平成16年(2004)9月5日 日曜日

- 紙に水 -

 落雷を伴う集中豪雨から一夜明けました。強烈な閃光と窓に打ち付ける大粒の
雨はまるで天変地異によって世界の生物が絶滅るのでは・・・、なんてのは大げ
さでしょうが、雷が恐いあほまろにとってはそんな気持ちでしたよ。モモちゃん
はというと、やっぱり頭を隠すように丸まっていましたよ。
 そんな恐い夜が明け、昨夜の轟音が嘘のように爽やかです。雨除けのテントが
下ろされた仲見世を歩いていると、嫌がるモモちゃんの鼻先をしつこく飛び回る
一匹の“赤とんぼ”が・・・。そうです、もうこんな季節になったのですね。
 隅田川の水質が良くなり、河川敷に人工ですが水草を植えた溜まりを作ったた
めに、秋になると赤とんぼがたくさん羽化するようになったのです。今朝はまだ
たった一匹ですが、境内に菊の花がいっぱいの時期になると、もっともっと飛び
回りますよ。
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 火事は恐いですね。一瞬にして総てを灰にしてしまうのですから。昨日、午前
10時半頃、あほまろの秘密基地のすぐ裏側で大きな火事が発生しました。雑居
ビルの二階にある会計事務所から出火、近隣のビルに燃え移り、居酒屋やラーメ
ン屋など、七棟の八十五平方メートルを焼いたのです。
 実は、三年前にこの付近であほまろの事務所を探していた時、ここも候補とし
して上がっていた所なのです。上の写真の右側に写っているパトカーが停まって
いるビルです。幸い、火災はこのビルの一軒となりで消化されたようですが、危
なかったのです。特に、あほまろの秘密基地のコレクションはいわゆる紙物ばっ
かし。もし、火事に遭遇したら一瞬にして灰になってしまいます。それより、近
火で放水をされただけでもオジャンなんです。
 人ごとなのでと、野次馬となって写真なんが撮っている場合じゃないですよ。
 絵葉書、マッチラベル、タバコパッケージ、薬パッケージ、薬箱、古文書、古
書籍、ポスター、面子、トレーディングカード等々、あほまろのコレクションだ
けはなんとか守り通す算段を考えなければいけないのでしょうね・・・。
 紙物じゃない古銭やホーロー看板だって火事になったら全部ダメになってしま
うのです。それじゃ、“いざという時には持ち出せるようにしておきなさい”、
ですって?冗談じゃないですよ、整理されたアルバムの数だけでも、百冊を超え
ているのですから・・・。
 あほまろは、今まで一度も火事などの災害に遭遇したことが有りません。です
から、小学生の頃からのコレクションも今に残っているのです。でも、今後も安
泰でいられる保証は無いのです。たとえ保証されてお金で戻されても、貴重なコ
レクションの代償にはならないのですよ。これからも火事だけには注意したいで
すね。貴重な文化財を灰にしないように・・・。
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 昨夜は歌舞伎座の九月大歌舞伎を観劇してきました。今月は五世中村福助70
年祭追善と、その曾孫にあたる中村宣生(よしお)初舞台記念興業とあって、超
満員です。人間国宝の中村芝翫さんのご子息、中村福助、橋之助とその孫たちと
一家総出演で舞台を盛り上げておりました。
 初舞台の中村宣生君、3才になったばかりなので、お芝居の何かも解らずにた
だ父親の橋之助さんに操られながら舞台でご挨拶をしてました。お母さんも心配
そうに後ろから見守っていましたよ。この子もすぐに立派な役者となって成駒屋
を守っていくのでしょうね。
 チビ成駒屋といえば、4年前に初舞台を踏んだ、同じく橋之助さんの長男、国
生君、逞しくなりましたね。若干8才ですが、「恋女房染分手綱(こいにょうぼ
うそめわけたづな)」重の井の段で、馬子の自然薯三吉を立派に演じていました
よ。祖父の芝翫さんも父の橋之助さんも台詞を忘れ、黒子から教えられていたに
も関わらず、あの延々と身の上を語る長台詞、誰の助けも借りずに堂々と演じて
おりました。この子どもたち、将来有望ですね。 期待しましょう。
 歌舞伎が終了して外に出るとバケツをひっくり返したような大雨です。こんな
雨になるとはつゆしらず、傘なんて持っていかなかったんです。おかげで、今月
の筋書きもガバガバ・・・。やっぱ、紙には水が大敵なんですね。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数40枚