シール
 ヨーロッパでは、封筒の封印に蝋をたらして封をしていたものをシール
と称しておりました。まだ蝋がやわらかいうちに刻印した木や、ガラスで
押さえて紋章や記号を象ったのです。
 一方、日本でシールというと、裏に糊のついたマークや広告用の貼り札
を思いうかべるでしょう。これは、ステッカーといって、シールでありま
せん。
 それでは、ラベルでもシールでもステッカーでもない。シールとはいっ
たい何を指すのでしょうか。
 本来、シールとは、印、印章、封印、封緘紙のことで、ラテン語の
SIGILLUMと同義。押印するもの、すなわち印鑑、あるいは印それ自体を
あらわすとされています。
 そうなのです。正に印鑑なのです。商品の内容を保証し、客に信頼され
る証でもあるのです。特に、デパートや老舗のシールが貼ってあるだけで
、他と区別するという、大切な役割を果たしていたのです。
 シールは信頼の証であり、ステッカーやラベルはその形状を示す言葉な
のです。今でも、シールはその形状を変えて存在しています。包装や紙袋
に貼るテープがシールなのです。
 お店を出るまでこのテープを剥がさないでください。これは間違いです
シールを剥がさないでくださいってのが本当。
 そのように、今では、ちょっと味気なくなってしまいまいましたが、こ
のページで紹介するシール達は、あほまろが、後生大事に捨てずに仕舞っ
てきた商業史の証人なのかもしれません。

 まさか、このような形でデビューするとは思ってもいなかったでしょう
。こんな物でも、今となっては貴重な存在であることだけは確かですね。
百貨店
有名店
食 品
本 屋
商 品

まいど
 わが国の「シール印刷の誕生」 (シール印刷より転載)
 明治45年(大正元年)当時、東京・四ッ谷大番町にあった「尚山堂」(
現在の尚山堂とは無関係)が、ドイツのケーゼ社よりシール印刷機を輸入
してシーリング・スタンプの製造を開始したのが始まりだとされている。
そのきっかけとなったのは、イギリスのジョージ五世の戴冠式に天皇陛下
の御名代として伏見宮殿下が渡英する際に、宮内庁から贈り物の貼付シー
ル用に外国製の見本を提示され、これと同じものを作るようにとの注文を
受けたことによる。当時は200枚の注文に数千枚も印刷してのぞき加工を
してやっと納めたといわれている。
 現在のような、剥離紙からめくってすぐ貼れるシール(セルフラベル)
は、昭和32年ごろから出始め、昭和36年NHKが、受信章に採用したこ
とから普及した。それまでの受信章はアルミかステンレス板で、くぎで玄
関や門標に打ち付けていた。(集金人が釘とカナヅチを持って歩かなくて
もよくなっ)
 
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