平成16年(2004)1月7日 水曜日
- 大根飯 -
 とっても寒い朝になりました。こんな寒い日の朝はいつもより通勤客の姿も少
ない浅草です。みなさん寒いのでギリギリまで出勤をためらっているのでしょう
かね。そういえば、いつも境内でお逢いする犬仲間もまだ見えないようです。モ
モも寒いので尻尾が下がりっぱなしで歩いているのでした。
 つい先日まで、大勢の参拝客で賑わっていた浅草寺境内の同じ空間だというの
に、さすがに七日ともなると、大勢の初詣客用に用意された幟や横断幕がとって
も空しくも感じるものです。
 浅草神社の境内に出ていたお店もすっかり無くなってしまい、お焚上げの燃え
かすを片付けている作業員の後ろ姿にも終わってしまった儚さだけが漂っている
ような。次に訪れる三社祭までの間浅草神社境内は静けさに包まれるのでしょう
ね。儚いと言ってしまえばそれまでなんだけど、まだ夏でも無いに、あ〜「夏草
や兵どもが夢の跡」(芭蕉)なんて句までも彷彿するような・・・。
 七草の節句の今日は平安時代から行われているといわれる七草粥を食べる日と
されております。我が家の正月最後の行事、女房は七草粥の準備をしているよう
です。これが結構不味いお粥なのです。昔は今のように白米を食べるなんてのは
、庶民には夢のまた夢。一般にはハレの日(祭礼)に頂くもので、常日頃はアワ
やヒエなどの雑穀が常食で、更にお粥にして大根や芋などで水増ししたものを食
していたのです。ですから新米が取れると、最初に先ず神前に供え、五穀豊穣を
祈る神事の後、お下がりを頂いたのです。
 正月の七草粥もこうした神への感謝と、新年を無事に迎えられたことへの慶び
を込めた行事で、この日だけはちょっとだけ白米を入れたお粥を頂ける日でもあ
ったようです。現代では、正月のご馳走に疲れた胃腸を休めるのにもとても都合
がよく、理屈に適った食べ物でもありますね。毎日白米を食べることに慣れてし
まった我々日本人も、今日だけは不味くても我慢して貧しくも見える七草粥を食
べて苦しかった時代の人々を偲んでみるのも良いかも・・・。
 しかし、七草といえば、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、す
ずな、すずしろ、これらの食材も最近はなかなか手に入りにくく、この時期は、
他の野菜より高く売られているのです。かつて、NHKの「おしん」で話題にな
った貧しさの代表と騒がれた「大根飯」の延長でもある七草粥。これも、今では
秋刀魚や鰯同様に、高級な部類の食材となってしまったようですね。
 元旦生まれのモモちゃんが、ちょっと遅れた誕生祝いを貰いました。暖かそう
なピンクのベッドです。昨日女房があほまろの秘密基地用に買ってきたのです。
最初は、囓ったり引っ掻いたりで、ちょっと戸惑い気味でしたが、すぐにそれが
快適なベッドであることに気付き、すっかりお気に入りです。
 まずは慣れるようにと、今までお気に入りだった布を敷いてあげたのですが、
すぐに布を放り出してしまうほど。柔らかくて暖かいベッドは、老犬のモモちゃ
んにとって最高の贈り物だったようですね。こんなベッドでも、3千円以上もし
たそうです。これでモモちゃんも長生きしましょうね。
今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数34枚