昨日の台風の影響でしょうか、今朝の境内は鳩の姿が少なめでした。いつもなら30羽近くの鳩たちが遊んでいるのですが、今朝はわずか10羽ほどでございました。
そんなわけで、ビクトリー君とレインボーちゃんは姿を見せてくれませんでしたよ。きっと台風に備えて、どこか安全な場所で風雨をやり過ごしていたのでしょうね。
それでも、ハート君とピースちゃんは待っていてくれました。どこかで台風を避けていたのか、羽根には少し泥がついておりましたが、手水場の水で身体を洗い、すっかりきれいになっておりました。
ビクトリー君たちも、無事に台風を避けてくれているとよいのですが、少し心配でございます。
このスズメちゃんは、浅草寺の手水場の鴨居の中で生まれ育った子でございます。
巣立って立派な成鳥になった今でも、なぜか手水場の近くを離れようとはしないのですよ。
きっとここにいれば、早朝散歩にやって来るワンちゃんたちのおやつのおこぼれにありつけることを知っているのでしょうね。人間の暮らしの知恵を、ちゃっかり身につけてしまったようでございます。
おかげで人を怖がる様子もなく、近づいても逃げるどころか、「何か御用ですか」とでも言いたげな顔で見上げてくるのでございます。鳩たちともすっかり顔なじみになり、ビクトリー君たちに混じって仲良く遊んでいる姿を見かけることもあるのですよ。
野生の鳥でありながら、人と鳥との境界を軽やかに飛び越えて暮らしているような不思議な存在でございます。
今朝もつぶらな瞳でこちらを見上げながら、「今日も平和だね」とでも語りかけてくれているようでございました。
「手水場で 育った雀の 世渡りは鳩より上手(うわて)と 見えて可笑しき」(阿呆人也)
このスズメは、たぶん親スズメと思われ、常に遠くから小スズメを見守っているようでした。