2003年12月10日 水曜日


今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数15枚

開府を想う

 なかなかベッドから這い出せない朝で
す。我が家の犬たちも起きる時間が過ぎ
ているっていうのに、まだあほまろの布
団の中でうずくまっているほど、寒いん
です。
 こんな寒い朝は着るものに迷ってしま
います。別にオシャレをしようと迷って
いる訳じゃないのですが、寒いので側に
あるもの何でもよいと手に取ってみるの
ですが、寒さで思考能力が欠如している
のか決断出来ずにあれこれ迷ってしまう
のです。その間にせっかく布団の中で暖
まっていた身体も冷え切ってしまい、迷
った挙句に貴重な朝の時間を失い、結局
昨日脱いだ物をまた着てしまったりする
んですよ。
 何処にも出かける訳じゃ無し、迷って
いた時間だけ損しちゃった気分。だけど
迷っている間もまた楽しいものかも知れ
ませんね。寝起きから頭を働かした分、
今日は一日頭脳明晰かもしれない・・・

 今年ももうすぐ終わるのです。そして
、「江戸開府400年」も同時に終わっ
てしまうのですね。
 1603年に幕府が開かれて今年でち
ょうど400年に当たるということで、
世界に誇るべき東京の魅力と蓄積を再発
見し、それを未来への創造の契機として
いくことを目指した様々なイベントが各
方面で行われています。特に浅草の行事
のほとんどが関連行事の冠を付けての開
催でした。
 しかし、江戸から平成と歴史が移り変
わって400年。世界最大の都市として
発展してきた江戸東京。洗練された庶民
文化が花開き、人にも町にも活気のあっ
た時代から生まれた歴史、伝統、技術。
私たちはその歴史の延長線上に生きてい
ます。今、江戸を振り返ることは、新し
い未来の創造にもつながっていくはず、
そんな期待を込めて開催されたはずの記
念行事でしたが、本当に盛り上がったの
でしょうか。
 毎年盛り上がる「お祭り」の冠や、恒
例のイベントの冠として「江戸開府40
0年」の文字が付けられています。この
「江戸開府400年」の文字が有るのと
無いのではまるで盛り上がりに欠けると
でもいってるかのように輝いておりまし
た。
 東京に暮らしていると、何処に行って
も目立っている「江戸開府400年」の
ポスターや幟などは、まるで都内合同の
特別大売り出しのようです。また、“あ
やかり”商品の宣伝も多く、本屋さんに
は江戸東京関連書籍が堆く積まれ、新聞
の折り込みチラシのスーパーまでがそれ
を謳っています。中には、どこが江戸開
府記念なのと疑ってしまう女性用の下着
や、家電製品までも。
 東京都は、「江戸開府400年」の記
念行事にどのくらいのお金をかけたのか
は知れませんが、このイベントを開催し
たことによって、一番儲かったのは、イ
ベント企画会社と、出版社だけなのかも
知れませんね。
 ただ一つ、歴史を誤認して欲しくない
ことは、徳川家康が征夷大将軍に任官し
たのが1603年2月12日であって、
それをもって江戸幕府の発足といえば確
かに合点がいくのですが、徳川家康の将
軍任官式は前年に、京都の伏見城で行わ
れ、更に将軍になっても専ら伏見城で政
務を執っていたのだから、江戸時代の開
府は、都市としての江戸とは関係ないと
ころから幕府が始まったのですよ。
 この企画の根本から、企画会社に乗せ
られていたのかも知れませんね。「江戸
開府400年」が終わってしまう来年。
今年の騒ぎの精算が今朝のように寒くな
ければ良いのですが・・・。
 昨夜、日本橋を歩いていると、月が輝
いていたもので。建物は高島屋です。