平成17年2月2日 旧暦12月24日大安

- 人間国宝 -

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 空には一点の雲も無い眩しい朝になりました。でも、とっても寒いんです。そ
れもそのはず昨日は宮崎や鹿児島でも雪が積もったんですよ。ニュースによると
、雪が降らなかったのは東京だけのようでしたね。その分、今朝の寒さは厳いの
でしょうね。この寒さにモモちゃんも歩くのを嫌がってました。
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 最近はNHKの不祥事を発端に、テレビ朝日社員が架空取引で1億7千万横領
したとか、新潟の地方局では災害援助金を着服した職員が逮捕されたなど放送局
の不祥事が次々に取り上げられています。
 そんな中、先日も新聞沙汰になったテレビ東京系の情報番組「教えて!ウルト
ラ実験隊」のウソ疑惑。発覚当初は実験の期間の間違いを謝罪して一件落着だっ
たようですが、今朝の新聞では花粉症対策の治療実験そのものがねつ造だったと
する調査結果が発表されました。
 実は何の実験もやっていなかったって訳なのです。この時期の花粉症に悩む方
々にとっては些細なことでも朗報とこの治療法に飛びついた方も多かったそうで
す。全く効果が無かったのかは判りませんが、テレビ東京としては、下請けの会
社が制作した番組だったので、チェック体制が不備だったと謝罪してましたが、
「下請けが・・・」なんてコメント、政治家の「秘書が・・・」と全く同じに思
えませんか。総てを把握している者はちゃんと逃げ道を確保しておくのです。
 同じテレビ東京で有名な番組、「何タラ鑑定団」ってのの裏もすごいですよ。
あたかも現場で鑑定をしたかのように振る舞っている行為、あれ全部やらせ。実
は数週間前に現物が届き、あれこれ調査した結果のお芝居をしているだけなんで
す。あそこに登場する鑑定士なる連中は役者なんですよ。ちゃんと裏では専門家
が調べたことを台本通りに喋っているだけです。
 あほまろが集めている古い絵葉書も時々あの番組に登場します。今度、日本で
最初の絵葉書と言われている「近世少年付録・シャボン玉を吹く少年」ってのが
登場するはずです。知り合い連中がわざとらしいテレビ局の演出でお芝居をする
そうですよ。
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 同じ演出なら、歌舞伎のようにもっと楽しい演出で楽しませて欲しいですね。
昨夜は歌舞伎座の二月大歌舞伎の初日に行ってまいりました。何が観たいのかっ
てことは無いのですが、どんな演目でも毎月必ず観ることにしているのです。
 特に、今月は芝翫、雀右衛門、鴈治郎、富十郎、田之助という、めちゃ豪華な
人間国宝のオンパレードなんです。これは絶対に初日を狙わなくっちゃいけない
のです。人間国宝のみなさまといっても、御高齢の方々なので台詞は背後からプ
ロンプターが教えているのです。しかし、そこも御高齢なので耳も遠くなってい
らっしゃるようで、その声も場内に響き渡っておりました。
 初日なので、どの程度覚えていらっさるのかな。そんな興味もお芝居を更に楽
しくする魅力なのですよ。
 演目は「新版歌祭文・野崎村」、あの有名な、お染(雀右衛門)久松(鴈治郎
)の恋物語。野崎村の久作(富十郎)、久作の後妻の連れ子お光(芝翫)、娘を
迎えに来た油屋の後家お常(田之助)。これだけの人間国宝を集めてのお芝居な
んて過去例がありません。
 台詞はおぼつかなくても、そこは長年演じてきた役者連中です。動きの一つ一
つが芸術の域を見せてくれるのです。田舎娘お光(芝翫)の可愛らしさ、いじら
しさ、大根を刻む前に、手ぬぐいで眉を隠して自分が新妻になった姿を想像して
照れたりするとこなんかはまるで17〜8の娘の演技を観ているようでした。
 特に見せ場は、ラストシーンです。お染(雀右衛門)は母お常(田之助)と共
に花道を舟で、久松(鴈治郎)は駕籠で仮花道へと別々に去っていく二人を見送
るお光(芝翫)。それまで気丈に振る舞っていたのですが、恋する久松(鴈治郎
)たちが両花道に消えた瞬間、父の胸に泣き崩れるのです。
 筋を知っていても、このシーンには泣かされるんですよ。特に上手な俳優が演
じると、鬼の目にも涙・涙・・・。感動の幕切れなのです。
 でも、田之助さんの足がそうとう弱っているようで、ちょっと痛々しかったの
が気がかりです。みなさん、最終日まで頑張ってくださいね。このお芝居は絶対
にお勧めですよ、もし見逃してもきっとDVDでも発売されるでしょうけど、や
っぱり生が一番なのです。歌舞伎の人間国宝が全員で演じているのですから。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数28枚
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