あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成18年1月31日 (火) 旧暦1月3日先負

- 暖かい朝は今日まで -

日記


『今朝の浅草』
 あ〜、早いもので、とうとう1月も終わってしまうのですね・・・。
 暖かい朝が続きましたが、それも今朝でお終いのようですね。今日、午後から雨の予報で、今夜から明日にかけてまたまた気温が下がってくるそうです。いくら寒いのに慣れたとはいえ、毎朝出かける前のけだるさ。口癖のように“あ〜嫌だな・・・”、なんて、モモちゃんと顔を見合わせながら家を出るのです。

 日本で映画上映の原点だった浅草。かつて日本最大の繁華街として映画館が軒を連ねた浅草から最後の封切館、六区ブロードウェイの老舗映画館「浅草東宝」が、今日で消えてしまいます。これで、浅草の映画上映の歴史も幕を閉じたってわけです。とはいえ、浅草中映劇場など名画座が3館4スクリーンは残っているのです。過去の名作とロマンポルノなどを三本立てで上映する、いわゆる何処にでもある場末の映画館的存在。
 今日の最終上映は、東宝の名作といわれた「東京オリンピック」(市川崑監督、昭和40年)と「日本沈没」(森谷司郎監督、48年公開)の2本立て。特別入場料500円で見納めとなるのです。
 朝刊によると、「江戸火消しのはしご乗り」が東京都の無形民俗文化財に指定されることになったそうです。お馴染みの「はしご乗り」、江戸時代中期に、町火消しが火災の場所を見定めるためにはしごに乗ったのが始まりとされています。また、火消しの身のこなしの訓練として行われてきたのです。
 ここ浅草では、正月の出初め式を始めとして様々な行事で「はしご乗り」が披露されます。特に有名なのが、毎年5月25日に開催される「消防慰霊祭・弥生祭」。社団法人・江戸消防記念会に所属する東京中の纏が浅草寺裏広場に集合するのです。慰霊祭の最後には、各組いっせいに「はしご乗り」の妙技を披露します。これは口では言い表せないほどの圧巻ですよ。
 東京都では、
「江戸・東京に根付いた文化として重要」と、今回の無形文化財候補に取り上げたのです。これからも江戸消防記念会によって、木遣り唄と共に、保存活動が続けられていくのでしょう。
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『今朝の雷門』

 いつもと同じく誰も居ない静かな雷門の光景です。雷門のお隣に有る交番、ここでのお仕事で一番多いのがどこでもお馴染みの「道案内」です。それも、毎日のようにこの交番で“雷門は何処でしょうか?”、真面目に聞きに来る観光客がいるそうです。確かに、反対側(地下鉄浅草駅)から真っ直ぐ歩いてくると、ちょっと引っ込んだ場所に建つ雷門は見えにくいのでしょう。そんな人にもちゃんと教えてあげるのです。“はい、お隣です”、なんてね。
 さて、次に多いのはいったいどんなことでしょう。観光地の交番ならではのお願いは、「写真を撮ってください」なのです。日中の混雑する時にはそんなお願いは無いのですが、早朝や深夜などはご覧の通り誰も歩いていないのです。そんな時に庶民の味方、お巡りさんの本領を発揮するってわけ。でも、言ってました。最近は携帯電話で撮ってくれって方が多く、“それを保存してもう一枚お願いします”、そんなこと言われたって・・・、機種によって扱い方が違うので苦労しますよ”。年輩のお巡りさんが嘆いてました。これからは、雷門交番に勤務する警察官は、写真の撮り方の講習も必要になるのでしょうかね。
   

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『今朝の一写』
 寒さを増幅するような写真を一枚。冷たそうな影向堂のお庭の池です。この池に錦鯉が泳いでいるので、観光客がお菓子などを投げ入れるのです。そのお零れを頂こうと、かつては鳩がいっぱいたむろしていましたが、ご存じの通り浅草寺境内から追い出されてから、その数はめっきり減ってしまいました。
 池の畔に一羽の鳩がじーっと動かずに停まっています。エサを求めているわくじゃなく、ただただ池の中を覗いているだけ。いったい何を考えているのでしょう。暫く様子を伺っていたのですが、全く動く気配なし。あほまろ、根負けでした。
  
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『今朝の境内』
 今日で1月が終わります。お正月飾りもどんどん取り外され、今日で見納めとなりました。明日から暫くは何の飾りも無い仲見世になりますが、昨年は2月18日から総てのお店の軒先に桜の花飾りが取り付けられ、浅草は一気に春に向かうのです。
   
 節分会の奉納提灯が並ぶ境内ですが、さすがに朝は静かですね。
   
 豆撒きの舞台に、床材が運び込まれていました。こらから舞台の床を張るのでしょう。
   
   
 鎮護堂の内部です。せっかく雰囲気のある飾りに、この蛍光灯はつや消しですね。せめて裸電球にして欲しかったよ。この天井にはあほまろの千社札も貼られているのですよ。もちろん、パソコンで作ったものじゃ無く、本物の木版納札です。昭和40年代の始めに、とある芸人さんたちと一緒に納めさせて頂いたのです。
何処に貼っているかはナイショ。だって、悪戯されて剥がされたら困るからね。
   
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 浅草に直接関係の無いお話。ここは、あほまろの呟きですかね。
『今朝の余談』
 一九七六年に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始して以来、多くの人々に愛されてきた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。漫画の舞台となるここ浅草は、主人公両津勘吉を育み、また多くの感動を生み出してきました。この碑は、両津勘吉の少年時代の友情を描いた「浅草物語」にちなみ。人を思いやる気持ちの大切さ、そして子供たちが夢や遊び心を忘れず、健全に成長してくれるように願いを込めて、昨年八月六日に建てられたのです。
 この碑の建立時に、読者のメッセージを入れたタイムカプセルを埋めるイベントも行われました。10年後にこれを掘り起こすのだそうですが、僅か10年じゃ大仰なタイムカプセルなんて使わなくても、段ボールに入れて神社の倉庫に保管してもらっても同じじゃないのかな。なんて下世話な考えを持ってしまうあほまろです。
 最近は卒業式や結婚式、また会社の上場記念など、その使用例が多くなってきたタイムカプセル。この専用容器専門に造っている会社もあるようです。素材は、原子力発電所などに使われている特殊な金属で、蓋を閉めた後はこれも特殊なガスを封入して中の品物の劣化を防止する本格派なのです。それまでして僅か10年で開けてしまうなんて、ちょっともったいないですね。
 そうせやるなら、100年後、200年後、そこまで残せるようなものも考えて欲しいですけど、せっかく保存性は100年、200年あったとしても、建築や盗掘などによって早めに開けられてしまうってこともあるかも。
 去年も、近所の建築現場の地中から頑丈に梱包されたお茶箱が出てきました。中には腐った書類がいっぱい入っていましたが、全く形を成していないのです。その箱の蓋の裏には、先祖代々保存しなければいけない家系図、そんな文字が薄く見えていました。しかし、今となっては持ち主は当然不明。明治時代からのお茶箱タイムカプセル、きっと捨てられてしまったのでしょうね。
   


今朝の写真
CANON EOS-KissDN,CANON ZOOM 10-22 F3.5-4.5他
撮影枚数59枚