年12月19日 (月) 旧暦11月18日仏滅

- 全国的に冷えてますね -

日記


 今朝の浅草』
 日本全国から大雪の便りです。昨日はなんと八丈島や高知でも雪が降ったとか。岐阜市の長良川で開催されていた全日本実業団対抗女子駅伝大会の中継では、みなさんが吹雪の中を走ってましたね。半袖短パンで走る選手を見ている方が震えてしまいましたよ。
 昨日はこの冬一番の寒気が流れ込み、12月の積雪量は史上最高だったそうです。天気予報のお姉さんによると、“この異常気象は偏西風が蛇行し、北極の強い寒気が直接日本列島に流れてきた”、そんな説明をしていました。その影響が全国に雪を降らせたのですが、ここ東京は極端に冷え込んだだけで、雪は降らず、晴天の良いお天気に恵まれた日曜日でした。
 今朝もお天気は最高です。遠くに富士山も奇麗に見えています。しかし、気温は0度。浅草寺境内で開催されている「羽子板市」の会場では、屋台の掃除で蒔いた水が、目の前で凍っていくのが判るほどですよ。モモちゃんも震えながら歩いているのでした。
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 今年の「羽子板市」は日程がちょうど週末になったこともあり、業者のみなさんが喜んでいたのでしたが、売れ行きのほどはマアマアだったとか。“景気は回復に向かっているっていうのに、まだまだ、財布の紐が堅いよ”、いつも屋台で団子を売っているオッちゃん、この時期は羽子板の羽根を売るのです。例年は最初の2日間で仕入れた羽根の8割以上が売れてしまうというのに、今年はまだ半分も残っているそうです。“今日一日で残りを売り切ることは出来ないね・・・”、寂しそうにしているオッちゃん。可愛そうなので、あほまろも我が家の犬たちのために微力ながら売り上げに協力してあげました。とはいっても、“原価でいいよ”、そんな言葉に甘えてしまったのですけどね。オッちゃん、“今回は買い取りだったからね・・・”、今日最終日は残らず売れますように、観音様にお願いをしてあげました。
 羽子板で使う黒くて堅い玉は、「むくろじ」という大木の種です。漢字で「無患子」と書きます。読んで字のごとく、「子が患わ無い」という縁起物でもあるのです。また、羽子板の羽根がトンボの目玉に似ていることから、蚊を食べてくれるトンボを飾ることによって、子供が蚊に刺されないようにとの願いも込められているって訳。
 我が家には二人の子供と、4匹の犬。みんなの健康と幸せを込めて、羽子板の羽根を玄関に飾っておきました。
   
   
 昨日の18日は、納めの観音縁日でした。仲見世の軒先には観音縁日の提灯が下がり、ひさしには観音旗が飾られます。お正月飾りと観音旗が並ぶ参道には、大勢の参詣の方が訪れてはいるのですが、羽子板の売り上げにはさほど貢献はしなかったようです。
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 今朝の一写』
 日中は大勢の人で賑わう宝蔵門前の「羽子板市」も、早朝はご覧の通りの静けさです。以前は、防犯のために羽子板業者の方々が小屋の中に泊まり込んでいたのですが、数年前に暖房用の石油コンロから失火し、会場一帯を焼いてしまったことがありました。それ以来、火の使用が禁止されてしまったため、小屋の中で泊まる方は居なくなったそうです。その変わり、羽子板商協同組合がガードマンを雇って警備にあたらせています。
 しかし、既にガードマンの姿は見えません。お店を開ける準備をしている店員に聞いてみると、ガードマンは午前7時までで、その後は出店者の自己管理となるのです。とはいえ、こんな早くから出てくる人は少ないですよね。
   
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 今朝の伝法院通り』
 開通式を終えてから2日目の朝を向かえました。昨日の日中、この通りを歩いてみたのですが、ちょっと上を見上げれば看板や瓦に江戸街の風情を感じて頂けるのでしょうけど、みなさんの視線はお店の中。訪れた方々にこの街並の良さを伝えるためには、各お店の前に高札のような案内板を掲示し、使用されている瓦や看板などのウンチクと共に、昼間は見られないシャッター絵の写真とかも見せてあげたら良いのではないかな。それによって、閉店後もこの通りを歩きたくなるような魅力を与えることが出来るのではないでしょうか。
 お店の方には申し訳無いのですが、ご覧の通り、シャッターが閉まっている方が雰囲気が良いのです。たとえば、この通り総てのシャッター絵を絵葉書か小冊子にして、各お店で販売するってのも一考かな。「朝も昼も夜中までも江戸の街。伝法院通り」なんて表現がぴったりなんですけどね。
 いや〜、あほまろはこの通りの改装工事を最初から最後まで記録し続け、いつの間にか、浅草で一番好きな通りになってしまいました。
   
   
   
 昨日、知り合いのデザイナーからメールを頂きました。な、なんと、その方もこの通りのシャッターを描く作業をされていたそうです。
“あほまろ先生が通ってらしたとは、全く気づきませんでした。
終盤は筆も凍る寒さでした・・・、毎日更新されている写真にもちょこっと私が写っておりました”。毎朝、写真を撮っていたのに、全く気付かずに過ごしていましたよ。寒い中、一生懸命にお仕事をされている方にお声がけするのをためらっていたのです。何はともあれ、お疲れさまでした。同時に完成おめでとうございました。
 お暇が出来ましたら、また遊びにいらしてください。その時、どこを描いたのか教えてくださいね。
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 浅草に直接関係の無いお話。ここは、あほまろの呟きですかね。
 今朝の余談』
 イギリスの近代彫刻を代表する故ヘンリー・ムーア氏制作の大きなブロンズ作品が盗まれる事件が起きました。ロンドン市の北方、ペリー・グリーンにあるヘンリー・ムーア美術館の中庭に陳列されていた「横たわる人物」で、イギリスでは国宝級とされている作品です。重量は10トン以上で、日本円で約6億2000万円の価値があるといわれています。そんな貴重な彫刻をなぜ庭に展示していたのでしょう。重いため、盗難は想定されていなかったと関係者が語っていましたが、盗難だけじゃ無く、傷を付けられるとか、悪戯されるとか、夜中は人通りが無い場所に無造作に置かれていたってのにも問題が有るのでしょうね。
 犯人は、作業を装った三人組で、堂々とクレーン付きのトラックで持ち去ったそうです。
彫刻の価値は約6億2000万円ですが、スクラップ金属の価値は100万円ほど。もしや、最近では、中国市場で廃金属の価値が上がっていると言われているし・・・。
 三年前、新宿の古銭即売会の会場から、大判小判が大量に盗難にあったことがありました。骨董価値で約4億円が盗まれたのですが未だに一枚も見付かっておりません。古銭、特に大判小判類には特徴や貴重性から、ほとんど総てに履歴が残っているのです。当然、犯人も知っているでしょう。でも、わずか5〜6キロの金貨を溶かし、金の地金に戻しても7〜8百万円になるのです。きっと、香港や中国で溶かされてしまったのでしょうね。
 とはいえ、今回の事件を教訓に、日本の野外美術館や公園の彫刻なども、注意した方が止さそうですよ。


今朝の写真
CANON EOS-KissDN,CANON ZOOM 10-22 F3.5-4.5
撮影枚数56枚

昨日の羽子板市
CANON EOS-1 DsMK2,CANON ZOOM 17-35 F2.8他
撮影枚数133枚