2002年2月9日 土曜日       

今朝の写真
CANON EOS-D30
CANON ZOOM 17-35 F2.8
撮影枚数20枚

五輪の裏では?

 今日からオリンピックが始まる。テレビでは連
日ソルトレークの様子を伝えているが、昨年のテ
ロ事件の影響で現場はかなり警備が厳しそう。米
国のオリンピック委員会の会長は、「米国の前進
をみせるときだ」と会見で檄ををとばす。競技が
始まれば「USA・USA」の大合唱になるだろ
う。そんな「米国主義」とでもいうべき愛国心は
おそらく、ソルトレーク五輪の最大の特徴になる
のだろう。オリンピックを利用して米国国民の愛
国心を高める良いチャンスと、とらえてるのかも
しれない。米国が敵国、テロ支援国と称している
国も参加するこの大会に、こんな一国主義的な傾
向を露わにする大会運営には、すでに各国から強
い反動の声も聞こえている。今世紀は、思想信条
や民族を超越し、スポーツ本来の姿を競い合うた
めに生まれたオリンピックが、根絶されてしまう
のかもしれない。米国はオリンピックを利用した
愛国心で、着実に次の湾岸戦争に備えているよう
にも思えてしまう。           
 日本は平和だ。そんな事を思っている国民は多
いだろうが、「新ガイドライン」の制定により、
「アメリカと日本は、日本国の施設の下にある領
域における、いずれか一方に対する武力攻撃」が
ある場合にのみ「共通の危険に対処するように行
動することを宣言」。日本が軍事行動をとるのは
「周辺事態」が起こったときで、その「周辺事態
」とは「日本の平和と安全に重要な影響を与える
事態であり」「周辺事態の概念は地理的なもので
はなく、事態の性質に着目したものである」とし
ている。これには二つの重大な問題がある。一つ
は、「周辺事態」が地理的に無制限であるという
ことなのだ。次に、何が「日本の平和と安全に重
要な影響を与える事態」であるか曖昧であること
も問題だ。例えば、湾岸危機の時、中東が日本に
とって重要であり、平和と安全にとって重要と判
断すれば、それもまた「周辺事態」となってしま
うのである。「新ガイドライン」の制定で、日本
はけっして平和国家とは言えなくなってしまった
のだ。                   
 春の陽気でのどかな浅草寺境内には、女子高校
生達が平和な境内をスケッチしていた。歴史と伝
統に守られた建築物は、画題として最適なのだが
、この境内も先の大戦で総てが焼き尽くされてし
まったのだ。そんな自体が二度と再び起こらない
とは限らない。アフガニスタンのタリバン政権が
、二千年以上も守り続けた”バーミア”の遺跡を
いとも簡単に壊してしまったように。