あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成17年6月10日(木) 旧暦5月4日友引
- 軒先 -

日記

 台風が近づいているおかげで、霧雨の蒸し暑い朝になりました。この台風は、直接本土には上陸しないそうですが伊豆諸島では、南部で今日の昼前から夜にかけて強風が吹き、海上は波の高さが6メートルを超える大しけとなるそうです。時速約10キロで北東に進んでいるので、この週末にかけて東京地方にもかなりの雨をもたらすとのこと、明日から始まる鳥越神社例大祭も始まる前から雨を覚悟しなければいけないのです。身体は濡れても良いのですが、カメラの保護のために、レインジャケットを付けての撮影になってしまうんでしょうね。レンズ交換が大変なんですよ。
 あほまろの予定は、明日の夕方行われる宵宮の連合渡御から小島二東町会をベースに祭で燃えるみなさまの表情を撮らせていただきます。助手の古麻呂と小島二東町会の半纏を着て脚立の上からカメラを構えているオッサンをみかけたら、ピースサインで存在を主張してくださいね。
 そういえば、いままで神輿を担ぎながらピースサインなんて誰も居なかったよな・・・、そんなことしたら神様に失礼なのでしょうかね。
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 観光で有名な飲食店では、これからの梅雨にむけて玄関に雨除けの軒先を仮設する工事があちこちで見かけるようになりました。昨日は雷門横のおみやげ屋さんの工事が終わったと思ったら、今朝は隣の天麩羅屋さんでも工事が始まりました。来店してくださるお客様により快適な環境をサービスするための工事ですが、これがまた目的以外で使われてしまうことも多いのです。
 仲見世には可動式の屋根が設置されているので観光客は濡れずに買い物が出来るのですが、それ以外を歩いている方が突然の雨に見舞われた時、緊急の待機場として利用されてしまうのです。そんな光景は昨年も多く見かけたのですが、お店の方にとっては邪魔な連中なので、その追い払い方もユニークなんです。

“はい、お客様がお帰りになります。はい、お席は開いてますよ”

 そんなかけ声で上手に雨宿りの人達を追い払ってしまうんです。これがまたなんともいえず、まるで落語を聞いているかのような小気味の良いフレーズなのです。これは手際の良い番頭さんのお話ですが、これが与太郎だったとしたら、急な雨で軒先を借りに来た人に、主人が大切にしている傘を与えてしまうって噺も思い出してしまいますね。それを聞いた主人、与太郎にそんな時は傘は有るのですが、ただいま張り替えの途中でして、骨は骨、皮は皮とバラバラになっておりまして、お貸しできる状態じゃないのです。そう言って断りなさいと教わったことを、ネズミが騒いでいるのでお宅の猫を貸してくれとやって来た向かいのご主人にそっくり返してしまった。猫の骨と皮がバラバラ・・・。

 「軒先を貸して母屋を取られる」

 こんな噺もありますね。急な雨で軒先を借りに来た旅人、降り始めた雨は長梅雨の時期だったために、その旅人は長居をすることになってしまったのです。ずっと軒先に居てもらうのもなんだので、中に入れてしまったのが運の尽き。そのうち店番を手伝うとその客の扱いの良いことなんのって、たちまち町中の評判になり、店は大繁盛。やがて、雨が降り止む頃にはその旅人は店の主人に収まっていたってお話。
 梅雨の時期になると、こんなバカバカしいこと以外の話題が見付からないもので、ただ文字を埋めるだけのようで、ごめんなさいね。
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 今までに何度も話題にしようと思っていて忘れていた街角のネタがひとつあります。写真に掲載した“宣伝自転車”をご存じですか。西参道の出口付近の居酒屋さんの“看板自転車”なのです。いつも、この場所でお店の看板を荷台に乗せて、夜になっても仕舞われることも無く佇んでいるのです。
 以前、ここのご主人に聞いたことがあります。“看板を地面に置いていた頃には、週末の競馬客の混雑で看板が全く見えなくなってしまう。それで、自転車の荷台に乗せてみたのさ”、たったそれだけの単純な理由ですが、これがまたとっても便利なのです。週末で混雑する時には、表に出すテーブルの数も増え、そんな時には看板も自由に移動できる。規則上看板は路上に出すことが禁止されているのだが、自転車の上の荷物扱いとすれば、単なる放置自転車。毎週やって来る放置自転車の取り締まりの人達にはこれはお店の“看板”なのだと説明しているので持っていかれることは無い。また、夜中に自転車が持っていかれないようにちゃんとタイヤの空気は抜いてある。
 “看板自転車”って、浅草では看板娘よりも効果があるのですね。こんな良いアイデア、他では真似していいないってもの不思議ですね。

 “ご立派”

今朝の写真
CANON EOS-KissDN,CANON ZOOM 17-85 F4-5.6 IS
撮影枚数21枚