平成16年(2004)4月28日 水曜日
- 畳と女房・・・ -

 初夏の嵐が通り過ぎた東京はとっても良いお天気です。すでに朝から気温も上
がっていますよ。この調子じゃ今日はかなり暑くなるのでしょうね。明日から世
の中はゴールデンウィークです。
 今年の連休中はづーっとこんなお天気が続くようですよ。お出かけの方には朗
報ですね。でも、あほまろは何処にも出かけずに秘密基地でのんびり絵はがきの
整理でもしているつもりです。
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 連休一日前だというのに、浅草寺境内には連休を利用した観光客がいっぱいで
す。毎日観光客の姿を観測しているあほまろには、なんとなくそれと解るのです
。雷門前で記念写真を撮っている親子、山口県宇部から連休を利用して東京観光
です。昨日から5日間の予定で話題のスポットを訪ねるようです。写真を撮って
あげたのはもちろん、ちょっとお話をお聞きしてみました。
 “浅草は70才になって始めて訪れたのですよ”、嫁に行った娘さんからのち
ょっと早い母の日のプレゼントだそうです。
 テレビや写真でしか見たことのなかった浅草寺の雷門。“娘のおかげでようや
く念願が叶い満足、いつ死んでも悔いがないですよ・・・”、そんなこといって
いますが、まだまだお元気なお母さんとお嫁に行った娘さん、“息子も大学生に
なって親元を離れてしまい、これからはお母さんと一緒に全国を旅してみたいと
思っているのですよ、次はお伊勢さんかな・・・”。
 ちなみに今回訪れようとしている話題のスポットを訪ねてみると、お台場・六
本木ヒルズ・丸ビル等は誰もが求めるところですが、靖国神社・明治神宮そして
皇居。そうなると若者の話題のスポットとはちょっと趣が変わっているのは年齢
のせいでしょうかね。
 まだ開いていない仲見世を本堂まで御一緒させていただきました。人見知りす
るモモちゃんも仲の良い親子に上機嫌で尻尾を振りながら着いてきましたよ。二
人とも念願が叶って一生に一度は訪れたいと思っていた浅草に来られた満足感で
いっぱいでしたが、何処も開いていない仲見世の商店にちょっと不満も・・・。
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 仲の良い親子と別れて、いつものように浅草神社境内に入っていくと、子供の
頃に嗅いだことがある懐かしい臭い。本殿の中で畳の張り替えが行われているの
です。懐かしい臭いはイ草だったのですね。
 昔は畳を張り替えるのに、1日に6枚できたら一人前と言われていましたが、
今では機械を使って作るので、楽に数多く生産できるようですが、このような神
聖な場所の畳は未だに総てが手作業のようです。肘を見るとその職業が解る特徴
がはっきりの職人さんが黙々と働いています。途中、疲れたのか作業の手を休め
バカでかいペットボトルの水をラッパ飲みしたかと思えば、その水を霧吹きのよ
うにプーっと畳の上に吹き付けるのです。お見事!、名人芸!褒め言葉を出して
しまいそうなお仕事でした。
 帰ってから、畳の歴史を調べてみると、現存する畳の最も古いものは奈良時代
のもので、奈良東大寺の正倉院にある聖武天皇が使用した「御床畳」(ゴショウ
ノタタミ)というものだそうです。木製の台の上に置かれ寝台として使われたも
ので、これは現在の畳と同じように真薦(マコモ)を編んだ筵(ムシロ)のよう
なものを5〜6枚重ねて床として、表にイ草の菰(コモ)をかぶせて錦の縁をつ
けたものです。この台を2つ並べてベッドのようにしたのが始まりだとか。
 畳が一般庶民のものとなったのは江戸中期以降で、農村においてはさらに遅く
明治時代になってからだそうです。江戸の長屋では、畳は借りる店子が持って来
るのが一般的で、大家が用意してくれるものではなかったようです。それだけに
畳の手入れをして長持ちさせる知恵を身につけていったのです。
 畳干しをこまめにして、傷むのを防ぎ、表がやけたら裏返しをして使うという
習慣はつい最近まで見かけた光景ですが、過密化した最近の都市では畳を干す場
所もなく、住まいの洋風化により廃れてしまったのが残念です。
 あほまろの家には、一間だけ畳の部屋があります。でも、畳を上げてみると、
表面だけイ草が貼られ、中身は稲わらの問にポリスチレンフォーム・インシュレ
ーションボードとうい物を挟み込んだものなのです。表面だけでも畳の感触を楽
しめるだけで満足ですが、この新技術で作られた畳は、稲わら畳床の特色を持ち
ながら軽量で、保温性に優れ、ダニが寄生しにくいのが特徴だそうですよ。
 せっかくの畳も我が家の犬たちの引っ掻き傷でボロボロなのです。そろそろ張
り替えなければ・・・、と思ってもこの畳は張り替えなんて出来るのでしょうか
ね。
 “畳と女房は新しい方が・・・”なんて言葉も有りますが、“女房は古い方が
・・・”、毎日この日記をチェックしているようなので・・・。

今朝の写真
SONY-F828
撮影枚数29枚