ポカポカ陽気ですっかり春になってき
ました。浅草神社の染井吉野が開くのも
時間の問題になってきましたよ。浅草も
花見客で賑わってくるのでしょうね。
　花見は春の桜に限って使われる言葉で
す。山桜に始まり、染井吉野をピークと
して、遅咲きの八重桜等々桜の品種は多
種多様ですが、時代や品種を超えて、日
本人の心情に深く根ざした花でもありま
す。
　西行法師は「願はくは花の下にてはる
死なむそのきさらぎの望月のころ」と詠
い、願い通りに桜に看取られて亡くなっ
たと伝えられ、桜の花には神仏が宿って
いるかのようにも思われますね。また、
古くは桜の花の咲き具合でその年の農耕
を占ったり、花見に行くことで祓いをす
る習慣があり、その頃から飲めや歌えや
の宴も行われていたようです。そんな賑
やかな花見もよし、一人静かに静かに風
雅を楽しむもよし、今年はどんな花見で
春を満喫しましょうか。
　花見は桜を表すと同様、花祭はお釈迦
様の誕生日を言うのです。キリストの誕
生日であるクリスマスは知らない人が居
ないのに、お釈迦様の誕生日を知る日本
人が極端に減ってしまったと嘆いている
お坊さんもいました。では、お釈迦様の
生誕はいったい何年になるのでしょう。
　キリストの生誕は御存知の通り普段使
っている西暦の通りですが、お釈迦様の
生誕はいったい・・・、ちょっと疑問に
思って調べてみましたが、その生没年代
は、前５６６〜４８６年、前４８３〜３
８３年など諸説があり、詳細は不明なの
です。とある偉いお坊さんのの法話でも
、”４月８日は、お釈迦さまのご誕生日
です。お釈迦さまは、今から約二千五百
年前、インドにお生まれになりました。
現在の地図ではネパール領となっていま
すが、ルンビニー園として知られている
ところです・・・”、このように曖昧な
んです。
　それなのに、なぜかハッキリと伝わっ
ているのは、”２９歳でお城を出られた
お釈迦さまは６年間山に籠もって人の道
、仏の道を求められ、３５歳の１２月８
日、ついに仏さまとなられました。花祭
りは、仏教、すなわち、「仏になる教え
」をお説きになったお釈迦さまのご誕生
をお祝いする日であるとともに、人間生
命の讃歌をうたう聖日というべきなので
す・・・”。
　ブッシュもフセインも演説や会話の中
に必ずといって良いほど、”神”が登場
します。今回の戦争の開戦宣言をしたブ
ッシュは宣言の後に、”・・・神の恵み
を”、フセインのテレビ演説でも、”我
々には神が付いている・・・”。
　もし、小泉総理大臣が発言の中に、”
神様”という言葉を入れたとしたら、世
論はいったいどんな騒動を醸し出すので
しょうね。
　その背景は、維新直後の明治政府の宗
教政策によって神道を仏教から分離独立
され、その後それまでとは性格の異なる
新しい「神道」として国家神道（神社神
道）が形成されるに至ったのです。その
後、ご承知の”神風”の聖戦として戦わ
れた第二次世界大戦の敗戦。その後のア
メリカ占領政府によって、“国家と神道
の分離”が行われ、国家神道（神社神道
）は解体します。国家神道（神社神道）
のもとに編成されていた神社は、神社本
庁を組織し、１つの宗教法人として今に
至るのです。
　こんな経緯を読んでいると、敗戦で、
日本の”神”がアメリカによって抹殺さ
れてしまったのです。ですから、国家元
首が、”神様”という言葉を入れた発言
には、１つの宗教法人を指しているので
不味いってことなんですね。
　それ以来、アメリカさんの神様を押し
つけられ、”花祭り”も忘れ去られてし
まったんですね。
　”オーマイガット”、日本人が言うと
、どの神様を指すんでしょう・・・。