2003年7月16日 水曜日

今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数28枚

藪入り

 お盆の最終日だっていうのに、浅草寺
境内は外国人観光客だけで賑わっていま
す。いつもの台湾と香港の団体と、韓国
からの修学旅行の高校生。それと、珍し
いところ(朝としては)では、スエーデ
ンから若い男性ばかりの団体もやってき
ました。一昨日来日し、二日間の東京観
光を楽しんでから、新潟県の農家に一月
間ホームスティをしながら、日本の農業
を勉強するというスエーデンの農業大学
の学生達でした。
 日本犬のモモちゃんが珍しい犬だねと
、声をかけてきた彼らに、初めての日本
の印象を訪ねると、街中に溢れる自動販
売機と、売られているソフトドリンクの
値段の高さに一番驚いたと、全員口を揃
えるように言うのです。おいおい、わざ
わざ日本にやってきて、この二日間でそ
んな発見しか無かったのか。
 あんたらも、今の日本の若者と同じ無
気力人間なんだね。そんな状態で、一月
間日本で暮らしても得るものが有るので
しょうかね。ちなみにスエーデンでは、
コーラ一本、日本円で40円程度だそう
です。そんなことで文句を言うのなら、
今度来るときは、リック一杯コーラを持
ってきたら良いんだよ。
 一人の男が、これはいったい何ですか
と、お茶のペットボトルを差し出しまし
た。文字は読めないけど色が綺麗なので
買ってみたけど、とっても苦くて不味い
ので飲めないそうです。でも、高かった
ので捨てる訳にもいかないし・・・、そ
んなこと言われたって、勝手にしたら、
ってしか答えられないもんね。
 お盆の最終日は藪入りの日でもありま
す。その昔、商店に奉公している人や、
嫁入りした娘が、休みをもらって家に帰
れる日なのです。年にたった二日で、今
日と正月の16日だけでした。正月の薮
入りに村して盆の薮入りを「あとの薮入
り」ともいったそうです。明治になって
「週」の制度が導入されてからでも、外
国系の企業以外は昭和初期までこの風習
が残っていたそうです。
 奉公制度も無くなってしまった現代。
会社に通う人も、学校に通う子どもたち
もけっこうな休みがあります。春、夏、
冬休みに完全週休二日。今度、これに新
しく加わるかもしれないのが「リクエス
ト休暇」という耳慣れない休暇制度。
 家族が要望すれば、小中学生が出席扱
いのまま年間数日間休める制度だそうで
す。「リクエスト休暇」導入へ向けて、
政府が本格的な検討を始めているそうで
す。この休暇は、子どものためだけのも
のではなく、大人も一緒に休んで、ゴー
ルデンウイークや夏休みといった混雑す
る時期を避け、ゆっくり家族旅行などに
出かけてもらおうということです。
 実現すれば労働者の有給休暇の取得が
増え、旅行などで経済効果が上がって失
業者も減る、渋滞緩和にもなる、との皮
算用を発表しております。しかし現実は
日本人の有給休暇の取得率は五割程度。
しかも、ここ数年は取得率も取得日数も
少しずつ低下しているといわれています
。リストラで減ってしまった社員の分も
働かなければならず、有給休暇はおろか
休日もまともに休めないという人も増え
ているとか。それより失業している人が
こんなに大勢の現実を見れば、本当にこ
の制度を求めているのは、ただ毎日タイ
ムカードを押すだけに出勤している窓際
公務員だけなのかも知れませんね。
 休みを増やすだけで経済効果が上がる
のでしょうか。昔の藪入りのように極端
に減らしてしまうってのも一考かもよ。
 「藪入や犬も見送るかすむ迄」一茶