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あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成19年5月11日(金) 旧暦3月25日先負

- 温故知新 -

日記写真


『今朝の浅草』 
 台風並の低気圧の影響で浅草にも強風が吹き荒れています。突風と表現するのでしょうか、横断歩道を渡っている途中、それまで穏やかだった風がいきなり強く襲ってきました。モモちゃんが吹き飛ばされそうになったのです。それからのモモちゃん、怖がってあほまろの足もとにピッタリとくっついて歩いているのでした。

 風が強いと大気中の埃も吹き飛ばされてしまうのか、久しぶりに雪を頂いた富士山がくっきり見えています。我が家からかろうじて見える富士山ですが、写真でもお解りの通り、一昨年あたりから手前の何本ものクレーンが作業をしています。もしかしたら、ここにビルが出来て見えなくなってしまうのではと、いつも心配をしているのですが、いっこうに出来る気配がありません。こららのクレーンはいったい何の目的で設置されているのでしょう。
 先日、このビルがどこなのか歩いて確かめに行ったのですが、下から見上げてもどこのビルなのか皆目検討が付かないのです。左側奥が秋葉原の20階建ての新しいビルなので、それ以上高くなければ富士山の頂上部分だけは見え続けてくれることを願いたいです。
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 風が強いと、いつも見慣れた仲見世もよどんだ空気が吹き飛ばされてしまったのか、雷門から望遠で狙った本堂も、とってもすっきりしています。特に、仲見世の柱に塗られた朱色の鮮やかさが際だって写っていました。普段は、奥に行くほどどんどんぼやけてしまうのですよ。クッキリスッキリ、満足満足。
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 奈良県明日香村の高松塚古墳の石室が解体され、「飛鳥美人」と称される女子群像を描いた西壁が取り外される様子がテレビで流れていました。この絵は、1972年の発見時の色鮮やかな姿が研究者を驚かせ、考古学ブームを引き起こした高松塚を代表する極彩色壁画で、記念切手の図柄にもなったほどです。しかし、発掘後、現代の汚れた空気にさらされ続けたために劣化が進み、顔の上までカビが広がってしまったことで、文化庁は壁画の救出を急いでいるのでしょうが、完全な姿に戻すのは無理があるようです。

 同じ時代頃の壁画は中国にもたくさん存在します。最近も唐時代の手付かずの遺跡が発見されたことが報道されましたが、中国政府は、保存技術が確立されるまでは発掘しないと断言したことに、世界中の考古学者から反発を受けているそうです。あほまろは古銭の研究をしているので、考古学者という人種を良く知っています。彼等はもちろんただ古い物を扱う骨董屋とは全く違って、金銭的な価値には興味がありません。ただ、地味な研究活動を強いられる考古学の世界。自身の手掛けた発掘などから古代遺跡のナゾや古代人の生活の解明に迫り、新発見で名声を受けたい。そんな名誉欲だけで研究をしているって方も多いんですよ。

 今回の「飛鳥美人」だって、発掘当初に科学的な知識の無い考古学者が防御服(遺跡を痛めないようにする特殊な衣装)も着ないで入り込んで、素手で絵を触ったり、フラッシュ撮影をしたり。中には拓本まで採ってしまった輩もいるのです。
 発掘から4年後に、人の出入りによる環境変化を防ぐ保存施設が完成したのですが、時既に遅し、狭く、暗く、湿度約100%の石室内で、落ちそうなしっくいを石壁に接着する修復作業がその後10年以上も続き、その工事のおかげで石室内にカビが大発生。昨夏からはカビとダニが影響し合い増え続け、処置のための大勢の作業員の出入りで石室内の温度が上がり、更に繁殖が進むという悪循環だったようです。

 中国政府が決断したように、1300年以上も状態を保ってきた貴重な石室内部。その発掘は保存技術が確立されるであろう数十年後でもなんら支障をきたすことではないのです。ただ、現代のお偉い考古学者の方々は自分が生きている間に成し遂げたい。そんなエゴが1300年前の遺跡をダメにしているのではないでしょうか。

 昨夜、発掘作業のテレビ画像を見ながら、考古学者の宰領は、「温故知新」。古い事柄も新しい物事もよく知っていて初めて人の師となるにふさわしいたとえを再認識させられましたよ。


『今朝の雷門』
 強風が吹き荒れる雷門前。夜半からの吹いている風は路上のチリやホコリをすっかり拭い去ってしまったので、いつもはゴミだらけの路上とは思えないほどきれいでした。ところで、あのゴミたちはいったい何処まで吹き飛ばされてしまったのでしょう。消えて無くなることは無いので、風によって運ばれていった先では、迷惑しているのでしょうね。
 本当に、チリ一つ落ちていない雷門前でした。
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『今朝の宝蔵門』
 同じくチリ一つ落ちていない宝蔵門前。
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『今朝の浅草寺』
 本堂前は、渦巻きのように風が上下に回っているようです。下から吹きつける風、女性はスカートを抑えながら歩いてましたよ。
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 今朝も観光客は少ないようです。
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『今朝の一写』
 突風でモモちゃんまでが吹き飛ばされそうになってしまうので、小さなワンちゃんは本当に飛ばされてしまいます。こんな朝は、お母さんに抱っこしてもらうのが一番ですね。でも、この子は抱っこよりも肩が好きなのかな。我が家のタマちゃんも、あほまろの肩が好きなのです。家に帰ってソファーの下に座ると
(我が家の家族は、ソファーがあるのにその下の床に直接座るのが好きなんです)、必ずソファーの上から肩にスリスリしてくるのですよ。亡くなったハニーちゃんの真似してるんですよ。
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『今朝の境内』
 街路樹が折れてしまうほどの強風が吹いたのでしょうね。雷門前停留所です。
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 ご覧ください。放置自転車は軒並み倒されています。そう、以前ここに停めておいた高級自転車が倒されて高い部品が壊れたと、放置自転車を取り締まる区の係員に文句をいってた若者がいました。誰かが故意に倒したのか、それとも今朝のように風の仕業なのかは判りませんが、駐輪場でも無いところに停めておいて、文句は無いでしょうね。
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 伝法院のお庭です。強風で木の枝も折られて散らばっていました。
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 大きく揺れるいつもの場所。風の都合で五重塔が見え隠れしてた、五重の塔が見えるのに見えなくなってしまった場所。
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 お庭がきれいに整備された三地蔵広場。
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 公衆便所前にも石垣ができるのですね。
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『今朝のごあいさつ』
 いかに風が強いかをお見せしようと、強風で揺れる髪の毛を狙ってみましたが、ちょうと良い被写体を見付け構えると風が治まってしまうんですよ。この方達、ちょっと前まで髪の毛がもの凄い状態だったんですよ。
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 ほら、この方も凄い状態・・・。
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 こうして後ろで束ねたら大丈夫なのにね。
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 行く手を阻むように吹きつける風。今朝の風は本当に大変だったのですよ。
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 狙うと治まる強風って意地悪ですね。
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 風に逆らうように観光客もやってきました。この位置は宝蔵門の影響なのか、風は下から上に吹き抜けていくのです。
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 ガランゴロン。五重塔と本堂の屋根に吊された鐘も激しく唸ってました。
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 この鐘、近くで見るとかなり大きいのでしょうね。その証拠に音はとっても低いのです。
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 いつもの340メートルも、ホコリが飛ばされてなんとなくスッキリしてますね。
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 外人さんの団体、先頭の方が“ラインナップ、プリーズ”と叫んでましたよ。なんで、こんな場所で一列に並んで歩かなければいけないのでしょうね。強風で吹き飛ばされないようにとでも思っているのでしょうか・・・。
 そうか、アメリカではしょっちゅう「トルネード・ウォッチ」(竜巻注意報)や「トルネード・アラート」(竜巻警報)が出ますよね。あほまろもオクラホマの市内のど真ん中で、みんなと並んで近くのシェルターに逃げこんだこと、想い出すな・・・。でも、そこまで過激な風じゃないのですけど。
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『今朝の浅草神社』
 もういくつ寝ると三社祭でしょう。ここまで祭が近付くと、意外とみなさんの話題から三社祭の言葉が消えてしまうのですよ。

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 浅草神社の桟敷も完成したようですね。宮出しと宮入りの共通券が独り1万円とか。
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『今朝の自転車』
 正に風を切るように走っていく自転車です。
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 自転車だって風にハンドルを取られることもあるでしょうね。
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 あほまろは50才を境に、自動車も自転車も止めたのです。危険なのと、健康のために歩くことに重点をおいたためかな。
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 浅草に直接関係の無いお話も多いですが。ここは、あほまろの呟きですかね。
『今朝の余談』
 
 日中は観光客でごった返している伝法院通りも、朝はのんびりムードです。特に朝日が通りに真っ直ぐ射し込んでくる午前8時頃、逆光を走って来る自転車や歩く人達。ここの写真は日記にはあまり登場しませんが、あほまろは毎朝、ここにかなりの枚数を費やしているのですよ。
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 いつかまとめてみよう。そう思いながらただ撮っている写真、いつかいつかといっているうちに人生は終わるかもしれないのですけど。
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今朝の写真
CANON EOS-30D,Tamron Zoom AF18-250 3.5-6.3
撮影枚数125枚
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