平成16年(2004)3月1日 月曜日
- 桜餅 -

 いよいよ3月、春本番となりました。「春に三日の晴れ間なし」昔からこんな
こといわれてますが、やはり3月は雨から始まりましたね。
 今朝の浅草寺境内には訪れる人もいなく寂しい雨にうたれていました。今月中
旬から始まる「桜まつり」のための「桜茶屋」。骨組みだけは完成したのですが
こんな雨なので工事はストップしているようです。これからここには造花ですが
たくさんの桜の木が植えられて春の賑わいを見せるのです。
 浅草神社では、今日から始まった「春の火災予防運動」の一環として、狛犬に
もたすきが掛けられました。また、オレンジ通りや新仲見世通りも「春の火災予
防運動」の赤い旗が並んでいます。この運動は、空気が乾燥し火災が起こりやす
く、また、強い季節風などにより大火になりやすい時季を迎えるにあたり、区民
一人ひとりの防火意識の高揚を図って、火災の発生を防止し、悲惨な焼死事故や
貴重な財産の損失を防ぎ、火災のない明るいまちづくりの推進を目的とします。
「その油断 火から炎へ 災いへ」みなさんも、防火意識の高揚を図ってくださ
いね。
 昨日の日曜日はどんよりと曇ってはいましたが雨の気配もなく、女房と娘を連
れて上野から湯島天神まで散歩をしてきました。上野公園入口の八重桜はすでに
満開を見せ、いつもになく大勢の人々で混み合っていました。きっと気の早い連
中は花見で盛り上がっているのでしょうね。我々は混雑する上野公園の中には入
らず、上野の「風月庵」で一休み。この時期は、季節のお菓子として有名な「桜
餅」なんてのを頂いたのでした。特にこれといっておいしいお菓子とは思えませ
んが、なんとなく「桜餅」を食べなければいけないような雰囲気でもなかったの
ですが、ネットで春の話題をしている掲示板で、桜餅にも関東風と関西風がある
なんてのを思い出したのでした。
  関東で有名なのが長命寺の「桜餅」。関西では道明寺の「桜餅」。両者の違い
は、あんを包む餅にあるのだそうです。練った小麦粉を銅板でクレープ風に薄く
焼く長命寺系に比べ、道明寺系はもち米を乾燥させて砕いた道明寺粉を蒸して作
るのだそうです。
 また、桜の葉も関東では二枚、関西では一枚。食感も、もち米の粒々感が特徴
の道明寺に対し、長命寺は薄く滑らかなのです。どちらが元祖かというと、考案
の由来や販売記録が文献に残る長命寺桜餅が有力で、それが関西に伝わり道明寺
粉にアレンジされたのでしょうね。
 さて、風月庵の「桜餅」。まるで練り菓子のようでとっても甘く、長命寺風と
も道明寺風ともいえないごくごく普通のお菓子。これで一個170円の税別って
のは無いよね。
 お菓子なんてあまり特異でないあほまろも、この時期には毎年数個の 「桜餅」
を食べるのです。それも、桜が満開で混雑している向島の「長命寺の桜餅」にあ
えて並んで食べる、この時間がとっても風流なのですよ。
 享保年間、八代将軍吉宗は数千本の桜を隅田川堤をはじめ江戸各所に植えると
いう大事業を行なって一般庶民に開放しました。“江戸庶民に一大行楽地を提供
する”そんな事業がきっかけとなって、江戸庶民は桜の下に集って飲めや歌えの
ドンチャン騒ぎをするという、現在のような庶民的な花見が広まったのです。「
新六考案」による「長命寺桜餅」は、そんなムーブメントを背景に大ヒットし、
桜並木の名所隅田川から、やがては全国へと広まっていったのでしょうね。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数39枚