| 戯繪(あじゃらえ) | 
     
      | 【戯繪】あじゃらえとは、おどけ、ふざけ、じょうだんで想像した絵をいう。 もちろん、あほまろの創作した言葉である。古来、戯絵(ざれゑ) ともいう。
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      |  あほまろは浮世絵が好きで集めてもいる。江戸期の芸術を見ていると自分でも描いてみたくなり、版木22度刷りにも挑戦したこともある。
 しかし、どれも真似でしかなく、オリジナルと比べようもない駄作なのだ。
 思い切ってオリジナルの錦絵でもとの挑戦も、どれもこれも駄作。使い古しの
 版木の山を築くだけであった。
 そんな中10年ほど前、MACとPhotoShopとの出逢いで新種の浮世
 絵制作を思いつく。それ以来、浮世絵オリジナルや雑誌などに掲載されている
 浮世絵等を片っ端からスキャンし、そのイメージを膨らますため、モデルを雇
 い、表情を浮世絵に合わせての撮影、そんな写真との合成であった。これがな
 んとも奇妙奇天烈なムードを醸し出してくれた。また、昔から趣味で集めてい
 た明治・大正期に外国人のおみやげとして制作された手彩色絵はがきとの合成
 で、東海道五十三次の絵の中に宿場女を配置した「乙女街道五十三宿」を完成
 させた。
 また、廣重の名作「江戸名所百景」を写生したであろう土地の今の姿と合成
 した「今昔対照江戸東京名所百景」を制作中だ。こちらは春夏秋冬同じ風景を
 撮影するために時間がかかる。雪景色には本当の雪が、雨の風景には雨、桜、
 紅葉、等々取りかかってから五年の歳月が流れるがまだ半分も完成していない。
 仕事柄、広告やポスター、包装紙などに使いたいとの注文も舞い込み、あほ
 まろ風「あじゃらえ」の制作もこの10年余りで600枚を数える。
 浮世絵や手彩色絵はがきなど、オリジナルを所有している物は版権が発生し
 ないが、雑誌や美術書などより拝借した絵には所有者に版権が帰属する。本当
 はできる限り現物を揃えたいのだが、高価な物が多くとても手がでない。特に
 高名な絵師が描いた物の中には金を出しても買えない物も多く難儀している。
 画家が亡くなって五十年を経過した著作物には版権が消滅すると言われるが、
 こと浮世絵に関してはその後も所有者が版権を主張する物も多い。弁護士の調
 査によると、絵をそのまま複写して雑誌などに掲載するのとは違い、オリジナ
 ルの一部を模写するもは問題は無いと言われた。そんな法律的な事より、一部
 収集家よりオリジナルのイメージを崩さないで欲しいとの要望もある。
 商売に利用するのならばともかく、趣味で制作するのならお咎めは無いであ
 ろう。そんな訳で、あほまろが10年間制作してきた作品の一部をここに公開
 することにした。
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      | 戯繪 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
 オリジナルはB4版(350dpi)
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      | あほまろ版 組戯繪 | 
     
      | 1996年以前の作品 「富士繪集」「風流風刺繪」「初膝枕」「憂き世風呂繪」 | 
     
      | 1997年作品  「乙女街道五拾参宿」 
      「錦の艶繪その1」「次膝枕」 | 
     
      | 1998年作品 「慶祝浪漫」 「艶あわせ」「改訂憂き世風呂繪」「増膝枕」 | 
     
      | 1999年作品 「錦の艶繪番外編」「新判憂き世風呂繪」「益々膝枕」 | 
     
      | 2000年作品 「錦の艶繪その2」「新版富士繪」「御膝枕」 | 
     
      | 2001年作品 「江戸風俗 川柳いろは歌留多」「續憂き世風呂繪」 | 
    
      | 2002年作品 「燐票見立浅草風俗(1)」「新艶あわせ」 | 
    
      | 2003年作品 「燐票見立浅草風俗(2)」「絵葉書美人ずくし」 | 
    
      | 2004年作品 「コインプレート・シリーズ」「燐票見立浅草風俗(3)」 | 
    
      | 2005年作品 「モダン天然色(制作中)」「手彩色のあの人(仮称進行中)」 | 
    
      | 2006年作品 「明日があるさじゃ明日はねえ」 | 
     
      | 禁断の果実 白壁へ 戯絵をかきし科として くらき土蔵へいれられぬ。よべどさけべど誰ひとり小鳥をすくふものもなし。
 泣きくたぶれて長持の 蓋をひらけばみもそめぬ
 「未知の世界」の夢の香にちひさき霊は身にそはず。
 窓より夏の日がさせば國貞ゑがく絵草紙の「偽紫」の桐の花
 光の君の袖にちる。摩耶の谷間にほろほろと頻迦の鳥の声きけば
 悉多太子も泣きたまふ。魔性の蜘蛛の網にまかれ白縫姫と
 添臥の風は白帆の夢をのせいつかうとうと ねたさうな。
 蔵の二階の金網に赤い夕日がかつと てりさむれば母の膝まくら。
 
 竹久夢二 「夢のふるさと」より
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