定点観測「番外編その2」

本橋左近さんからの定点観測番外編です。 末広亭初席、一日の第三部に行って参りました。 開演の半時間前には結構列ができてたので、すごく混むの かなあと思いきや、入場してみると客入りは三分の二ぐら い、二階も開いてませんでした。一日の夜ってのはそんな に混まないもんなんですね。 高座は次の通りでした。 ・鯉太 :「酒の粕」 −−− ・ひまわり : 新年の挨拶 ・平治 : ものまね ひまわりさん、自己紹介と新年の挨拶を威勢よく言いたてた かと思うとすぐおあとと交代。その間実に20秒ほどでした。 このためだけにいちいち見台だして、また片づけて、ってのが 笑えました。 続く平治師匠も「私の持ち時間は二分半・・・」というわけで、 昇師匠他のものまねを披露して、すぐ交代です。 ・真理 : 漫談 ・小文治 : 小噺、踊り ・南なん :「ざるや」 ・雷蔵 :「八づくし」 小文治師匠の踊りや南なん、雷蔵両師匠のオメデタ系の噺で、 お正月気分が盛り上がります。雷蔵師匠の噺で「東京の寄席は 八軒」というセリフがあり、これはこの噺が作られたころの軒 数なのか、それとも、四軒+永谷商事の三軒+国立演芸場?? などと考えてしまいました。 ・東京ボーイズ : 歌謡漫談 ・桃太郎 : 漫談 この時の桃太郎師匠は「曙が〜」で始まる例の駄洒落ニュー ス解説のあと、「〜しないで〜する法」という本を読む、とい うネタにつながりました。このネタ、バカバカしくて私大好き です。 ・夢太朗 : 漫談 ・円 : 漫談 円師匠の漫談は、プードルをもらってきて、という前にも聞 いたことがあるネタでした。円師匠の漫談の奥さんネタ、どこ か温かくてとても好きです。高座を降りる時も、「おっとそろ そろかかあのところへ帰る時間が来ました・・・」 なんかいいですよねえ。 ・北見マキ : 奇術 ・蝠丸 :「代書屋」 ・笑三 :「大師の杵」前半 蝠丸師匠の「代書屋」、いい感じだなあと思ったんですが、 初席用の短縮バージョンだったので、また別の機会にじっくり きいてみたいです。 −お仲入り− ・遊吉 :「芋俵」 ・ひでや、やすこ : 漫才 ・小柳枝 :「ときそば」 ・伸治 :「ぜんざい公社」 ・喜楽、喜乃 : 太神楽 仲入り前までは一切代演無しだったので嬉しかったのですが、 残念ながら私が末広に通い始めて初の、パーフェクトな代演無 し興行とはなりませんでした。というのも入場の時入り口に 「今日は鶴光出ません」と紙が貼ってあったんですよ、あらか じめ。 というわけで、番組表には、くいつきが伸治師匠で、ひざが わりの前が鶴光師匠となってましたが、この日は代演の遊吉師 がくいつきをつとめ、替りに伸治師匠が出世(?)となりまし た。 小柳枝師匠の「ときそば」が印象的でした。お顔といい声と いいとにかく渋くてかっこいいのに、なぜか不思議な愛敬があ って笑えるんですよね。 「そういえば、プログラムではひざがわりがボンボン・ブラザー スとなってましたがこれも代演、久しぶりに紙テープ立ての芸が 観たかったのでこれもちょっと残念でした。」 ・文治 :「親子酒」 そしてトリ、待ちに待った文治師匠です。末広亭で文治師匠 で初笑い、ってのが去年暮れからの計画だったんです。 (もちろん正確に言えば、ここまでの出演者の皆さんで初笑い は済ませちゃったわけですが。) これほど天真爛漫に、無邪気に美味しそうにお酒飲むシグサ できるってのは、ほんとお人柄のなせる技なんでしょうね。噺 の最初から最後まで抱腹絶倒、ますます文治師匠に惚れてしま いました。
本橋左近


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