2002年2月5日 火曜日       

今朝の写真
CANON EOS-D30
CANON ZOOM 17-35 F2.8
撮影枚数22枚

命根性

 あほまろは男ならみんなが憧れる秘密基地を持
っている。それも浅草の雷門通りに面したビルの
一角だ。子供の頃、公園の片隅や大きな遊戯機器
、空き地にあった土管を空想豊かに「秘密基地」
として遊んだ事が無い日本の男は、多分いないだ
ろう。そんな「秘密基地」には必ずといって良い
ほど拾ってきた犬が居た。家で飼うのを断られ、
「秘密基地」で飼っていた。学校から帰るとおや
つを持って「秘密基地」に走った。弟や妹に分け
与えるのは嫌だが、犬だけにはおやつを分け与え
るのだった。「秘密基地」って、自分だけ、とか
自分の仲間だけ、という特別な存在。部外者には
漏らしてはいけないのが暗黙の了解だから、言っ
てはいけない、と思えば思う程いいたくていいた
くてたまらなく、それを我慢するのが男の楽しみ
だった。「秘密基地」は屋外だけとは限らない。
たとえば、家の物置きとか、押入の中とかにも存
在した。「秘密基地」には「○○研究所」とか、
「○○司令室」なんて、得体不明の看板を掲げる
事が多かったのだ。そんな空き地の「秘密基地」
もいつかは取り壊される運命になっていた。宅地
の造成が始まったとか、下水工事のために土管が
持っていかれたとか。それは突然起こるのだった
。犬が一人で寂しそうに私を待っていることが。
 そんなあほまろの「秘密基地」を作って半年。
始めは誰にも知らせず、一人で集めた宝物を眺め
モモちゃんと悦にいっていた。そかし、そんな楽
しみも突如押し掛けられた大勢の連中に「秘密基
地」内に警報が鳴り響き、あほまろの「電脳秘密
基地」は崩壊していくのだった。       
 なんて大袈裟だが、一昨日落語同好会の三次会
であほまろの「秘密基地」になんと、18名もの
来客で賑わってしまった。それよりこんな狭い「
秘密基地」に良く入ったものだと感心する。同好
の士は、立っていようが地べたに座ろうが寄席の
話題を話すのに体裁は構わないのだ。そんな話題
で深夜まであほまろの「秘密基地」は乗っ取られ
ていたのだった。¥「秘密基地」は完全に秘密で
は無くなってしまった。こうなったら、開き直っ
て皆さん!時々遊びに来てくださいね。    
 我々は落語の同好会だが、今朝、緑色のお揃い
のジャンバーを着た団体が仲見世に異様な雰囲気
を醸し出していた。聞いてみると、長野からやっ
てきた「禁煙同好会」の団体だという。町でゲー
トボールを通じて知り合った60歳以上の老人達
が、”命根性、汚く生きよう”と、全員禁煙をし
たのがその由来だとか。会長さんだけが”禁煙”
と書かれた腕章を巻いていたが、その側でくわえ
タバコのオジサンの命根性は綺麗なのかもしれな
いね。                   
 「おめでとーございます」の独特の口調でおな
じみの太神楽曲芸の兄弟コンビ、「海老一染之助
・染太郎」の兄、海老一染太郎さんが2日、胃が
んのため他界された。寄席ではあまりお目にかか
らないお二人だが、正月にはあの独特な節回しで
「おめでと〜ございま〜す!」ってのが耳に残っ
ている。そういえば今年の正月にはテレビで観な
かったなぁ。70歳はお若いのか年寄りなのかは
判らないが、命根性が綺麗な芸人さんだったのだ
ろう。ご冥福をお祈りいたします。      
 節分も終わり飾りが何にも無くなった浅草寺仲
見世に、確定申告の横断幕が取り付けられる。湯
島天神では梅の花が咲いたとのニュースもあり、
もうすぐ春。時の流れってのは速いもんだねぇ。
あほまろは今日も「秘密基地」で、モモちゃんと
だらだら戯れながら、有意義な時を過ごすのだ。