あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成18年2月28日 (火) 旧暦2月1日友引

- 大正浪漫 -

日記


『今朝の浅草』
 ちょっと冷え込んでます。カメラを構える手の感触から寒さが伝わってきます。今日で二月も終わるというのに、このところの冷え込みはまるで冬に逆戻りをしたかのようです。寒さの指針は、指先だけじゃ無く、モモちゃんの歩く速度にも表れるのです。寒い日は、あほまろを引っ張って早足で散歩を終わらせようとする態度が・・・。
 弁天山に、添田唖蝉坊の碑・添田知道筆塚(そえだあぜんぼう・そえだともみちふでづか)が建ってます。 添田唖蝉坊は、大正から昭和にかけて、らっぱ節、しののめ節などの歌によって社会を痛烈に批判吟遊した演歌師なのです。昭和31年に「浅草の会・東京作家クラブ」によって建立された歌碑です。
 「つきいだす鐘は上野か浅草か、往き来し絶えて月にふけゆく吾妻橋、誰を待つやら恨むやら、身をば欄干に投げ島田、チョイトネ」
 彼の歌の中で、「ああ金の世や」という歌、大正時代の世相を皮肉った歌ですが、今、聞いてもそっくりあてはまるようにも聞こえてくるのが不思議です。

 その決定機的な事実が今回のオリンピックの「メダル10個」の期待じゃないのでしょうか。ゼロのまま後半に入って日本勢の焦りがピークになったころ、スポンサー企業やメダルを獲得したらCMで売り上げが伸ばせるとの皮算用をしていた所属企業の思惑が外れ、ガッカリしている様子がテレビで流れていました。また、選手のウエアやシューズを提供しているアシックスの関係者も“メダルを取る取らないは、ビジネス上、影響が大きい”、そんな発言もありましたね。オリンピックがビジネスチャンスの会社にとっては、選手の活躍よりもメダルだけが目的なのでしょう。
 お隣の韓国では、金6個、銀3個、銅2個、合計11個のメダルを獲得し、世界で7番目。ちなみに日本は18番目。昨日の安倍官房長官の記者会見で、“最後の段階で荒川選手が金メダルを獲得した。重みはふつうのメダルの10個分ぐらいあったのではないか”なんて気休め的な発言が顰蹙をかっていました。1個は誰が勘定しても1個だけですよ。メダルが欲しければ、“選手の報奨金を多くすれば良い”、開会前に韓国のスポーツ大臣が言ってました。その結果はちゃんとメダルの数に現れているのです。
 日本だって、選手1人に2〜3名と言われている余計な役員なんかを同行させないで、「メダルを獲得した選手には、一生暮らせるだけの報奨金を出す」方が、選手の真剣さも変わるのではないのかな・・・。参加することに意義が無くなってしまった最近のコマーシャルベースのオリンピック、添田唖蝉坊も草場の影で、あらノンキだね・・・。
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『今朝の雷門』
 寒いので、モモちゃんだけじゃ無く、みなさん早足になっています。こんな日は、観光客の姿は一人も見かけませんでした。
   

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『今朝の一写』
 五重塔前に、白梅と紅梅の混じった不思議な梅の木があります。これって、接ぎ木で創ったものでしょうか。最初は気付かなかったのですけど、どんどん蕾が開いて来ると色がはっきりしてきたのです。満開になったら更に奇妙に見えるのかもね。

  
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『今朝の境内』
 静かな境内です。
   
 いつも気になっている公衆電話の後ろの藤棚の下の地中に埋められた坪。今までこれが活躍しているのを見たことがありません。鉢の変わりに使おうとしたのでしょうかね。
   
 可愛い花を見せてきた、淡島堂の白梅です。
   
 母子地蔵の後ろの白梅は8分咲きです。境内でここが一番奇麗ですよ。
   
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 浅草に直接関係の無いお話も多いですが。ここは、あほまろの呟きですかね。
『今朝の余談』
 冒頭にも書いた添田唖蝉坊の碑(弁天山)です。彼が 関東大震災のころ、「流浪の旅」の替歌として作った 作った歌に、「シラミの旅」という歌があります。この歌に感化されたのか、 1960年代後期に高田渡もアメリカ民謡「ワーバシッュ・キャノンボール」のメロディにのせて「シラミの旅」という歌がありました。どっちも、シラミは 公衆衛生上害虫といえど可愛いもんじゃないのかと皮肉っているのですよ。
 最近、小学校でシラミが繁殖しているそうです。しかし、シラミに要注意と学校でいわれた父母は、薬屋でシラミ退治の「スミスリン」というのを求めることになるのです。これを、シラミがいそうな子どもの頭にブッかけて、しばらくおいて、そのあと洗い流すとシラミが駆除されるパウダーやシャンプー状の薬品ですが、我が子にシラミがわいたなんてのが知られると恥じ、地味で人目につかぬ小さな薬屋などで、そっと買っていく人が多いそうです。唖蝉坊の碑を見ながら、とある薬局の人が言ってたのを思い出しましたよ。

   
 先日、浅草ジンタのライブで、大正演歌をご披露してくれた「名曲堂」。彼等の歌が添田唖蝉坊作品でした。彼等が歌う添田唖蝉坊作品、もっと大勢の人に聞かせてあげたい気持ちですよ。特にあほまろが好きな歌は、 関東大震災で、長年住んだ浅草の「いろは長屋」を焼け出され青森へ避難し、東北をさすらいながら歌った「地震小唄 」
 俺は東京の焼け出され 同じお前も 焼け出され  どうせ二人は家もない
 何も持たない 焼け出され  焼け出されてもねえお前
 生きたい心に何変ろ  俺もお前もさすらひの 旅で苦労して
 生きようよ  武蔵野の原照らしてる
 昔ながらのお月さん  わたしゃこれからさすらひの
 旅で苦労して 暮らすのよ・・・。

   
 同じエンカでも、こちらは我が三遊亭圓歌師匠、昨夜は久しぶりに東新宿の韓国料理屋さんで宴会です。師匠の後ろに背後霊のように見えている女性は、韓国で有名な歌手だそうです。名前は確か、ジョウエンとか言ってたっけ・・・。
 さてこれから演歌を上演てな訳にはいきませんでしたけどね(笑)。

   


今朝の写真
CANON EOS-KissDN,CANON ZOOM 10-22 F3.5-4.5他
撮影枚数43枚