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　浅草の桜はまだ２分咲きって感じでしょうか。それでも週末とあって、今日は
浅草神社を基点に、隅田公園一帯で着物園遊会が開催されるようです。浅草神社
の境内では、朝早くから野点や売店などの準備が行われておりました。
　隅田公園のゴミ箱には造花の桜が捨てられています。花金の昨夜は、気の早い
連中がみせかけの桜で盛り上がったのでしょうかね。そういえば、浅草寺境内の
桜茶屋も、みせかけの造花が並び結構雰囲気が出るようなので、花より団子って
のを実践したんですね。
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　みせかけといえば、うわべや外見だけの体裁をつくろうことをいいます。造花
の花のようにそれでも満足できるものであれば問題は無いのでしょう、これが障
害者の設備となるとちょっと話は違ってきます。
　一昨年浅草寺の本堂に上がるためのエレベーターが完成しました。しかし、こ
れが稼働しているのを未だに見たことがありません。今朝、アメリカ人の親子が
浅草寺を訪れてきました。“ここを訪れるのは、新婚旅行以来なんだよ”、湾岸
戦争で腰を痛めたというお父さんが懐かしそうに本堂を見上げています。
　“中にも入ってみたいのだけど、父は重たいので・・・・、そんな息子の言葉
に、あほまろは本堂に入るエレベーターを思い出し、係の人に訪ねてみました。
しかし、事前に使用届けを出さなければ利用することは出来ないのだとか。そん
なエレベーターって造った意味が有るのでしょうかね。これも、障害者に優しい
との、みせかけだけだったんですね。
　本堂内の見学を諦めた親子と一緒に、比較的段差の少ない影向堂の境内を、今
は離婚してしまったという、ご婦人との新婚旅行のおのろけを聞きながらの散歩
です。アメリカ人って、不思議な人種ですね。別れたっていいながら今度は一緒
に連れて来てあげなくっちゃ、今でも愛しているんだよ、なんて言うんです。
　息子は息子で、“母親と一緒の方が楽だったんだけど、父のこんな身体じゃし
かたがないので残ったんだよ”、とか。これも国民性の違いなのでしょうね、彼
等の言葉はみせかけではなく総て本音なのに驚かされます。あほまろなら旅先で
出会った見ず知らずの人に本音で接すること、出来ないだろうな・・・。
　“そういえば、ハトが居なくなったんだね”、父親が思い出したようにあたり
を見渡します。そう、昨年の一月から居なくしてしまったんですよ。ハトが人の
手を借りずに自然に生きていけるようにしてあげたんだって、もっともらしい理
由書きの看板も見せてあげましたよ。みせかけの言い訳をね。
　ただ、父親が呟いた一言、“そのうちに犬も境内から追い出されるんじゃない
のかな・・・”、モモちゃんと顔を見合わせてしまいましたよ。
　先月も仲見世のトイレがリニューアルされて綺麗になりました。しかし、提案
していたバリアフリーとはほど遠く、わざわざ綺麗に飾った階段まで造ってしま
うという情けなさ。浅草寺のトイレにはそんなみせかけだけは無いのです。
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　中村勘三郎襲名記念公演、五月歌舞伎の初日にいってきました。今月の話題は
、勘三郎よりも次男の七之助に集まっているようです。あの事件以来出演を自粛
していたので、昨夜の口上から始めて舞台に立つのです。そんな様子を取材しよ
うと、テレビ局も押しかけてましたよ。
　しかし、肝心の口上では事件のことには全く触れず、淡々とお祝いの挨拶をす
る七之助でした。次の、籠釣瓶花街酔醒（かごつるべさとのえいざめ）で、七之
助の登場の仕方にも拘ったのか、最初から傾城初菊は後ろ向きで座っており、お
もむろに前を向いた瞬間の場内の盛り上がり、あれっていったい何を意味してい
たのかな。襲名も２月目に突入すると、薄れかけた話題を更に盛り上げようとの
演出だったのでようかね。
　話題では、“父を超えた”って、みせかけだけどね・・・。