「ゆめまち観音」概要

 模型(ジオラマ)と人形を使った映画は世の中に数多く存在します。しかし、今回企画した映画「ゆめまち観音」では、模型(ジオラマ)の中にとけ込むように佇み全く動くことの無い人形たちを、全く動かすことなく、物語の世界観を表現することに挑戦をした始めての試みなのです。

 「ゆめまち観音」の舞台は、東洋一の高塔、凌雲閣がそびえる関東大震災前の浅草六区。その繁栄の裏、「十二階下」で、人生の裏街道を生きた女性たちが暮らした浅草の裏世界なのです。今回のジオラマの製作は、造形作家山本高樹。特撮協力円谷プロダクションの協力で制作しているのです。

 今回の映画では、震災前の浅草六区と瓢箪池の賑わいを始め、大道芸や縁日、また、「十二階下」と称された「猿の助横丁」、銀座、神田の古書街など、30個を超える町並みのジオラマと、それぞれの舞台となる室内ジオラマで構成されております。

 浅草在住の監督の浅草の物語を浅草で創りたい、そんなこだわりによって、ジオラマ制作を始め、撮影スタジオまでも浅草に仮設し、制作進行をしております。

 「ゆめまち観音」の最大の特徴はジオラマの舞台で、出演者は総て動かない人形であることを始め、かつて日本一の興業街であった浅草らしく、往年の無声映画の雰囲気の再現。全編を通し、活弁によって解説されるという、目新しい企画でもあります。

 活弁は、女性活弁師として注目されている麻生子八咫を起用、劇中では、大御所落語家、三遊亭圓歌師も人形となって友情出演していただきます。

「ゆめまち観音」内容

 日本一の歓楽街として賑わっていた瓢箪池を中心とした浅草六区。そこには活動劇場、芝居小屋、玉乗り等々の小屋などが並び、両国と共に国技館も造られていたのでした。更に浅草を天下に知らしめたのは、その一角にそびえる東洋一の高塔「浅草十二階」。残念ながら、それらの建物は関東大震災で崩壊してしまったのです。

 しかし、当時の繁栄と「浅草十二階」の勇姿は、今もなお語り継がれているのです。そんな繁栄も一歩裏に入った社会、通称「浅草十二階下」に生きた女性たちの存在も忘れることはできません。この映画は、そこで生まれ育ったひとりの女性が、仕事を通して判明してくる自分のルーツ、そんな物語です。
 
 主人公上坂早智子が産まれた関東大震災前の浅草六区。十二階下の猿の助横丁から始まり、戦争に亭主を取られ、戦争未亡人となっても、大切な我が子を育てながら、女性誌の記者として活躍する物語です。

 舞台としては、大正前期の浅草六区とその界隈。アールデコの影響を受けたモボ・モガが闊歩した昭和初期の銀座。我が国の歴史上忘れることができない戦時の悲劇。そして、近代国家に生まれ変わる起爆剤となった東京オリンピック開催に沸く東京神田の書店街。それらの舞台を、総て時代考証に基づいたジオラマによって再現されているのです。

 エンディングは、静岡県の富士山の見える架空の街「野池町」、そこの繁華街「夢町楽天地」で完結を向かえます。「夢町楽天地」の怪しい雰囲気はもちろん、映画史上初、町全体を広大な、デジタル化された鉄道ジオラマで再現されているのも見逃せないでしょう。

《スタッフ》
製作     (株)江戸ネット
製作協力   (株)円谷プロダクション

製作・監督   三遊亭あほまろ
模型創作    山本高樹
物語原作    小国正皓
脚本      小国正皓・三遊亭あほまろ
映像監修    大岡新一(円谷プロ)
撮影      高橋 創(円谷プロ)
プロデューサー 大平ひろゆき(江戸ネット)
        小山信行(円谷プロ)

劇場版 ビスタサイズ 上映時間70分