2002年3月20日 水曜日       

今朝の写真 
CANON EOS-D30
CANON ZOOM 24-85 F3.5-4.5
撮影枚数34枚

思い出したく無い日
 死者12名、負傷者5000名以上が被害にあ
った、あの忌まわしい卑劣な地下鉄サリン事件か
ら今日で7年が経つ。当時、マスメディアは、地
下鉄サリン事件で、突然大騒ぎになったというこ
とになっている。ところが、あとで知るところに
よると、前日の日曜日には多数の警察官が朝霞の
自衛隊施設で防毒マスクの装備訓練をやっていた
。警察幹部は、少なくとも何者かが、近く毒ガス
散布を決行する事を察知していたのだ。毎年、こ
の日が来ると当時の事を鮮明に思い起こされる。
 二度と起こってはならない。オウム事件は、巨
大な謀略事件の様相を呈している。そのなかで、
オウムの例を良いことに、国旗・国歌法、盗聴法
を含む組対法、総背番号制、入管・外登法改悪な
どが、いとも簡単に成立してしまった。破防法の
改悪さえ叫ばれている。各地のオウム排斥運動、
自治体による転入拒否など、憲法の精神は土台で
踏みにじられ、マスメディアが圧倒的に振りまく
価値観は、「オウムさえいなければ日本は幸せ」
というあだ花を増幅し続けた結果なのかも。  
 たしか、あの年も桜が早かった。地下鉄築地駅
の様子を伝えるテレビ画面に、本願寺の桜が妙に
綺麗に写っていた。過去の戦争映画の冒頭の1シ
ーンのような、”お国のためと、花と散れ”そん
な時代の再来を予感させる出来事でもあった。
 浅草神社の鳥居前の天水桶の塗り直しが行われ
ていた。明治2年に地元の鳶頭連中より奉納され
たこの天水桶。関東大震災や東京大空襲を生き延
びたが、戦後大修復をされて今に残る。”汚れた
から塗り直すので、何年に一度なんてのは無いん
ですよ。前回の塗り直しは平成になった年だった
でしょうかね”。早朝からもくもくと働いている
、古希は過ぎたであろう塗装屋さん。あほまろの
質問に、しばし手を休め、ほのかな懐かしさを感
じる下町言葉で丁寧に答えてくれた。”私の知る
かぎり、これで3回目の塗り直しかな〜?。次塗
る者に笑われない仕事をしなきゃねぇ〜”。仕事
とはいえ、大切な神社の宝物でも扱うごとく、満
開になった桜の下で、ゆっくりと丁寧に作業が進
められている。”おじさん、今夜の晩酌はきっと
美味しいだろうね”。