ナナちゃんおかえりなさい。ヒロちゃん待ってたよ。　

　ヤマト君待って無い。　　

　ナナちゃんお帰りなさい。

　ヒロちゃね、さきから何かブツブツ言ってるよ。　

　ねぇ、ナナちゃんテレビで「鶴は千年亀は万年」って言ってたけど、ほんとにそんなに長生きなの。

　千年も万年も、そんなに生きれる訳無いでしょ。

　「鶴は千年亀は万年」、どこにも生きるとは入って無いでしょ。

　じゃ、何が千年で何が万年なの。

　たぶん、鶴は大きな身体でも一生懸命飛んでいる姿を見て、飛ぶのに専念してるって思われたのかも。

　それじゃ亀は？

　ヒロちゃんと一緒なのだ。

　何が一緒なの。いつも布団を敷いたままの万年床だってこと。

　それじゃ、ヤマト君も一緒じゃないか。

　違う、ヤマト君は綺麗好きなのだ。

　なによ、いつも目くそ付けてるくせに。

　頭に来た・・・、ヤマト君が凄い剣幕でヒロちゃんに殴りかかったよ。

　解ったからもうやめてくれ・・・、

　ヒロちゃん、まいった・・・。

　弱虫は、千年どころか十年も生きられないのさ。

　たわいない鶴や亀の話題で喧嘩するなんて、まったく困った猫たちだよね。

　今朝の境内、三毛猫ミーちゃん座ってた。

　お腹がいっぱいで、動くのもイヤみたいだったね。

------------------------------------
写真集「待ってたよ。〜北海道犬ナナちゃんと野良猫ヒロちゃんの早朝ものがたり〜」
　徳間書店　定価１２００円（税別）お求めはお近くの書店かアマゾンなどのネット販売で。