あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成17年12月13日 (火) 旧暦11月12日仏滅

- 正月事始め -

日記


 今朝の浅草』
 朝の気温わずか3度。いくら寒さに慣れたといっても、今朝はさすがに冷え込んでいます。モモちゃんも一歩外に出た瞬間ブルブルと大きく震えたのですが、そこは犬、寒さにためらうあほまろをリードして、いつものコースを歩き出しました。
 そんな冷え込みを余所に、大気は乾燥しているので、富士山を始め筑波山も赤城方面の山までも目の当たりに姿を見せてくれます。江戸時代の浮世絵に見えるように、とっても近くに感じさせてくれるのでした。
 寒いけど、爽やかという表現がぴったりの朝ですね。
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 今年最後の観音縁日、納めの観音(18日)を迎えるにあたって、浅草寺本堂内でもお正月の準備が始まりました。正面の賽銭箱の前には三本の竹が飾られ、内部の飾りも変えられたようです。また、本堂両側に設置された枠組みの中に飾られる菰樽も準備されています。これが飾られると、一気に雰囲気は年末になってしまうのです。
 今日は13日、江戸時代中期まで使われていた宣明暦では、旧暦の12月13日の二十八宿は必ず「鬼」とされ、「鬼」の日は婚礼以外は全てのこと総てが「吉」であることから、正月の年神様を向かえるのに相応しい日に選ばれていたのです。新暦になってからは、日附と二十八宿とは一致しなくなりましたが、正月事始めは12月13日のまま固定され、今に至っているのです。
 したがって、今日は、年神様を迎える準備を始める日です。昔はこの日に、門松やお雑煮を炊くための薪等、お正月に必要な木を山へ取りに行ったなんて記録も残ってますよ。
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 昨日から、お正月の準備には欠かせない注連飾りや門松の材料を売る「ガサ市」が始まりました。今朝も早くから材料をいっぱい積んだトラックが忙しそうに動き回っています。毎年、ここ浅草寺裏の「ガサ市」で売られる注連縄の材料は、50トンにもなるのだそうです。それもほとんどが、房総方面で採れた稲だとか。
 これらの材料は「実採らず」といって、米が出来る前に刈り取ったものなのです。米を採ってしまった後は、赤くなってしまうのです。もったいないというか、これも日本伝統文化のためにはしかたがないのでしょうね。
 戦時中の食糧難の頃には、この「実採らず」の出荷も禁止され、門松や注連縄も贅沢品とされていたのです。考えてみると、戦争っていうのは、伝統文化まで変えてしまうのですね。こんな豊かな状況を見ていると、今の時代に生きて良かった。つくづく思ってしまいました。
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 今朝の一写』
 納めの観音「羽子板市」小屋掛けの線引きが終わったようです。この白線にしたがって羽子板業者の小屋が出来るのです。ますます厳しくなってくる寒さ、こんなところで簡単なテントを張っただけの仮設小屋はとっても寒いのです。羽子板業者のみなさんは、中で暖をとるため、石油コンロなどを持ち込んでいたのですが、8年前に、失火事故を起こして大惨事になったのです。それ以来、ここでは裸火と石油コンロの持ち込みが禁止され、みなさん火鉢だけで暖をとっているのです。
 お店の中の火鉢は見た目には風流ですが、商売をされる業者の方々には辛い三日間になるのでしょうね。
 今年最後のイベント。納めの観音「羽子板市」は、17日〜19日まで開催されます。
   
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 今朝の伝法院通り』
 仲見世側に高札が掲示されました。「下馬」「表参道に付車両入るべからず」と有るのですが、あほまろが写真を撮っている最中にも、車はお構いなしに入ってきます。こんな立て札は、警察の規制じゃ無いのでみなさん無視しているのでしょうね。せっかくの街並みの景観と昔風の舗装を守るため、徹底的に規制するのは無理なのでしょうか。
   
 おや、久しぶりに土橋さんがやって来ました。今日は、靴屋さんの定休日なので、日中いっぱい作業をするのだそうです。この寒さじゃ、夜中のお仕事は厳しいですからね。その前に、お向かいの蕎麦屋さんのシャッターにメニューを貼るそうです。最近来られなかったのは、家に籠もってこれらのカッティングシートを作っていたのだそうです。
 お元気で良かった。
   
 木戸の両側の提灯まで電線をひく作業が行われています。夜になるとこの提灯にあかりが灯るのですね。雰囲気は、ますます良くなりますね。
   
 おや、何やら屋根の上に怪しい人影・・・。これは驚き、鼠小僧の登場です。ここまでやるか、って感じ。せっかくのお人形さんですが、絶対に気付かずに通り過ぎてしまう人の方が多いのかもね・・・。結構リアルですよ。
   
   
 いよいよ、工事業者の納入はあと2日に迫ってしまいました。最後になった仲見世側のシャッターを描くのに、夜を徹して作業を行っているようですが、この寒さでなかなか思った通りには進まないようです。今まで見て来たことから想像すると、まだ一週間ほどかかっても良さそうな状況に見えているのですけど・・・。
   
   
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 浅草に直接関係の無いお話。ここは、あほまろの呟きですかね。
 今朝の余談』
 「一般名称以外の地名を表記した商品を規制する」、そんな商標法が改正されるようです。昨夜、NHKのクローズアップ現代でやってました。
 たとえば、「さぬきうどん」は、讃岐(徳島県)で作られたもの以外に表記が出来なくなるようです。東京が本社の「さぬきうどんチェーン店」が困惑している様子が写し出されていました。
 原産地表示の義務づけによって、原産地がはっきり判るようになったのは良いのですが、原産地が違っていてもその名称によって混乱を招くのを防ぐのが目的のようです。たとえば、「サッポロラーメン」は札幌以外では使えなくなってしまう。それじゃ、日清食品の「サッポロ一番」は売れなくなるのでしょうか。それより、「サッポロビール」、札幌の工場で作っているもの以外には使えないの?
 「さつまいも」「いよかん」など、一般名詞になっているものは除外されるそうです。地方の産業を守るために改正されるようですが、きっと市場で混乱を招くでしょうね。
 考えてみれば、地名を表記した製品って結構身の周りにも存在しますよね。「草加せんべい」「九谷焼」「博多人形」「西陣織」「越前蟹」等々、それらは総て明記された産地で製造されたものでなければならないってことなのです。
 政府は、『評価の定着した農産物や工芸品などの特産品のほか、地域おこしのため新たに考案した地名付きブランドも商標登録を認めることで、「地域ブランドの保護強化で農産品の偽装表示への新たな歯止めができ、生産者の品質向上努力が報われ、消費者保護にもつながる」のではと私も期待します。』とのコメントを出しています。
  こんなことまで、規制で縛らなければいけない世の中になってしまったんですね。
テレビで頭を抱えていた「さぬきうどんチェーン店」の社長さん。「さぬき」「さ」を抜いて、「さぬきのさ抜きうどん」とでも商標を変えてみては如何かな。
 そうそう、「かぼちゃ」(旧称唐茄子)の語源はカンボジアなんですけどね・・・。


今朝の写真
CANON EOS-KissDN,CANON ZOOM 10-22 F3.5-4.5
撮影枚数78