おはよう、ゴマちゃん。まだ薄暗い本堂の階段で、今朝もゴマちゃんがあほまろを待っていてくれましたよ。
近づいても逃げる様子はなく、相変わらずその場にじっとしゃがみ込んだままです。写真を見ると、両足をかばうような姿勢をとっているようにも見えます。足の腫れは以前に比べるとずいぶん小さくなってきましたが、まだ痛みや違和感が残っているのかもしれませんね。
ゴマちゃんと初めて出会ったときは、足環を着けた伝書鳩と一緒でした。その頃のゴマちゃんの足にも、壊れた足環の欠片のようなものが残っており、その周囲には髪の毛のような細いものが大量に絡みついていました。さらに、その絡まったものに大きな木の枝まで引っ掛かり、枝を引きずって、まともに歩くこともできない状態だったのです。
あまりにも可哀想だったので、嫌がるゴマちゃんを強引に捕まえ、絡みついたものや足環の欠片、引っ掛かっていた木の枝を慎重に取り除いてあげました。そして、傷んでいるところにスプレー式のマキロンを吹き付けて放してやると、まるで「ああ、助かった」とでも言うように、元気よく飛び去ってしまったのでした。
それから数週間後のことです。ゴマちゃんは、再びあの足環を着けた伝書鳩と一緒に姿を現しました。それ以来、この辺りを気に入ったのか浅草寺境内に居着くようになり、今では、あほまろの姿を見つけると、向こうから近寄って来てくれるようになったのですよ。
ところが最近は、一緒にいた足環の伝書鳩の姿を見かけなくなりました。もしかすると、あの鳩は本来の飼い主のもとへ無事に帰って行ったのかもしれませんね。
ゴマちゃんの足の腫れは、少しずつ小さくなってきました。それでも今朝の様子を見ると、まだ完全には治っていないようです。
言葉を話せないゴマちゃんですから、「まだ痛いよ」と訴えることもできません。ただ、あほまろを見つけると逃げずに近寄って来て、こうしてじっと側にいてくれることが、ゴマちゃんなりの意思表示なのかもしれませんね。
早く痛みが消えて、また元気に境内を歩き回れるようになってほしいものです。
ゴマちゃんが去った後、入れ替わるようにビクトリー君がやって来ました。
勢いよく手水場まで飛んで来たものの、まだ早朝で水は出ておりません。
どうやら喉が渇いていたようで、「あれ、水が無いぞ」とでも言いたげに、手水鉢の縁をしばらく歩き回っておりましたよ。
それでも諦めきれなかったのでしょう。
辺りを見回していると、少し離れたところの水溜まりにレインボーちゃんがいるのを見つけました。
ビクトリー君、迷うことなく水溜まりへひとっ飛び。
そこにはちゃんと水が残っていたので、レインボーちゃんと仲良く水を飲み始めました。
手水場の水が出ていなくても、境内には昨夜の雨が残してくれた天然の水飲み場があったのですね。
小鳩もやって来て、一緒に水を飲んだり、水の中を歩き回ったりしながら、しばらく一緒に遊んでおりましたよ。
水面に広がる小さな波紋を眺めていると、早朝の浅草寺境内に、ビクトリー君とレインボーちゃんだけの小さな水遊び場ができたようでした。
ビクトリー君、よかったですね。
続いて、おはようハート君。
喉を潤して満足したハトたちは、その後、いつもの手水場の棚の上にやって来ましたよ。
水を飲んでひと息ついたせいでしょうか。すっかり落ち着いた様子で、あほまろの目の前を行ったり来たりしながら、仲良く遊んでくれましたよ。
こうして間近で見ると、首もとの羽が緑や紫に輝いて、とても綺麗ですね。見る角度や光の当たり具合によって色合いが変わり、まるで小さな宝石をまとっているようですね。
見る角度や光の当たり具合によって色合いが変わり、まるで小さな宝石をまとっているようでした。
そして、ひと休みを終えたビクトリー君は、まだ参拝客の姿もない静かな境内へ飛び出していきました。
誰にも邪魔されない早朝の浅草寺は、まるでビクトリー君だけの大きな遊び場。屋根から屋根へ、木立から本堂前へと、広い境内を縦横無尽に飛び回っていたのでした。
人々で賑わい始める前のほんのわずかな時間、浅草寺の空は、ビクトリー君たちの貸し切りなのですよ。
それでは、また明日もお逢いしましょうね。