あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成17年11月8日 (火) 旧暦10月7日仏滅

- 秋桜 -

日記


 朝の天気予報によれば、連日の小春日和も今日までと言っています。ただ、この時期では珍しい黄砂が東京にも舞い散る可能性があるのだとか。テレビでは、昨日の九州一帯が黄砂で霞んでいる様子が写し出されていました。はるばる中国大陸北西部の黄色の砂塵が天空を覆い、そのまま日本まで流れてくるのです。これまでは、この黄砂は自然現象だと理解されてきましたが、中国での過放牧、農地転換による耕地拡大等による人為的影響として再認識されつつあるのです。
 普通は3〜5月頃にやって来ることが多かったのですが、この時期の黄砂ってのは珍しい現象です。これも一種の環境汚染、地球温暖化現象の現れなのでしょうね。
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 ベランダから朝日が射し込んでくると落ち着かないのが我が家のポーちゃんです。早い時間から何度も居間と寝室を行ったり来たりしています。時計を見るとまだ6時前ですよ、昨日は道路が濡れていたので出かけないと散歩を休んでしまった女房に、欲求不満が溜まっているのでしょうね。わざと寝ている女房に見える場所で、何度もストレッチをしながらアピールをしているのでした。
 そんなポーちゃん、モモちゃんと一緒にとっても元気にお散歩です。モモちゃんは逃げ出すことは無いのですが、安全のためにいつもリードが付けています。しかし、ポーちゃんには必要ありません。足が悪いのと、怖がって我々の周辺から離れることが出来ないのです。散歩中は女房の靴だけを見ながら必至に着いて来るので、どこかに逃げ出してしまう心配は無いのです。いつも、みんなに“仕付けが良いね”なんて言われますが、家では女房が呼んでも逃げ回っているのです。いわゆる内弁慶なのでしょうね。
 我々の散歩は、いつもの順序で浅草寺境内を廻ります。雷門前を撮影し、仲見世を真っ直ぐ進み、お店が切れた所から宝蔵門を撮影。木村屋さんの角を曲がって二尊仏と母子地蔵尊に一礼して、お地蔵さんの広場で三体のお地蔵さまに家内安全と家族と犬たちの健康をお願いするのです。
 現在は「菊花展」の最中なので、いつもの大懸崖や菊の展示を一通り巡って浅草神社の鳥居を潜るのです。神社でもちゃんと神式に則った作法でのお詣り。小泉首相のように、誰もそれを咎めない幸せを感じながらね。
参拝が終わると、本殿左側の絵馬をチェックし、浅草寺裏に向かいます。ここでは犬の仲間たちが集まる場所、それこそ仕付けの良い犬たちはリードを外してもらって走り回っているのですが、モモちゃんのリードは外せません。
 過去に一度だけ、みんなと同じようにリードを外したことがあります。始めはみんなと一緒走り回っていたのですが、その日に限って、普段は表れない大きな犬がモモちゃんを襲うように吠えまくったのです。驚いたモモちゃん、脱兎の如くその場は走り去り、本堂から仲見世の方まで逃げてしまったのでした。あほまろは夢中で追いかけて、ようやくエサを持っている方の協力で捕まえることが出来たのです。あ〜、もし道路まで飛び出してしまったら、そんなこと考えると今でも冷や汗が出てしまいます。そんな訳で、二度とモモちゃんのリードは外せないのです。
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 観音裏の広場には、文化の日から5日も経ったというのに、まだ時代祭の大道具が置かれたままになっている観音裏広場から再び神社の方に出て、今が旬と咲き誇るコスモス(秋桜)の花にもご挨拶。

 淡紅(うすべに)の秋桜(コスモス)が秋の日の
 何気ない 陽溜(ひだま)りに揺れている
 (中略)
 こんな小春日和の 穏やかな日は
 あなたの優しさが 浸みて来る


   
 さだまさしの歌など口ずさみながら、浅草寺本堂の階段を上るのです。犬が居るので中には入りません。入ってお詣りしても叱られることは無いようですが、やはりなんとなく気が引けるので、あほまろとモモちゃんはいつもお賽銭箱の前でお詣りするのです。
 ほとんど毎朝の写真はこの階段付近での撮影です。なぜかというと、あほまろのデジカメは液晶画面でチェックが出来るタイプじゃないので、ファインダーで画像を確認しなければならないのです。ですから、犬たちを数段高い位置に座らせておいて下から撮るしかないのです。
 次は、本堂世横の影向堂のお庭に入るのです。人工ですが小さな滝が流れ、池には錦鯉が泳いでいます。この池は毎年二度にわたって内部の清掃が行われているため、底まで奇麗なのです。また、池にかかった石橋との調和は、まるで錦絵にでも出てくるような佇まいを楽しませてくれるのです。いや〜毎朝、和ませていただいております。
 影向堂の住職、あほまろの挨拶に応えてくれるのが嬉しくて毎朝ご挨拶します。“おはようございます”、そしてお詣り。ここでも中には入らず、入り口の前でお詣りです。“ありがとうございました”、自然にそんな言葉が出てくる場所なのです。“ごくろうさま”、住職の声であほまろの一日が、幸せになれる気がするのですよ。
 さて、いよいよ明日は「一の酉」ですよ。
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 今朝の大懸崖(だいけんがい)
 「菊花展」残すところ後一週間です。この大懸崖の満開を見られずに終わってしまいそうですね。写真でご覧の通り、未だに蕾だけってのも多いんですよ。これがなぜ「優等首席」なのでしょうね・・・。
   
    
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 今朝の伝法院通り
 “昨日はお蕎麦屋さんの定休日だったので、一日中描いていたんだよ”、土橋さんの絵は下塗りを終え、いよいよ人物に取りかかりました。十年ほど前、「肺気腫(きしゅ)」と診断された土橋さん。今では補助呼吸のボンベが手放せません。また、足腰も弱ってしまって車いすも必要なのです。“何度か入院もしたけど私は病院が嫌いだよ。病院にいるとますます病人になってしまう。私が一番健康と思えるのは仕事をしている時だよ”、大正15年生まれの79才、浅草六区華やかな頃には、映画館で看板を描いていたそうです。
 7月から作業を始めた伝法院通りの江戸街再現プロジェクト。“始める前は、みんなが無理だと言ってたんだが、ほ〜ら、ちゃんと仕上がったでしょう”。この絵を仕上げて総てが完成です。“でも、下の方にしゃがんだり、脚立の上で心臓より上に手を上げなければいけない時だけ、辛いな・・・”、そんなこと言いながらも、絵を描いている土橋さんの姿、まだまだ現役ですよ。
   
   
 こちらは土橋さんがいう、お偉い絵描きの先生が弟子に描かせている絵なのだそうです。今朝は、全体の仕上げをやっていました。この通りの両側の絵の雰囲気が全く違っているってのも、浅草らしさなのでしょうかね。
   


今朝の写真
CANON EOS-KissDN,CANON ZOOM 28-135 F3.5/5.6 IS
撮影枚数185