浅草は風も無くてとっても暖かい週末明けとなりました。これが本当の小春日和っていうのでしょうかね・・・。小春日和って言葉の語源は徒然草の第155段の下の部分らしいのですが、これを読むと本当の小春日和とは何を指すのか少々混乱しているのです。春と言えば正月のことですから、旧暦の正月の直前、今で言えば1月の終わりか2月の頭の暖かい日ともいえますよね。
11月の暖かい日を小春日和と呼ぶよりも、2月の頭の暖かい日を小春日和と呼ぶ方が、遙かにしっくりと来るようにも思えたりするのです。作者の吉田兼好は、はっきり十月と書いているのですが、何か解せませんね。
影向堂の池の鯉は寒さも平気で泳いでいます。時々落ちてくる落ち葉、それを知りながらもみんな集まってパクパクやってます。“なんだ、落ち葉か”、って吐き出してもまた別の鯉が食らい付くんです。そんな連鎖反応がおもしろく、あほまろも足下の落ち葉を一葉投げ入れてみました。大きな口を開けてパクパク・・・・。騙した者が悪いのか、騙される鯉が悪いのか、鯉の気持ちを余所に、次々と落ち葉が舞い落ちているのでした。
ちょっと文学的になったり、感傷的になったりと、のどかな小春日和の朝の散歩、モモちゃんも嬉しそうでしたよ。
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『今朝の一写』
毎週土曜日になると、千葉からバイクにいっぱいの魚を積んだ行商の魚屋さんがやってきます。影向堂と銭塚地蔵尊の間の道にお店を広げると、待ってましたと近所の主婦が集まってくるのです。デパートで買うよりも新鮮で安いと評判のお店、店開きから一時間ほどで総てを売り尽くしてしまうほど評判なのです。
今朝も、“アジの開き私も欲しかったのに・・・”、開店わずか1〜2分後にも関わらず、もうそんな呟きの声も聞かれました。慣れている方の買い方、技とでもいうのかな、観ていると、ちょっと違うんですよね。一緒にポーちゃんと散歩した女房も、新鮮なイカやサバなど、朝から三千円も買ってましたよ。

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『今朝の伝法院通り』
道の両側に造られた木戸。提灯を吊す小屋根が取り付けられています。“いや〜、安全ベルトってのに頼りきってしまうと恐いね。つい、安全ベルトをしているつもりで、落ちそうになっちゃったよ・・・”、あほまろが写真を撮っている側で、作業をしている方と警備の方の会話が聞こえていました。イントレの上で作業をしている方、安全ベルトを締めているつもりで、イントレから落ちそうになったようですね。くれぐれもご注意ください。

東側の店舗にも火の見櫓が取り付けられました。ここもシャッター絵が入ると雰囲気が変わってしまうのでしょう。

うどん屋さんは、シャッター絵だけじゃなくて、のれんも掲げましたよ。

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浅草に直接関係の無いお話。ここは、あほまろの呟きですかね。
『今朝の余談』
昨日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、歌舞伎を「世界の貴重な無形文化遺産」に指定しました。日本からは2001年に能楽、2003年に人形浄瑠璃文楽が選ばれ、今回で3件目となります。世界各地に伝わる舞踏や演劇、音楽など形のない文化遺産を保護するのが目的の「無形文化遺産保護条約」、歴史的建造物や貴重な自然などを保護する「世界遺産」の文化版なのです。
今回、同時に選出されたのは、カンボジアの「クメールの影絵劇」も選ばれました。この影絵は、「ナン」と呼ばれ日本でも多く上演されており、「ラーマ王物語」などは日本でも有名ですね。でも、カンボジアには、このほかに「フン」という操り人形(人形の背後から糸で操る古典劇)も有るのです。しかし、現在では伝承者も愛好者も減少し、絶滅が危惧されているのです。「ナン」よりも「フン」を保護して伝承する方が「無形文化遺産保護条約」の意味が大きかったのじゃないでしょうかね。あほまろの素人考えですけどね。
ご存じ、カンボジアと日本との関わりは江戸時代から続いているのです。日本の茶人に愛好された「スコータイ」(宋胡録)の陶磁器。キンマ塗り漆工芸品は竹細工品の表面に黒漆をぬり文様を線刻し、さらに別色の漆を重ねて研ぎだす伝統工芸品「シャム染め」は、江戸時代の日本で珍重された「サラサロウケツ」から日本独自の発展を遂げた漆工芸など、今では日本古来の芸術とされているものの中にその影を忍ばせているのです。
あほまろは、お隣のベトナムでは戦争の真っ最中の頃、カンボジアで人形芝居「フン」を観劇したことがあります。その時、操り方は違っていても、どことなく日本の人形浄瑠璃の原型のようにも感じたのです。様々な物と一緒に、文化も日本に入ってきたのでしょうね。
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