あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成18年3月19日 (日) 旧暦2月20日先負

- 春雨じゃ濡れて参ろう -

日記


『今朝の浅草』
 窓から外の様子を伺うと、雨が止んでいるような・・・。今のうちに散歩を済ませてしまいましょうと時計を見るとまだ6時を少し回ったばかり。“何でこんなに早く出かけるの”、まだ寝ぼけているモモちゃんを強引に引っ張って外に出たのですが、雷門前で急に降り出してしまいました。傘持って行かなかったのです。とはいえ、今更戻るのも面倒くさいし、「春雨じゃ,濡れて参ろう」、捨て身の覚悟で歩いてきました。そういえば、新国劇の芝居で見る月形半平太。三条の宿を出るとき,「春雨じゃ,濡れて参ろう」の台詞が有名ですが、彼は春雨が風流だからぬれて行こうと言ったのではなく、戻って傘を捜すよりも、この程度の霧雨じゃしょせん傘をさしてもムダだから、傘なしで行こうと思ったのかは定かじゃありませんが、無風流なあほまろは単に面倒くさかったってことですよ。
 おかげで、スプリングコートはずぶ濡れ、でも、いつも愛用しているハゲ隠しの帽子のおかげで、頭だけでも濡れないのが助かります。それより、困ったのはカメラの防御、しっかりとコートの中に仕舞ってはいたのですが、いざ撮ろうとするとモモちゃんの身震いで、レンズにどっさり雨が着いてしまうし・・・。こんな日は、風流を装わず、面倒くさがらずに傘を取りに戻った方が無難でしたよね。
 昨日は、観音様のご本尊の示現を祝う「示現会」の一貫として「堂上げ」が行われました。これは、浅草神社(三社様)に祀られている三基の御神輿を、一晩だけ浅草寺の本堂内に安置するための行事です。明治政府によって廃仏毀釈が行われる前まで続いていたこの儀式を復活させて7年目となるのです。
 昨夜は、午後6時から浅草神社神官によって祭儀が執り行われ、本社神輿三基を氏子衆により松明で照らされた浅草寺本堂外陣まで運ばれ、三之宮から順番に浅草寺本堂内に持ち上げられました。重さが1トンもある御神輿を担いで階段を上る姿を今年は本堂内部から撮影したのですが、結果は昨年までのように下から仰ぎ見た方が迫力あったようです。
 昨夜の様子は下の「昨日の行事」項目で詳細を記します。

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『今朝の雷門』
 小雨の雷門でしたが、この直後に強い雨が降ってきたのです。おかげで、コートも帽子もモモちゃんまでもビッチャビチャ。
   
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『今朝の一写』
 浅草寺本堂内で一晩を過ごした三基の御神輿。こうして見ると浅草寺の本堂ってとっても広いんですね。昭和50年ころまで、この本堂内部にも雷門と同じサイズの大提灯が三個ぶら下がっていたのです。なぜ無くなってしまったのかは知れませんが、おかげで天井に描かれて壁画はよく見えるようになりました。
 真ん中の絵は、「龍之図」川端龍子画。その両側の天女は奥が「天人之図」、手前が「散華之図」堂本印象画です。この絵は、縦三間半(6.4m)x横五間(9.4m)と巨大な絵ですが、天井まで五間(9.4m)も有るとそれほど大きく感じないですね。でも、下の御神輿と比較するとでかいんだな・・・。
 こんな凄い写真を撮れるのは、年に一度だけなのです。それも、早朝なのでまだ人が居ない雰囲気でね。
  
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『今朝の境内』
 昨夜はこの参道中央に蝋燭が灯り本社神輿の一夜奉安を慶祝する「慈灯の道」(じとうのみち)ができました。
   

 弁天山のサトザクラも、どんどん散っています。
   
 浅草神社境内での「定点観測」ソメイヨシノ。確実に開いてきていますね。東京の開花予想は22日、あと3日でここも開いてくれる勢いですよ。
   
 ほらこの通りです。
   
 こちらは六角堂の前のシダレザクラ。開きかけた花びらも見えていますね。
   
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『昨日の行事』
 昨夜は、観音様の御示現を記念する行事として、古式に則り浅草神社の本社神輿を浅草寺本堂外陣にお上げし一夜奉安する「堂上げ」が行われました。今年はちょうど観音縁日の開催になりました。そんなこというと、“観音様のお誕生日が、なぜ別の日に?”とお思いになるでしょう。その理由は、3月18日に近い土曜日・日曜日にかけて執り行われることになっているからなのです。それが今年は、ちょうど18日が土曜日になったってことです。これも、三社祭と同様、御神輿の担ぎ手の都合や、観光行事として観光客にも観てもらいたいとの理由なのでしょうね。
 一時は強く降っていた雨が懸念されていましたが、観音様のお導きで示現会の開始直前に上がってくれました。

 浅草神社を出た台車に乗せられた御神輿は、松明を先頭にゆっくりと浅草寺本堂に向かいます。三社祭の時をは違い、総ての飾りを付けたままの姿はとっても豪華ですね。
   
 浅草寺本堂前に三基の御神輿が並びます。
   
 最初は三之宮から「堂上げ」されます。手前に見えるロープは、御神輿が落ちないように支えているのですが、ロープの先端を持って引っ張っているのは新門の鳶頭一人だけ。もし落ちそうになっても大丈夫なのでしょうかね・・・。
   
 次は二之宮。先ほどのロープが写り込んでしまうので、本堂内部から撮りましたが、この後、御神輿に挟まれそうになってしまいました。お祭り同様、近づき過ぎは危険危険。
   
 最後に「堂上げ」された一之宮。元気な担ぎ手によって、セイヤセイヤのかけ声が本堂内部に響いていました。そしてお決まりの「差しだし」ですが、ちょっと不揃いだったかな。
   
 たった一晩だけですが、本堂の中では観音様とそれを見付けた、一之宮(土師中知)・二之宮(檜前浜成)・三之宮(檜前竹成)の御三人。古の浅草を懐かしむ会話も有ったことでしょう。それを引き離すかのように、今日はこれから「堂下げ」が行われます。上げられた時の順番に下げられる御神輿の姿も、とっても綺麗で、見る者を楽しませてくれるのです。「堂下げ」を終えた御神輿は、午後4時の蔵入りまで浅草寺本堂前の宝蔵門でみなさまに披露されるのです。
 「堂下げ」も、雨が降らなければよいですね。


今朝の写真
CANON EOS-KissDN,CANON ZOOM 10-22 F3.5-4.5他
撮影枚数91枚