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　また雨の朝です。その上、７時だっていうのにとっても暗い朝なのです。連日
降りそそぐ雨のおかげで桜の花もすっかり無くなってしまいました。これからの
数日は落ちた花びらで道路は一瞬汚くなってしまうんですけど、それが合図とな
って、一斉に新緑の季節がやってくるのです。そして、モモちゃんの毛の生え変
わりが始まるのです。
　新緑の季節といえば三社祭。そう、始まったんですよ、準備がね。三社祭の準
備の最初はまず神社境内を覆っている石垣の補強です。それが終わると奉納提灯
を懸架枠、次は境内に桟敷席の組み立て、鳥居前に穴を掘って幟を立てる台の設
置、そしていよいよ仲見世に三社祭の行灯が設置され、一気に気分を三社祭へと
誘うのです。そうなったらもう留められません。住んでいない方には理解できな
いとは思いますが、何かにつけて話題は三社祭一色になってしまうんです。
　三社祭まであと一月ちょっと。石垣を囲った鉄パイプを見ていると、あほまろ
の心の中もすでにお祭りのようですよ。
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　観音裏に住んでいた師匠にはとってもお世話になりました。同じ北海道出身と
いうこともあって、田舎から出てきたばっかりのあほまろをとっても可愛がって
くれました。毎晩のように飲みに連れていってくれました。遅くなると、泊めて
もらいました。狭い部屋にみんなで並んで寝たのです。翌朝学校があるのでどん
なに早く起きても、師匠の奥さんは必ずシジミのみそ汁を飲ませてくれました。
これを飲んでいけば二日酔いにならないからね。帰る時にはまだ寝ている師匠に
さようならといってもいつも夢の中でした。まだ薄暗い外に出ると、観音裏で出
会う人たちは、豆腐売りとシジミ売りの人たちだけだったっけ・・・。
　あほまろが深見千三郎師匠にお世話になったのは、昭和４２〜４３年ころでし
た。その後、昭和４８年頃に師匠は後の大スター北野武さんを同じように面倒を
見ていたのです。
　「俺のいる腐れアパートの第二松倉荘だ。二階がひと部屋空いているから、俺
が社長にそういって借りてやるよ・・・」（浅草キッド）
　そう、あの思い出の第２松倉荘がとうとう無くなってしまいます。それも、こ
の一両日中に取り壊されて新しいマンションになってしまうのです。師匠はこの
モルタル造りの四階に住んでいました。他にも浅草で活躍していた大勢の芸人さ
んや、フランス座の踊り子さんたちもまるで共同生活をしているかのようなアパ
ートだったのです。ある朝、目覚めると隣に東八郎さんが寝ていたこと、そんな
ことしょっちゅうだったっけ。
　雨の中、久しぶりに第２松倉荘を見に行ってきました。すでに周りの建物は壊
されており、作業員が第２松倉荘を取り壊す足場の設置準備をしています。昭和
５８年２月２日、師匠のタバコの火の不始末で亡くなってしまったあの部屋、そ
の後もそのままで今まで使われていたんです。
　あの時、「古き良き浅草を知る人がまた消えてしまった・・・」みんな寂しそ
うでした。深見千三郎師匠が浅草軽演劇の育ての親であったってことは、一般に
はあまり知られておりません。ましてやこのおんぼろアパートを懐かしむ者なん
て全くといっても良いほど居ないでしょう。今日来てみて良かった・・・。
　時を同じくして、浅草六区通りの街路灯に師匠の写真が飾られました。浅草に
とって偉大な存在であったってことを認めてくれる人達のおかげで、ようやく世
間に師匠の存在を知らしめることができたんですよね。おめでとう師匠！
　師匠の情報は、このページの「浅草」項目から「浅草六区通り」に入ってます
よ。
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　浅草でユビキタス観光実験なんてのが行われました。浅草周辺に設置したＩＣ
タグに近づけたり、赤外線マーカーのある場所に接近すると、ネット上から端末
に情報が得られるという優れものだそうです。
　「　たとえば雷門などの史跡の前では、歴史や祭事の情報が、店の前では商品
情報や店舗紹介が、画像と四カ国語の文字情報、音声で出る。また、現在地を示
す地図も見られる」
　端末は浅草のホテルや旅館で貸し出すのだそうですが、端末が無くてもカメラ
付き携帯電話で指定のバーコードを読み込めば、簡単な観光情報なら得られるの
だそうです。
　昨日は、浅草寺境内でオープニングセレモニーが行われました。文字情報だけ
でなく、音声データや画像データがガイドブックとは違うところなのだそうです
よ。
　でも、情報の内容はガイドブックとなんら変わるところは無いのでしょうね。
どうせやるのなら、もっともっとローカルで浅草らしい話題だっていっぱい有る
んですから。たとえば、今日の第２松倉荘だって・・・。