平成16年(2004)2月9日 月曜日
- 疑問 -

 まだまだ寒い浅草寺境内では針供養の会場となった淡島堂の奉納提灯の取り外
しや、浅草寺本堂のひさしに架けられた幕の取り外しなど、昨日の後かたづけが
寒さを忘れたようにテキパキと行われております。
 モモちゃんを曳くあほまろの手は凍傷になりそうなほど冷たいっていうのに、
取り外し作業を行っている人の片手は素手なんですよ。幕を痛めないように慎重
な作業は素手に限るのだそうです。
 何か行事のたびに取り付けられるこの幕、実は今朝までその名前を知りません
でした。いつも、“何て名前なのだろう・・・、後で調べてみよう・・・”そん
なことを思っていたのですが、散歩から帰ってくるとついつい調べるのを忘れて
しまい、何年もあほまろの疑問の一つだったのです。
 今朝、作業をしている新門の鳶に聞いてみました。この幕は「ごはいのまく」
と言うそうですが、漢字は「向かうって字だったような・・・」そうかな、「ご
はい」って意味からすると、「御拝」じゃないだろうか・・・、ようやく解決し
た疑問にまた疑問が生じてしまった・・・、でも、頭の中に詰まっていたものが
スカッと抜けた気分は爽快でしたよ。早く帰って漢字を調べなくちゃ、モモちゃ
んには悪いのですが、忘れないように「ごはい」、「ごはい」と、頭の中で言
葉を繰り返しながらショートカットで帰って来てしまいました。
 ご‐はい【向拝・御拝】社殿や仏堂の正面階段の上に張り出した廂ひさしの部
分。参詣者の礼拝する所。背面にあるものは後拝という。[広辞苑第五版]
 なるほど、やはり考えた通りの漢字が充てられていましたね。でも、後幕の「
後拝」に対しての表幕ですから、やはり「向拝」ってのが正しいのでしょう。こ
のように、普段何も考えずに勝手な呼称をしている物にも、当たり前ですが、由
緒正しい名前が存在していたのですね。他にも疑問に思っている解らない物も多
いのですが、いざ調べようとすると何だったっけ・・・、疑問に思っていたもの
すら思い出せないんです。メモっておけば良かった・・・。
 これからは、せっかく小さいパソコンも持っているのですから、散歩にも連れ
て行かなければいけませんね。
 五重塔通りに出来た新しい門にも提灯が吊されるそうです。でも、雷門などと
は違って、小さい提灯が複数なのだとか。その新しい門の間に出来る江戸情緒た
っぷりの商店街の外観工事も基礎部分がようやく完成したようです。これから木
造風の飾りが付けられるのでしょうね。完成が楽しみです。
 江戸開府400年を記念して、台東区が出版した「上野・浅草歴史散歩」が完
成しました。江戸時代後期の地図と現代の地図を比較しながら歩くことができる
ようになっているそうで、販売価格は2800円。「紙面で瞬間次元移動!!」
なんてキャッチフレーズですが、最近書店にはこの手の書籍が多く出回っている
中、台東区だけってのもちょっと寂しいですね。
 あほまろは、「鬼平犯科帳」関連で出版されている江戸と現代の比較地図と、
パソコンソフトの「江戸重ね地図」を併用して江戸を偲ぶ散歩をしております。
やはり、「鬼平犯科帳」のような物語に沿って歩くのが江戸を知る近道なのです
よ。最近ようやくパソコンで読める「鬼平犯科帳」も登場しました。さっそく、
あほまろもザウルス用に鬼平を全巻(85巻)を買ってしまいました。江戸の街
を歩きながら、物語を読み直してみるつもりですが・・・。
 「広辞苑」「鬼平犯科帳85巻」「江戸地図」等々、書籍にしたら数十キロも
有る内容を、ちっぽけなパソコンの中に収まって持ち歩ける、こんな時代に生ま
れて良かった・・・、改めて感じる朝でした。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数27枚