平成16年(2004)6月2日 水曜日
- 観音の教え -

 梅雨前線は北からの高気圧によって太平洋上に南下してしまったようで、まだ
暫く入梅が無いようです。この時期のこんな状態は珍しいのだとか、昨夜森田さ
んが言っていました。この状態を予想した気象予報士は誰も居なかったそうです
。これからの異常気象を暗示しているのかも知れませんね。
 平日の朝、観光客が来る前の浅草寺境内はとっても静かです。おまけに、なん
となく朝靄がかかっているかのような薄ぼんやりとした様子が幻想的でしたよ。
そんな中、大きなリックサックを背負った女性二人から、写真を撮ってください
と英語で話しかけられました。香港からやってきた学生なのだそうです。でも、
エベレストや南極に行くわけじゃないのになんでそんな大げさなの。大学の登山
部に所属、日本に来た目的は南アルプス南部の山小屋でアルバイトをしに来たの
だそうです。最近では、日本の山にも外国人登山客が多く英語が出来ることが条
件で採用されたそうですが、肝心の日本語が出来なくても良いのでしょうかね。
 南アルプスには、100名程度が宿泊できるロッジや山小屋が50件以上も有
り、その中には外人専用のロッジも有るので大丈夫なのだそうです。
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 観音堂の前を通る人のほとんどが立ち止まって一礼します。特に学校に通う小
学生や幼稚園児がお参りする姿、とっても可愛いですよ。浅草で生まれ育った人
々は、小さい頃からの慣習になっているのですね。
 昨日、またまた悲惨な事件が起こりました。長崎県佐世保市東大久保町の同市
立大久保小学校で、6年生の女子児童が殺害されました。犯人は同級生の女子児
童で鉛筆を削るための細いカッターナイフが凶器だったそうです。
 色々な宗教や各種道徳教育において、人間はもとよりすべての生き物の命の大
切さは教えられているはずでしょう、当然この学校でも命の大切さについて充分
な教育がなされているのでしょうけれど、今回の被害者は頸動脈を切られている
という点で、最初から殺害目的の犯行なのです。
 犯行後の女児も「ごめんね、ごめんね」と謝罪の言葉を繰り返し、涙ぐんでい
ると報道されております。もちろん命の大切さは承知しているはずでしょうね。
 日本の信仰総てにおいて殺生は固く禁じられ、それは罪と見なされています。
また外国の宗教においては神聖とされる動物を食べた者は地獄に堕ちるともされ
ており、宗教的にも社会道徳的にも世界中の宗教が命の大切さを説いているので
はないでしょうか。
 毎朝観音様にお参りをして学校に通う浅草の子供達を見ていると、他の有名寺
院とは違うこの土地だけの特殊な環境が見えるようです。ここに住む住民の総て
が、観音様から何らかの御利益を得ているのですから。
 毎朝観音様をお参りする子供達も、知らず知らずのうちに命の大切さを感じて
生活しているのでしょう。浅草の信心深いこの子たちは、今回ような事件とは無
縁の楽しい学校生活を送っているのでしょうね。
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 『人は死を迎える時、木蓮の風に操られ脳裏に人生の縮小が垣間見られること
があります。忘れた過去の記憶の中に「悪かった」と思う場面に遭遇します。思
いはかくも理性の発達を余儀なくするのになぜ今、この時点で「悪い」の判断が
つかないのか。哀れみをもって知れば人の痛みは命を突き上げる。やたら命を粗
末にせずに済んだものを。』(観音の教)

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数31枚