2003年10月8日 水曜日


今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数33枚

カミオカンデ

 とっても寒い朝になりました。浅草寺
を訪れる観光客のみなさんも、寒い寒い
と呟きながら歩いています。バスの中が
暖まりすぎてしたので、特に寒さが身に
しみるようです。大勢の団体客に遭遇す
ると、必ずモモちゃんの側に寄ってくる
人がいます。それも、必ずといって良い
ほど女性が多いんですよね。モモちゃん
は慣れっこで、別にその人達に媚びを売
る訳じゃなく、どっちかというと面倒く
さそうな態度で早くその場を離れたそう
な態度なのです。まるで、どっかの芸能
人がファンに取り囲まれてるような。
 でも、あほまろはこんな状況が好きで
すね。“何処からいらっしゃったの・・
・”、“これから何処の見物・・・”、
なんて通り一遍の質問から始まる些細な
会話が楽しいんですよ。モモちゃんにサ
キイカをくれたお嬢さんは、岐阜県の神
岡町からやって来たそうです。神岡町と
いえば、あの有名な“カミオカンデ”。
小柴先生がノーベル賞を受賞してから、
神岡町は“星の便りの届く町”として世
界中に有名になり、観光客が増えている
そうです。街中に、「カミオカンデ」と
宇宙に関する観光施設も造られているそ
うですよ。
 「ところで、“カミオカンデ”ってい
ったい何なの?」って、意地悪な質問に
も、「宇宙から飛来するニュートリノと
呼ばれる素粒子の観測を行う場所で、廃
鉱となった鉱山を利用して・・・」、さ
すがです。ややこしい専門用語を交えた
説明が、立て板に水の如く流れてくるの
でした。彼女は、名古屋に就職をしてい
るそうですが、神岡町出身で町外で暮ら
す人で結成している、「ふるさと神岡サ
ポーターズクラブ」というボランティア
。「ふるさと神岡」を活性化させるため
に勉強しているとのことでした。モモち
ゃんは早く歩きたそうですが、ちょっと
長めの立ち話。こんなに郷土愛いっぱい
のお話を聞いていると、なんとなく神岡
町に行ってみたくなってしまいました。
 旧暦九月十三日は十三夜です。今夜は
「後の月見」といわれ、中秋の名月を祝
った場所と、十三夜の月の両方を同じ場
所で眺めるときっと良いことが起こると
いわれております。また、別のところで
眺めたら、“片見月”とされ、不吉なこ
とが起こるともいわれています。十五夜
をお祝いした方は、今夜も秋の味覚をお
供えして、ちょっと欠けたお月様に何っ
て良いことをお願いしてみましょうね。
“木曽の痩せもまだなほらぬに後の月”
 芭蕉
 幼なじみの煙草屋の倅で、車夫になっ
た貧しい高坂録之助と資産家の原田勇に
嫁した阿関が偶然にも十三夜の夜に上野
の森で出会いお互いの身の上を語る・・
・。樋口一葉の代表作「十三夜」を思い
出しますね。この作品に代表されるよう
に、十五夜とちょっと趣が変わった十三
夜ってのは、“片見月”の言葉にも表れ
ているように、なにか裏寂しい雰囲気も
醸し出されているようです。
 十三夜から一夜明けてしまうのですが
、明日は樋口一葉が五千円札に起用され
たのを記念して、「今蘇る一葉の世界 
一葉の夕べ」が開催されます。熊澤南水
さんの語り「十三夜」、そして岡本宮之
助・岡本美弥子さんの新内で、「にごり
え」が演じられます。会場は、観音裏の
ゴロゴロ会館で、明日と明後日の二日間
開催されます。詳細はこちらをご覧くだ
さい。
 「奥山風景」では、昨日までの生け花
展示会が終わり、「盆景」と呼ばれる、
盆栽の箱庭のような展示会が開催されま
した。限られた空間の中に創られた自然
を見ていると、昔、鉄道模型に狂ってい
た時のことを思い出すのでした。展示物
を並べている人に、「“鉄道模型のシィ
ナリー”みたいですね・・・」っていう
と、「あんなのと一緒にしてもらいたく
ない!」なんて怒られてしまいました。
“盆景”と、“鉄道模型のシィナリー”
と、どこが違うんでしょうかね。どっち
にしても、壮大な宇宙から見るとこの地
球だってちっぽけな存在、箱庭よりちっ
ぽけな我々、「ナニオカイワンデ」。