平成16年(2004)5月30日 日曜日
- 植木市 -

 クソが付くほど暑い!直射日光でアスファルトもチンチン、モモちゃんはもう
大変なんです。自然と日陰を選んで歩いています。きっと足は焼けるように熱い
のでしょうね。浅草寺境内を訪れるみなさんも、ちょっとでも涼しい西側の階段
付近で休んでいます。この陽気、まるで真夏のようですね。
 そんなクソ暑い今日は競馬ファン待望の日本ダービーが行われるようです。ま
だ開いていない場外馬券場の周辺には朝早くから大勢の競馬ファンで溢れていま
したよ。朝っぱらから炎天下の屋台で冷たいビールで景気づけしているかのよう
でした。一攫千金の夢を見ながらね。
 ところで、クソ熱いの“クソ”って表現はいったい何から来ているのでしょう
かね。まさか“ウンコ”じゃ無いでしょうね。広辞苑で調べてみると、このクソ
とは仏教用語だったのですね。漢字で書くと「苦楚」、この「楚」は痛の意味で
辛苦や苦痛を表す形容詞なのだそうです。そんな訳で、“苦楚熱い”なんて表現
は下品な言葉じゃないのですよ。どっちかというと、あほまろらしい上品なお言
葉なのです。(合掌)
------○------
 昨日、観音裏で行われている「植木市」に行ってきました。晴天の土曜日とあ
って、大勢の方で賑わっていましたよ。でも、この市は「お富士さんの植木市」
といって、浅間神社の富士山信仰の方々が、富士山の山開きの縁日に由来して、
自然の恵みを感謝するために開催されるお祭りなのです。
 柳通りを中心に350店もの植木屋が立ち並び、入梅が近いこの時期、庭木の
植替えの好機でもあったことから、「お富士様の植木市で買った植木はよく育つ
」と評判が高まり賑わうのです。でも、当の浅間神社と植木市の会場が離れてお
り、年に一度の大蛇の魔除けを授かる日にも関わらず肝心の神社を訪れる人は極
端に少なく、境内はとっても寂しい状態でしたよ。でも、信仰心の強いあほまろ
はちゃんとお参りしてきました。クソ丁寧にね。
 浅間神社の有る浅草4〜5丁目一帯は、もともと秋田の象潟の殿様がここに邸
を持っていたことで、象潟(きさかた)の地名でも親しまれております。しかし
、昭和22年から始まった住居表示改訂によってその名は無くなってしまったの
ですが、町会の名前としては今でも住民に親しまれているのです。
 この浅間神社も、秋田の象潟の殿様の邸神として祀ったのが始まりで、観音様
の直轄でもあり、多くの信者で賑わっていたそうです。
 久保田万太郎「浅草風土記」には、『町は象潟町、その浅間神社あればの里俗
富士横町のその往来、いまは広くなったが、嘗ては幅、九尺ほどの、地道な、そ
れだけに陰気な、それよりも一番にせゝこましい感じがさきへ立つ一本道の、そ
の両側に、簪だの、鬼灯だの、太白飴だの、葡萄餅だの、竹かんろだの、あやめ
団子だの・・・、そして、しのぶに付いた風鈴の、時々思い出したように連れ鳴
るのをよそに、植木屋はまた植木屋だけと集まり、カンテラの火のなびくまにま
に、薔薇、百合、常夏、露それぞれの風情の鉢を、人波の中に、こゝぞとばかり
並びたてたのである...』と、往時の賑わいも描かれております。
 また、観光連盟のポスターにも描かれている「赤い舌を出した麦藁の蛇」のこ
とも書かれています。
 観音裏に新しくできた「花の辻商店会」では、浅草見番の協力で野点が開催さ
れております。植木市に来たお客様お茶代を払うと芸者衆の接茶を授かることが
出来るのですよ。この時だけは、あなたもお大尽様、さすがは花柳界を持つ商店
会ならではの風情でしたよ。
 「お富士様の植木市」の風景は、本日中にあほまろ写真館にて公開しますよ。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数32枚
植木市の写真
Canon EOS-1Ds
撮影枚数126枚