平成16年(2004)6月18日 金曜日
- 滑稽新聞 -

 梅雨の中休みが続きますね。沖縄方面には台風が近づいているっていうのに、
関東地方はこんなに良い天気が続いていて良いのでしょうかね。我々都会で暮ら
す者にとっては結構なことなのですが、農家を営む連中にとっては梅雨の時期は
梅雨らしい気候の方が作物の生育には良いそうですよ。おかげで、近郊で採れる
野菜の値段も上がってきたそうです。でも、今日の降水確率は“0”のまま。
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 毎月18日は観音様の縁日です。熱心な信者の方々は朝早くからお詣りに来て
おりますが、昨日より来月開催される四万六千日「ほおづき市」の屋台造りが始
まった境内は、どっちかというと普段よりも静かな感じでしたよ。
 屋台の区画割りに使われている鉄パイプの端には赤い布が付けられております
。これって、通行人がぶつからないように注意を促す布なのでしょうね。この布
、よく見ると「東京時代まつり」の幟ですよ。そっか、毎年寄付をする企業が変
わるので作り替えているのですね。廃品利用としては良い方法です。屋台はまだ
少しですが、これからこの広場いっぱいに並んでいくのでしょう。
 「ほおづき市」は毎年7月9日〜10日と決まっています。今年は土曜日が入
るので、いつもより混雑するのでしょうね。この日に観音様をお詣りすれば、四
万六千日もお詣りしたのと同じ功徳があるそうですよ。毎年毎年欠かさずにお詣
りしているあほまろ、いったい今まで何日お詣りしたことになっているのでしょ
うかね。それより、一年間毎日欠かさずにお詣りしていたって、たったの365
回、一日で四万六千日ってのは凄すぎるとちゃぅ・・・。
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 急に話が変わってしまいますが、宮武外骨(みやたけがいこつ)って人知って
ますか。明治から昭和初期にかけて、“反権力”を生涯つらぬいたジャーナリス
トの草分けの方なのです。また絵葉書のコレクターとしても有名な方で、彼のコ
レクションの一部が東京大学に保存されております。昨年、このアルバム類が、
CDロムで復刻され、88万円の定価が付けられて話題になったのをご存じの方
もいらっさると思います。
 なぜ、急に彼を取り上げたのかというと、あほまろが収集している絵はがきと
大きな関わりにある人物なのだからです。東京での新聞・雑誌刊行が権力により
妨害された外骨は、再起を賭けて明治33年に大阪で「滑稽新聞」というものを
刊行しました。
 内容は、明治末期の役人や政治家とこれにこびるマスコミ、戦争に沸く庶民や
堕落した世相、インチキ広告でぼろ儲けするペテン師などを風刺し、かつ滑稽に
それらを笑い飛ばしたのでした。そんな内容が反中央(反権力)といった大阪の
風土とも相まって人々の喝采を受け、最盛期には月刊8万部にも達する勢いだっ
たそうです。しかし、歯に衣着せぬ言動とその本質を付く記事はしばしば筆禍に
あい、発刊中だけでも関係者の入獄は5回、罰金刑は16回、発売禁止印刷差し
押さえ処分20回以上に及んだという凄まじい内容だったのです。
 この「滑稽新聞」には、明治40年5月から毎月30枚の風刺絵葉書で構成さ
れる「絵葉書世界」という増刊号が有り、あほまろはこの絵葉書を必死で集めて
いるって訳なのです。
 現在およそ200種類所持しているのですが、発行された絵葉書を調べていみ
るとその全貌は500種類を超えているようです。一部の物には復興版も有るよ
うです。今、この絵葉書に描かれた滑稽を読み取るため、昭和60年頃に筑摩書
房より復刻された「滑稽新聞」全編を、もう一度最初から読み直しながら分析を
している最中なのです。でも、年で弱ってしまった目には古い活字と文章っての
は不親切ですね。2〜3ページで目薬が欲しくなるのですよ。早くから手に入れ
ていた復刻版、もっと若い頃にやっておけば良かった・・・、後悔先にたたず。
 たった一枚の絵はがきに中に秘められた世相に対する“反骨心”、宮武外骨の
センスは今の連中をも超えているようです。この調査の結果はいずれ出版をして
みようと考えております。その前にホームページでも紹介しましょうね。そんな
こんなで、この数ヶ月あほまろの頭の中は外骨でいっぱいになっているんです。
 これからもなんとか絵葉書の抜けた部分を補う努力をしていきたいと思ってお
りますが、どなたか「滑稽新聞」の絵葉書、お持ちの方はいらっしゃいませんか
ね。

今朝の写真
SONY DSC-F828
撮影枚数22枚