平成16年(2004)11月18日 木曜日

- 旅も終わり -

 おはようございます。山陰より無事帰ってまいりました。今朝はさっそくモモ
ちゃんと観音様にお礼参りですよ。なんたって、浅草に住む者にとっての観音様
は出雲の神にも勝る存在なのですから。
 今回はとっても冷静なモモちゃんです。帰ってすぐの喜びはいつも通りでした
が、他の犬達はもう狂ったように喜んでいるっていうのに、簡単な挨拶程度でま
るで演技でもしているかのように余所余所しいのです。こんな態度っていうのは
、よっぽど腹が立っている時に見られるのです。あほまろが居ない間は娘に散歩
をお願いしておいたのですが、きっと満足出来なかったのでしょう。
 寂しさを堪えていたのか、白々しく横を向いて寝そべっているモモちゃんに、
何度も優しい言葉をかけてあげていると、突然堰を切ったように飛びつき甘えて
くるのです。そう、本当に寂しかったんですね。感情をむき出しに喜ぶモモちゃ
んを抱き抱えながら、あほまろも涙が出てしまいましたよ。そんな様子を他の犬
たち書斎の入り口でジーッと見守っていました。
 観音縁日の今日は、早朝から訪れる人も多いようです。3日ぶりに訪れた境内
では、すでに菊花展の菊は運び去られ、展示小屋の後かたづけが行われておりま
した。いつもの犬仲間たちがみなさん厚着で暖かい姿を見ていると、僅か3日間
の留守が、とっても長い歳月にも感じてしまうのでした。
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 写真に写っている大きな注連縄に注目。下に立っている女房は注連縄の後ろに
居る訳じゃないのですよ。注連縄の前に立っているのです。そう、これが出雲大
社神楽殿ご自慢の大注連縄なのです。
 長さ13m、太さ8m重さ5トンと書かれていますが、数字だけでは想像出来
ない巨大な注連縄、ここを訪れる人はみなさん注連縄の先にお金を投げて、うま
く刺さると御利益があると頑張っていましたよ。何度か挑戦してみたのですが、
うまく刺さらないというか、かえって前の人が刺したお金までが落ちてしまう状
況なのです。刺すのを諦め、散らばったお金をかき集めて賽銭箱に入れてあげま
した。
 「古事記」や「日本書紀」にも記述され、千年以上の歴史を持つ出雲大社の祭
神は「国譲」や「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」等の神話の主人公である
大国主命です。
 本殿は江戸時代に建造されたもので、大社造りの源流となっており、高さ24
mと神社建築の中では最大の規模を誇りますが、平安時代にはこれが約47mと
今の2倍の高さを誇っていたそうです。これを裏付ける証拠として、平成12年
には3本の松の木の柱を直径3mに束ねた巨大柱が発掘されました。これによっ
て、歴史の記述をひも解く重要な遺物として注目されているそうです。
 平安中期の源為憲「口遊(くちずさみ)」に記されている、「雲太(うんた)
・和二(わに)・京三(きょうさん)」とは、建築物の高さの位取りを表した言
葉で、一に出雲の大社・二に大和の東大寺の大仏・三に平安京の大極殿の意味で
、当時の本殿の高さは現在の2倍、もっと昔には4倍であったと伝えられている
のです。
 より高く、より天に近くありたいと言う古代人の祈りの象徴だったのでしょう
ね。この注連縄もより大きく、より重くってのも判るような気がしました。
 そういえば、ここ浅草寺も大きさを競う大提灯ってのがありますよ。
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 結婚してちょうど30周年。出雲の神に家内安全をお参りしてまいりました。
昨年は伊勢神宮、一昨年は福井永平寺と年に一度の御利益旅行。来年はどこに行
こうかな、そんな会話ができるのも幸せな証拠なのでしょう。何度も生死を彷徨
って来たあほまろですが、まだ鬼が笑うようなこと考えているってのは、まだま
だ元気な証拠なのでしょうね。
 これからも毎朝、モモちゃんとの散歩は欠かしませんよ。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数23枚
今回の旅行598枚