2003年3月10日 月曜日

今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数34枚

記念物

 ちょっと風が強く肌寒さを感じるので
すが、爽やかな青空で気持ちの良い朝に
なりました。月曜日は観光客も少なく、
浅草寺境内は静まりかえっています。そ
んな中、桜茶屋の建設工事が進んでおり
、宝蔵門前では奉納提灯用の枠組みの組
み立てが行われておりました。この作業
、三ヶ月おきに組み立てたり外したりの
繰り返し、そんな面倒くさいことしない
で常設の枠組みでも造ったら良いのに・
・・、なんていつも思うんですが、これ
も一種の風物詩なんでしょう。
 風物詩といえば、年末年始の”イルミ
ネーション”と称される電飾の飾り。雷
門前も綺麗に飾られるんですけど、これ
がまだ点灯してるんですよ。春には似合
わないような気もするんですけどね。こ
れももうすぐ撤去されるんでしょうか。
弁天山の山桜は益々その花を開いてきま
した。浅草にも刻々と春が近づいてくる
のが実感できるようになってきましたが
・・・・。
 イラク情勢が緊迫化する中、不戦の誓
いを広げるために東京大空襲を語り継ご
うと、浅草公会堂では「東京大空襲資料
展」が行われております。
 ”復讐”の二文字が如実になった、昭
和20年3月10日未明。降りそそぐ焼
夷弾となって東京の下町一帯が焼け尽く
されました。その時点ですでに敗戦を確
実とした日本ですが、まだ”神風”なる
戯言を信じ、無鉄砲な交戦によって、あ
の原爆という悲惨な結末を迎えたのです。
 東京大空襲の傷跡を今に残す浅草寺境
内の大銀杏を御存知でしょうか。今とな
っては地元の方々からも忘れ去られてし
まったこの大銀杏、内部をえぐり取られ
るように焼けただれた惨めな地肌を晒し
ているのです。そんな状態でも枯れるこ
となくまだ生きています。
 大空襲で焼かれる前の五重塔は浅草寺
本堂に向かって右側に有りました。広重
の錦絵などでも有名な江戸の名所、その
五重塔の前後に大きな銀杏の木も描かれ
ております。また、戦前の絵はがきにも
その雄姿が写っております。
 かっては、東京都指定の天然記念木で
も有ったこの二本の大銀杏を、悲惨な戦
争の記念として広く世間に知らせてもら
いたいですね。毎朝ここを通るたびに考
えているのです。特に、今日は一夜にし
て十余万人が亡くなった記念日。自然に
手を合わせ、犠牲者の冥福と平和な国家
の安泰を祈ってしまいました。
 世界中で”イラク攻撃反対”の反戦デ
モが行われております。また、イラク国
内には、”人間の盾”となる人達が大勢
押し掛けているようです。「ブッシュの
戦争にノー」「戦争こそテロだ」「石油
のために血を流すな」。また、対イラク
攻撃に反対し国連の査察延長を主張した
、フランスやドイツにお礼を言う「フラ
ンスよ、ありがとう」「古い欧州に感謝
」といった看板も興味をひきます。
 でも、昨夜のパウエル米国務長官は、
「もし国連採択されれば、武力行使が適
切だと、国際社会から明確な支持を受け
ることになる。採択しないなら、そうい
う選択を安保理がしたまでのことだ」と
語ってましたが、これって国連安保理の
決定の如何に関わらず、イラクを攻撃す
るってことなんでしょうね。
 実行された結果、”復讐”の二文字に
悩まされる・・・、ってことを考えてる
のでしょうかね。あー怖!