2003年9月9日 火曜日


今朝の写真
SONY DSC-F707
撮影枚数33枚
M5

十三夜

 残暑というか、真夏のような猛暑の中
、5日ぶりの散歩になります。僅か5日
間だというのに、浅草寺境内がすっかり
様変わりしてしまったようです。観音裏
広場には、平成中村座の骨組みがすっか
り出来上がっていました。5日前には、
ようやく機材が運び込まれたっていうの
に、仮設小屋とはいえ早いものですね。
 また、奥山風景は造作が完成し、内装
工事に取りかかってきました。江戸開府
400年の記念行事として開催される、
今年の「大浅草祭」は、大勢の観光客で
賑わうのでしょうね。楽しみです。
 久しぶりの散歩なので、犬の仲間たち
が心配して声をかえてくれます。でも、
今回の入院は、特別病名が有る訳じゃな
し、どっちかといえば検査のための入院
だったので、それを説明するのがこれま
た大変。苦しい言い訳でもするかのよう
に、逢う人ごとに同じ説明を繰り返した
のです。も〜、説明のビラでも造って来
れば良かったよぉ、全く。でも、みんな
が心配して言ってくれるんで、面倒くさ
いなんて言っちゃいけないですね。
 今日は、重陽の節供です。重陽とは、
昔の祭日であった五節供の最後を締めく
くる節供ですが、残念ながら他の節供が
現在でも盛んに祝われるのに比べて、重
陽の節供は今一つぱっとしません。忘れ
られた節供という感があります。重陽は
、満月(中秋の名月)の二日前の十三夜
ですね。
 今年、新しいお札のモデルとして登場
する、樋口一葉の代表作に、「十三夜」
があります。「実家は上野の新坂下、駿
河臺への路なれば茂れる森の木のした暗
侘しけれど、今宵は月もさやかなり・・
・」。鬼のような旦那、原田に耐えかね
た、妻お関。“教育のない身”と虐げら
れ、エリートの原田にとって嫡男を産ん
だお関はもう用無し、離縁の相談で実家
に帰ったのだったが、息子・太郎のため
に我慢しろと説き伏せられ、しかたなく
原田家に帰るのにつかまえた車の車夫を
見てお関は驚く。彼は幼馴染の録之助。
かつて嫁入り前に愛し合った録之助だっ
たのです。運命に翻弄されていく女。女
。女。一葉が女性だったからこそ、当時
の女性の生きざまをリアルに綴ることが
できたのかもしれません。そして、十三
夜と十五夜の両方にお月見を楽しんでい
た、江戸時代から残るの風流な文化も垣
間見ることができるのです。
 「十三夜」の中でも、現代的な(ハイ
カラな)生活をする原田家では、新暦に
のっとって十三夜のお月見はしていない
。明治も20年代になると、人々の生活
は、すっかり新暦で推移していたようで
す。
 あほまろは、毎日を旧暦で過ごす努力
をしております。それによって、旧暦の
暦に書かれた忌む不明の文字も、生活の
リズムとして捉えることが出来るように
なってきました。
 二十四節気でいう、昨日の白露から、
23日の秋分までは、“大気が冷えて露
ができはじめる頃”といわれております
。涼風立ち始める季節で、秋の花も咲き
出す本当の秋が到来してくるのです。
 “誰かさんが 誰かさんが 誰かさん
が見つけた
  小さい秋 小さい秋 小さい秋見つ
けた・・・”
 くそ暑さの中にも、秋の気配を探しな
がらの散歩です。隅田川河川敷の一部に
は、ススキが茂っていますよ。
 でも・・・、青テントが一緒の視界に
入ると、風流な気分が失せてしまいます
ね。これも、平成の文化として、将来ま
で語り継がれるのでしょうかね。
(注:この下の数字は毎日確実に減って
いきますが、他意はありません。単なる
メモと思ってください。)