あほまろとモモちゃんの今朝の浅草日記

平成18年1月11日 (水) 旧暦12月12日大安

- 十日戎 -

日記


『今朝の大阪』
 鏡開きの今朝は大阪で書き換えになってしまいました。あほまろの新年恒例行事、大阪今宮神社の十日えびすに来ているのです。十日戎というのは東京の人には馴染みが薄く、西日本の行事です。大阪を始め兵庫県や京都府、広島県など1000社を超える戎神社が存在しているのです。その中で、最も賑やかなのは大阪の今宮神社ってわけ。9日の宵戎、10日の本戎、11日の残り戎と3日間で訪れる人は100万人を超える賑わいです。
 縁起物で飾り付けた熊手を売るお店が並ぶ光景は、関東のお酉さまと同様ですが、ここの大きな特徴は、笹の枝に福娘から様々な縁起物を付けて貰うのが慣わし。境内に流れる「商売繁盛、笹持って来い」のかけ声は、大阪の庶民にとって新春を飾る、最もなじみの深い祭礼でもあるのです。
 昨夜は、より多くの御利益を頂戴しようと、大阪市内から厳選して撰ばれた福娘たちの表情を撮影してまいりました。福娘たちに関しては、「昨夜の行事」項目でご覧ください。
 さて、モモちゃんの居ない朝です。あほまろが滞在するホテルは道頓堀のすぐ側、阪神タイガース優勝時に飛び込む有名な戎橋の有る、南の繁華街のど真ん中。朝っぱらから酔っぱらってホステスと一緒に騒いでいるサラリーマンや、お勤め帰りのお姉さんたちのご帰還、飽食のおこぼれを頂こうとゴミ袋を漁る浅草でもお馴染みの世捨人。目的も無くただボ〜っと座り込んでいる若者を余所に、お店に商材を運んで来た何台もの大型トラックが
道頓堀を埋め尽くしています。
 今頃、モモちゃんは散歩しているのかな・・・。そんなこと考えながら、助手の古麻呂を連れて、ホステスといちゃつく酔っぱらいのお隣で、お馴染み金竜ラーメンの朝食です。普段は朝っぱらからラーメンなんて食うことなんて絶対に無いのですが、大阪に来るとこれも恒例行事のひとつになってしまったってわけ。
 キムチとニンニクを目いっぱい入れた金竜ラーメン、後味はさっぱり。ここで最初に食べたのはおよそ30年前、当時は御堂筋に小さなお店が一軒だけだったのですが、現在は道頓堀を中心としたあちこちで営業をするようになりました。あほまろにとっては戎詣と一体化してしまった大阪の味なのです。
 金竜ラーメンを出てもう少し先まで足を伸ばすと、屋台風なお寿司屋さんを見つけました。立ち食いカウンターの前にはちゃんとしたネタケースが置かれている本格派。中を覗くと回転すしにもなっているようですが、中に入るのが面倒くさい人は、ちょっと一握り外でも食べられるって訳ですね。かなり合理的。こんなのも大阪風なのでしょう。でも、寿司屋の名前は「銀座すし」でしたよ。
 同じ日本で有りながら、関東とまったく違った文化を持つ関西人の商売にかける意気込みは昔と何ら変わることが無いのでしょう。それに比べ、なんとなく勤労意欲が失われてしまった東京の繁華街を思うと寂しい気持ちになるのでした。
 写真はもちろんモモちゃんではありません。昨夜、戎さんの屋台で8000円で売られていた犬の置物。こんなのでもモモちゃんを思い出してしまう今朝のあほまろでした。
------○------
『今朝の一写』
 道頓堀の路地から見える巨大な建物の壁一面に書かれたメーカーの名前。そうお馴染みビッグカメラです。この建物はかつての千日前デパートの後に造られた建物です。大阪では、この場所を大阪七不思議のひとつとする逸話が存在します。
 ビッグカメラの前は、大阪プランタンという専門店が入ったデパートだったのですが、採算が合わずに撤退。それ以前も様々な企業が失敗を繰り返していた場所でもあるのです。そんな訳で、誰が言うとも無く語り継がれているのが、「あそこは昔、墓場だったのではなく実は処刑場で、そこで処刑された人数と千日前デパート火災で亡くなられた人数が同じなのだ」
 1972年5月13日22時27分頃、3階婦人服売り場より出火。延焼は5階までだったが、建材の燃焼による有毒ガスが階上に充満し、避難設備の不備と従業員の不手際が重なって、死者118名・重軽傷者78名の大惨事となった。
 はてさて、新しく入居したビッグカメラに呪いが無いと良いのですが、あほまろはあまり近づきたく無い場所ですかね。
   
------○------
『昨日の行事』
 今宮神社の十日えびすの福娘です。あほまろは彼女たちを30年近く撮り続けています。毎年境内に並ぶのは競争率88倍の難関を勝ち抜いた40人。その横顔は年々変化し続けているのです。20年ほど前までは、いわゆる美人顔の娘さんが多く、最近ではかわいらしい娘さんへと変化しているのです。
 大阪で福娘に撰ばれることによって、良縁にも就職にも効くという最高の肩書きを得る福娘、参拝者は好みの福娘を目指して笹を持って少しでも多くの福を得るのがこのおまつりの特徴でもあるのです。
   
 境内を埋め尽くす大勢の参拝客。この右側に福娘が並んで御利益を授けているのです。
   
 本殿正面に設置された賽銭箱の中には、お札がいっぱい詰まっています。こんな光景は、初詣の浅草寺でも見られなかったですよ。今年の関西は景気が良いのでしょうね。
   
 今年、あほまろがお気に入りの福娘お二人です。あくまでも個人的ですが、写真を撮ったことによって福が舞い降りて来たかのような気分で帰ってましりました。
   
   
 さて、明日は再びモモちゃんと浅草からお伝えいたします。


今朝の写真
Panasonic DMC-LX1
撮影枚数33枚
昨夜の写真
CANON EOS-1 DsMK2,CANON ZOOM 17-35 F2.8他
撮影枚数419枚