2003年8月7日 木曜日

今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数28枚
M29

下駄ばき

 各地で夏祭り真っ盛りのようですね。
昨夜はNHKの衛星放送では青森ねぶた
の中継を行っておりました。5年前の夏
、女房と二人で東北の四大祭りを堪能し
た時のことを懐かしく思い出しました。
夏祭りといえば、昔は高知のよさこい祭
、徳島の阿波踊りなど、テレビコマーシ
ャルのロケハンを口実に、毎年有名なお
祭りを巡り歩いたものです。
 でも、老人の域に入って、浅草に落ち
着いてしまった今では、このクソ暑い時
期に、好きこのんで人混みの中に入り込
むのも、もどかしいような。各地のお祭
りをテレビで拝見している方がよっぽど
楽しいのです。なんたって、あほまろの
居間には、バカでかいのプラズマディス
プレーが鎮座しているんですから。
 今日は、「花の日」、「鼻の日」、「
バナナの日」。みんなゴロ合わせの記念
日ですね。でも、「花の日」だけあって
、ベランダに置いたアサガオの団十郎が
どんどん枝を伸ばしてきました。このま
ま伸び続けると、隣に置いたホオズキの
鉢にくっついてしまう勢いです。そうな
ったら、ホオズキの栄養分まで吸い取ら
れてしまうようで、綺麗なアサガオって
ちょっと怖い存在なのかも・・・。
 触手を伸ばして繁栄を誇ってきたのが
、今話題の若者の街である「渋谷」や、
「新宿」の繁華街ですね。あほまろが学
生時代の「渋谷」なんてのは、駅周辺が
賑わっていただけ。井の頭線のガード下
には汚い居酒屋が並んだ、若者なんて絶
対に集まって来なかった、のんべのオヤ
ジの街だったのです。
 そこに、場違いなような、どでかいブ
ティックビルが出来た時には、みんなが
バカ呼ばわりした時期も有ったような。
それが、企業の先見性っていうのでしょ
う。企業パワーが長い歴史を一瞬に変え
てしまうパワーをも兼ね備えていたのか
も知れません。
 “これが、浅草だったら・・・”、そ
れでも、良かったのかも・・・。
 昭和53年に出版された、「浅草走馬
燈」って本を御存知ですか。あほまろは
、以前から探していたのです。先日ネッ
トオークションで偶然みけて購入したも
のが昨夜届きました。明治37年浅草生
まれの作者が、懐かしく暮らした浅草の
、東京大水害、関東大震災、そして東京
大空襲と、丸裸にされた三度の災害から
立ち上がった這い上がってきた、浅草人
の心意気を痛切に描いています。
 この本の巻末に、「今日は浅草のかた
ちがだいぶ変わった。映画の盛んな頃の
六区にしても、あかりの消えた吉原にし
ても、かっての面影はなく、さびれてし
まった。表むきは変わっても浅草のよさ
は、ズボンの下駄ばきの気楽さで歩ける
とか、気取ったところがなく、ざっくば
らんの親しみがもてるとか、うまくて、
安くて、量のある飲食店が相変わらず賑
わっているとか、懐がさびしくとも結構
楽しめる点、少しも変わっていない・・
・」
 それから25年が経ってしまった浅草
は、彼がいう、四度目の大災害でも起こ
ってしまったかのように、様変わりをし
てしまいました。六区の興行街は、益々
その数を減らし、今となってはどっかの
地方都市となんら変わること無く、わざ
わざ浅草の映画を観に来ようなんて者は
皆無。あかりの消えた吉原には、高層マ
ンションの灯りが増え続け、あと数年で
性風俗の灯火も消えてしまうかもしれま
せん。
 老舗といわれるお店は、妙に気取って
いて、値段も高く、味もそこそこ。ガイ
ドブックの提灯記事に踊らされた一過性
の客はそれでも良いのでしょうが、地元
の連中には、もはや、ざっくばらんなズ
ボンの下駄ばきの気楽さはおろか、懐が
さびしくとも結構楽しめるお店。そんな
雰囲気とは無縁の街になってしまったの
です。
 過去の繁栄を基に、排他的で虚勢を張
った気取りが、浅草の発展を阻害してい
るってこと気付くのは、いったいいつな
のでしょう。
(注:この下の数字は毎日確実に減って
いきますが、他意はありません。単なる
メモと思ってください。)