平成17年(2005)1月15日 土曜日
旧暦12月6日大安

- 雨と商売 -

 予報では雪になるはずだったのですが、雨の朝になりました。でも、気温が極
端に低いのでこれから雪になるのかも知れませんね。浅草は昨年の12月に二度
も大雪が降ったのですが、過去の例からみると東京で12月に雪が降った冬は1
月〜2月にかけても雪が振っているのだそうです。極端なのは20年ほど前の4
月の始め、満開の桜の上に雪が積もったことがありましたよ。あの時も12月に
大雪が降った冬でした。
 当時の会社は桜並木で有名な市ヶ谷のお堀沿いにあったので、突然の雪に喜ん
でカメラを持って飛び回ったのを思い出します。北海道生まれのあほまろにとっ
て雪に対しての思い入れは人一倍なのかも知れませんね。これで、今日も雪にな
ったら、じ〜っとしてはいられないのかも。
 今日は小正月で成人の日というのは昔の話。祝日法の改正により2000(平
成12)年から1月の第2月曜日が成人の日と変更されてしまったのです。でも
小正月の風習はまだ残っています。正月も7日までの松の内を「大正月」と呼び
、今日15日を「小正月」といって、松の内に忙しく働いた主婦をねぎらう意味
で、この日を「女正月」ともいわれてます。特に縫製関係の職場では今日を休み
とするところも多いようです。でも、犬仲間の縫製会社に勤務する方が、“今年
は土曜日に当たってしまったので、恩
恵は受けられないの”、残念!
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 正月七日まで出ていた露天商がまた戻ってきました。この連休中だけの営業で
すが、いつもと同じお店の配列です。浅草寺境内では、年間を通して出店日が決
められており、年間およそ250日決められた業者が営業を行っております。
 年間250日といえば、普通のサラリーマンの労働日となんら変わることがな
い日数ですね。ここに出店している連中も、他には出ずにここだけで暮らしてい
るのだそうです。いつもタコヤキを売っているおっさん、“日数はサラリーマン
といっしょでも、労働時間が違うよ”、そうです。露天商は許された当日の早朝
に店を設置し、午前8時頃から午後9時まで営業しているのです。そして、許さ
れた営業日が終わったその夜のうちに総てを撤去しなければならないのです。
 “雪になったら客が減るね・・・”、空を見上げてボソッと呟くおっさん。真
面目にに働いていると、年間250日の営業だけでも普通のサラリーマンの年収
以上の利益が上がるのだとか。おっさんだって、息子二人を屋台一つで大学まで
出したんですよ。
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 「大工殺すにゃ刃物はいらぬ、雨の三日も振れば良い」、そんな川柳が有ます
ね。露天商も一緒です、雨や雪が降った日は通常の三分の一も売れないのだそう
です。でも、今ではみなさん蓄えも充分有るので三日程度の雨じゃ死ぬ訳は無い
のですが、これが江戸時代の大工となれば話が違ってくるのです。
 江戸末期の大工の工賃を調べると、棟梁は別格として下働きの職人は日銭で百
文ほどです。ちょっと腕が良くて仕上げのカンナを出来るようになっても二百そ
こそこ。今のお金に直して一文がおよそ30円ですから、一日の手間賃が三千円
〜六千円程度でした。そこの持ってきて「江戸っ子が宵越しの金を残さない」と
は良くいったもので、実際にその程度のお金が残る訳が無いですよね。明日の稼
ぎを充てにしてパーッと使ってしまうのも職人芸というのでしょう。
 そんな日が三日も続くと、自ずと知れて干上がってしまうのが当然だったんで
すよ。その他に店賃(家賃)も払わなくちゃいけないし、滞ったら店立てを食っ
てしまうし・・・。
 でも、当時の江戸では火事が多く仕事にあぶれることは無かったそうですよ。
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 雨で困るのは露天商や大工だけじゃないようです。週末に開催される競馬の予
想屋さんも同様なのです。いつもの予想屋さん大きなパラソルの上に更に青テン
トまで用意して客を呼び込んでいますが、いつもと違って誰も歩いていないので
す。予想屋さんは大工さんと違って、週に2日だけの営業。年間120日程度し
か稼げないんですよね。それで商売が成り立っているってのも不思議ですけど。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数25