2003年12月9日 火曜日


今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数25枚

浅草暮らし

 晴天ですが、とっても寒い朝になりま
した。歩いている人みんなが、まるでタ
バコを吸っているかのように白い息をた
なびかせて歩いています。そんな様子を
何枚か写真に納めたのですが、開いてみ
ると見た目通りには写っていないんです
よね。とっても楽しい光景だったのに・
・・。
 浅草寺境内では、年末に向けての準備
が始まりました。本堂の左右には奉納の
酒樽を飾る棚が造られ、17日から始ま
る納めの観音「羽子板市」の小屋用の電
線工事も行われております。また、観音
裏広場では、注連縄市の小屋懸け用の基
礎も完成し、あとは出展業者がテントを
張ると出来上がりました。
 本堂左の奥山風景の小屋の取り壊しが
総て終わり、今朝は櫓を取り壊すための
足場造りが行われております。ついこの
あいだまで、賑わっていた奥山風景のシ
ンボルであった櫓も、いよいよ見納めな
のですね。
季節は巡って、今年も冬がやってきた。
頬をなでる風の冷たさはいつもと同じ冬
の存在を伝える。
かつて華やかだった歴史の街に、その時
と同じ季節は巡る。
ふっと、思う。
季節の中に、地球や時間や自然が・・・。
その中で、人間が流されているだけ。
 
 あほまろが平成11年11月より浅草
に暮らしてから、季節が四周期繰り返し
ました。それにともなった行事も当然四
周期繰り返しているのです。これから第
五周期目に突入します。越して来て最初
の大きな行事が「羽子板市」でした。そ
れまでも欠かさず浅草の行事を見に来て
いたのですが、これからは帰ることを考
えずに行事を堪能できる。そんな喜びに
幸せを感じたものでした。
 浅草に住んでいるというと、誰もが「
三社祭」を言います。また、地方出身者
は、修学旅行と雷門などを懐かしむので
す。どっちも全国的に有名ですが、そん
な連中は毎年の行事を何度経験している
のでしょうか。ほとんどの人は、一度の
経験で充分堪能しているようです。
 そうなのです、住んでしまうと毎年繰
り返される行事にウンザリすることもあ
るのです。行事のたびに電車が混雑する
、路地まで駐車する車に閉口する、お店
が混雑して夕食の買い物も出来ない・・
・。そんな声を良く耳にします。
 中に入ってしまったことで、ごく普通
である浅草の当たり前が当たり前で無く
なってしまったのです。今、そんな意に
満たない状況に陥っています。外から見
ていれば良かった・・・。そんな思いも
・・・。
 モモちゃんにとっては、毎朝武道館か
ら千鳥が淵にかけての自然いっぱいの散
歩コースがとっても良かったのかも知れ
ません。越してくるまで、浅草にも隅田
公園という素晴らしい自然があるのだ、
きっとモモちゃんも喜ぶに違いない。な
んて勝手に思っていたのですが、いざ歩
いてみると青テントの群・・・。
 住んでしまったのですから文句をいっ
ても仕方がないのでしょう。これからは
、当たり前を当たり前で無くするために
も、浅草の毎日を大切にしていきたいと
思うことにしましょうね。
 とっても良かった伊勢旅行を思い出し
ながらの散歩。もう一度行ってみたい。
そんな事考えながら、四年間の浅草の暮
らしを振り返ってしまった、寒い朝の散
歩でした。あほまろは今、旅をしている
訳じゃないのですから。
 旅の楽しみは帰るところが有るから・
・・