7月に「ななつ星」の旅より戻った途端に、クラブツーリズムより「ななつ星」募集のパンフレットが届きました。「ななつ星」は前回と同じコースで、プラスアルファとして「或る列車」と「ハウステンボス」を加えた7日間なので、旅費はJR九州が提示する料金の倍以上で、全く興味は無かったのですが、もし、あこがれの「デラックススィートA」が当たったら、そんな無謀な希望で締め切り間際に申し込み、半ば諦めていたのでしたが、運が良いのか悪いのか、見事に当たってしまったのでありました。 夢は叶ったもののあほまろには大きな問題を一つ解決しなくちゃ出かけることが出来ないのです。我が家の老犬と人には全く慣れない猫2匹、これらを置いて出かけるとなると娘に世話を頼まなくちゃいけないのです。7月も女房と五泊六日の「ななつ星」の旅に出かけて、留守を娘に託したのでしたが、長旅で動物は勿論、娘までが参ってしまって、もう二度と留守なんかしないと怒り心頭だったので、娘を説得する算段と行使が「デラックススィートA」より無謀な希望だったのですけどね。 そんな悩みも時間と共になんとかなるもの、予定通り羽田発11時大分行JAL665便で機上の人になっておりました。国東半島の大分空港よりバスで別府のホテルに向かう途中、車窓よりJR九州日豊本線杵築駅付近を走行する白い特急「ソニック」を望むと、九州に居る実感が沸きますね。 別府のホテル「ガハマテラス」にチェックイン後、夕食まで3時間ほど有るので、近くの別府大学駅より普通列車815系にて大分を往復しました。 この車両も水戸岡鋭治氏が手掛けたもので、ロングシートや大型窓は、これまでのローカル電車の概念を一新した明るく都会的で洗練された形に仕上がっている車両なのです。 宿泊した「ガハマテラス」は別府湾に面し、朝焼けの名所なので翌日の朝焼けが楽しみ。 そして翌朝、期待通りの朝焼けを望むことが出来ました。 朝焼けを望みながら海岸を小一時間の散歩しながら気になるのは、浅草に残して来た愛犬ナナちゃんのことを思っていると、娘より写真入りのメッセージが送られて一安心。今更ながら、何処に居ても繋がっているのは便利な世の中だと思ってしまいましたよ。 朝食後はバスで別府駅。いよいよ「或る列車」に乗車出来るのです。 思えば、今年の5月にも「或る列車」を予約しておりましたが、例の入院騒動でキャンセルしなくちゃいけなかったのです。 ようやく乗れたので、JR九州の「D&S」列車で乗っていないのは、「特急A列車で行こう」と、私鉄の肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」だけになりました。 この豪華な列車は、明治39年、当時の「九州鉄道」がアメリカのブリル社に豪華客車を発注したものの、「九州鉄道」が国有化されたため活躍する機会のなかった「九州鉄道ブリル客車」、通称「或る列車」なのです。 世界的な鉄道模型の神様といわれた故・原信太郎氏が作成した模型と監修の元に、水戸岡鋭治氏がデザイン・設計され、"幻"の豪華客車が九州に蘇ったのでした。 運行は、「大分コース」と「長崎コース」で、今回は大分から日田までの「大分コース」を、約2時間20分の行程です。 赤絨毯が敷かれた一号車の乗車口には、クルーのお嬢さんがお迎えです。 いらっしゃいませ、さっそくお名前は?と、聞かれ、あほまろでございますは良かったのですが、ごめんなさん私はもうちょっと写真を撮ってから乗車しますので、女房を先に案内くださいね。 この豪華さにいったいどのような表現が良いのか思いつきませんが、今までの観光列車とは一線を画する外観でありますした。 それでは、あほまろも搭乗させていただきますが、車内も自由に撮りたいのでお気遣い無く。それでは、お席は2号車の○○番でございます。 いよいよ入場、♪パンパカパ〜ン! 光ってます、何もかにも光っております。 太閤さまがご入場なさいましたら、さぞやお喜びになられたことでしょう。 そんな考えが脳裏に浮かぶ黄金のお部屋でありますが、これはキハ47改造車なのです。ほら、まだ誰もお席に着かれてませんよ。みなさんは外観の輝きに目を奪われているのでありました。 その間が、写真を撮るチャンスであります。 どこかで見たような水戸岡風味な天井の装飾です。これはななつ星というよりもロイヤルエクスプレスに近い感覚ですね。 枠の中にはクローバーが入ってますが、4つ葉の中に6つ葉も有ったり、デザインが微妙に異なっているので見ていても飽きませんよ。 はい、こちらは定番の水戸岡回廊でありますが、ちょっと大げさだけど、慣れ親しんだ組子細工だけでは無くて、ステンドグラスとの組み合わせが斬新なイメージを感じさせてくれるのでしょう。ななつ星搭乗経験者の感覚で、ど〜もすみません(ポリポリ)。 JR九州スイートトレインのプレートもお馴染みのデザインです。 キハ47改造車の形式名は前代未聞「キロシ47」。グリーンの食堂車記号ですが、今までのキハ40系列では初の形式名です。 はい出ました。ななつ星でお馴染み組子細工だけの回廊であります。わずか2両に二カ所も回廊を設けるのも贅沢な列車ですね。 その奥には厨房カウンター。 こちらが全個室の2号車で、一号車とは異なる光天井でした。 こちらが我々のお席で、すでにランチボックスが置かれてますが、ついさっきホテルで朝食をとったばかりなのですけど・・・。 ウエルカムシャンパンはノンアルコールも有りますよと、おっしゃいますが、あほまろ夫婦がそんなマヌケなシャンパンを飲むワケ無いでしょ。スイーツ列車なのに、食事もしっかり出てくるのですよ。お料理は東京南青山のレストランの監修とか、ローストビーフに車エビのキャビア添え、コロッケみたいな秋野菜の何とか、もうデブが更なるデブになりそう。 このあと、次から次と甘いスイーツ盛りだくさんで、糖尿病が再発しそうでしたが、食事の写真も全部撮りましたが、空腹の方々に割るので省略します。 由布院駅で駅員さんが端を振ってくれたのに、通過。 ひとつだけ文句を言わせて頂くと、格子を閉じて個室にすると狭すぎます。 そんなことで、あほまろはスイーツほどほどに列車の中を駆け回りながら写真に夢中でした。 途中停車は豊後森駅だけです。ここは過去に何度も通過していましたが降りるのは始めて。僅か15分の停車なので、あの有名な円形車庫とターンテーブルまで行くことが出来ないのが残念です。 駅には地元の方々がお出迎えにいらっしゃってるようなので、行ってみましょう。 可愛い一日駅長さんが敬礼でお出迎え。このようなお子さんの写真は撮ってウエブで載せても良いのか、親御さんに問うと、どうぞ載せてやってくださいとお許しを頂きました。 豊後森駅の設計も水戸岡氏なので、どこも同じような佇まいで、ちょっとつまらないかも。 駅舎くらいは、地元の特徴を生かした地元のデザインを起用しても良いのでは無いのでしょうか。 今まで見てきた、阿蘇駅や由布院駅とイメージがダブってしまいますが、「有る列車」の終点日田駅舎も水戸岡デザインでそろそろ完成するようです。 どこまで似ているのか、日田駅も楽しみにしましょうね。 よく見ると、この列車はキハ40系の面影を残しているなとか想いながら写真を撮っていると、豊後森機関庫をご覧になりましたかと地元の方が声をかけてきました。 時間が無いので今回は見られないのですよと答えたら、一号車の方から遠くですがご覧になれますよとのことで、慌てて走りましたよ。 あぁ、有りました。あれが有名な窓が割れた豊後森機関庫ですね。 映画「僕達急行 A列車で行こう」にも登場してましたね。ターンテーブルに鉄9600形蒸気機関車29612号機が停まっているのも見えてましたよ。いつかゆっくり拝見させていただきますね。 もうちょっと見ていたかったのですが、出発の合図が鳴り響きました。 一日駅長さんの合図で、「或る列車」が発車します。次は終着日田駅ですよ。 途中で何やら有名な滝を通過したらしいが、詳細は不明。 天ヶ瀬駅にて「ゆふいんの森」との交換停車でした。 ど派手な「或る列車」に興奮して写真を撮っていた、「ゆふいんの森」 の乗客を撮ってやった。 終着駅の日田駅に到着です。 あっという間の2時間20分でしたね。 クルーのみなさんありがとう。次は絶対に「長崎コース」に乗りますよ。 日田駅も水戸岡氏のデザインで完成したようで、ここは他の駅の黒一色の基調とちょっとだけ雰囲気が変わりましたね。 内装は完成しましたが、外装と周囲まで完全な完成は11月になるとか。 2017年7月の悲惨は鉄橋流出事故で、当初は復旧に3年程度を見込んでいましたが、僅か1年足らずで復旧したので、「ななつ星」も元のコースに戻ることでしょうね。 新しくなった日田駅ですが、真っ黒にされなかったので雰囲気は以前の駅舎と一緒ですね。 もうちょっと日田の余韻に浸りたかったけど、ツアーなので、ここからはバスでハウステンボスまで直行いたしました。 Memo SONY α9 SONY FE 12-24mm F4 G SONY FE 24-240mm/F3.5-6.3 OSS